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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

熊本が誇る香しい花のような熊本ワイン 肥後六花シリーズ マスカットベーリーA&デラウェア

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

熊本城主が育んだ花々がラベルに

和食がユネスコ世界遺産に認定され、日本のワインも世界的に注目されるなか、熊本にも瑞々しく果実味豊かな素晴らしいワインが生まれています。平成11年に設立以来、良質な葡萄にこだわり、地産地消をモットーにワイン造りに励んできた「熊本ワイン株式会社」。ラベルには、江戸時代に武士のたしなみとして栽培をはじめた肥後六花の美しい白椿と赤椿が描かれています。今回は初夏に向けて、熊本が誇る花のように香り高いワイン2種をご紹介いたしましょう。

国産葡萄にこだわった実力派ワイナリー

熊本ワインは熊本市郊外のフードテーマパーク「フードバル熊本」の中にあり、南欧を思わせる明るく華やかな建物。近くには熊本城もあり、食とワインを気軽に楽しむことができる観光ワイナリーです。しかし、その味わいは非常にシリアスで実力派。ソムリエや他社の醸造家からも一目を置かれるほど高品質なワインを生み出し、コンクールや品評会では数々の賞を受賞しています。

「良い葡萄が出来なければ、みなさまに愛される高品質なワインはできません」と28の契約農家が、おいしいワイン造りのためにわが子を育てるように日々、葡萄栽培に励んでいます。中でも熊本ワインの品質へのこだわりのひとつが、ナイトハーベストにあります。

香りがピークの真夜中に収穫“ナイトハーベスト”

秋の収穫時には、ワイナリーと農家の人々、そして地元のワイン愛好家が一緒になって、気温の低い真夜中に葡萄を収穫します。冷涼な真夜中は、葡萄のフレッシュな酸と香りが一日のうちで最もピークな時間帯。その時に葡萄をいっせいに摘んで、新鮮なうちに発酵させることで、豊かな果実感と芳香、そして生き生きとした酸を備えたワインが生み出されるのです。

熊本ワインでは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといった国際品種の他にも、日本が誇る固有品種マスカットベーリーA や、デラウェア、ナイアガラ・キャンベルアーリーといった葡萄を栽培。それらは『肥後六花ワイン』としてシリーズ化されています。

熊本が誇る肥後六花のように香しく

「肥後六花」とは、江戸時代から栽培されてきた熊本が誇る花々のこと。藩主細川重賢が、武士の精神修養のために栽培を奨励したのがはじまりといわれます。赤と白の肥後椿、肥後菊、肥後花菖蒲、肥後朝顔、肥後芍薬の6種があり、花連と呼ぶ保存団体を作って、他藩には栽培方法をもらさない門外不出の花として現在に伝えられました。

肥後六花に共通する大きな特徴は、一重に咲く大輪、雄しべの美しさ、そして濁りのない純色の花色です。気品があり端正で豪壮な花を好んだ、肥後の人々の精神性を表現しているといわれます。これらの花は現在、熊本城内の肥後名花園にて、折々のシーズンに楽しむことができます。

国産ワイン品評会 プラチナ賞&ゴールド賞を受賞

熊本ワインでは、熊本県内で栽培する6種の葡萄を、この肥後六花に例えて香り高く純真なワインを造りあげています。その中で東急フードショーでは「マスカットベーリーA」「デラウェア」の2種のワインを販売しています。

「肥後六花マスカットベーリーA」はラベルに肥後の赤椿が描かれ、ワインも赤い花や赤い果実の香りが魅力。可憐で渋みが少なくライトな味わいながら、深みと気品も備えた辛口の赤ワインです。「日本で飲もう最高のワイン 2016」の国産ワイン品評会で、専門家部門のゴールドメダルをみごと受賞しています。

「肥後六花デラウェア」のラベルには白椿が描かれ、その花言葉のように愛らしく純粋で凛としたイメージを感じさせます。赤白いずれも気温が高くなるこれからの季節に飲みたいフレッシュで瑞々しいワイン。旬の魚菜を盛り込んだ四季折々の和食ともよく合います。日本人の琴線に触れる可憐で美しいワインを、ぜひご家庭でお楽しみください。

東急フードショーのおすすめ

熊本ワイン 肥後六花シリーズ マスカットベーリーA
(750ml)1,544円

生産地:日本・熊本県
葡萄品種:マスカットベーリーA 100%
味わい:赤・ライトボディ・辛口

和食がユネスコ世界遺産に認定されるなか、日本の固有品種マスカットベーリーAのワインにも注目が集まっています。金色に縁どられた肥後六花の赤椿がラベルに描かれ、花言葉「慎み深い美徳」「気取りない優美さ」のごとく、渋みが穏やかで可憐でフレッシュ、そして奥深い気品を備えています。カツオやマグロなどの赤身のお刺身、天ぷらや豚カツなどの和食との相性は抜群。さらにトマトを使ったサラダやパスタなどイタリアンにもよく合い、軽く冷やしいただくと瑞々しい果実味を一層お楽しみいただけます。

熊本ワイン 肥後六花シリーズ デラウェア
(750ml)1,544円

産地:日本・熊本県
葡萄品種:デラウェア100%
味わい:白・ライトボディ・辛口

ラベルに肥後の白椿が描かれた香り高い白ワイン。日本では食用としても親しまれているデラウェアの葡萄品種から造られ、味わいは甘口ではなく辛口。葡萄本来の甘やかな芳香、フレッシュな酸と凛とした印象をもち、日本人の気品と奥ゆかしさを感じる素晴らしいワインです。「日本で飲もう最高のワイン2016」の品評会では愛好家部門のプラチナ賞、専門家部門のゴールド賞、さらにコストパフォーマンス賞と、数々の賞を受賞。白身の刺身、焼き魚、筍料理、木の芽やみつ葉やシソなど香り高い日本の薬味ともよく合います。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。