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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

お花見や行楽シーズンに 春の陽ざしの中で楽しむ ソーヴィオン シュマン・デ・サーブル ロゼ・ダンジュ 2017

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

春の到来が待ち遠しい時期。今年は暖冬の影響で桜の開花も早まりそうですね。今月は暖かくなる季節に、お花見などの野外で楽しんでほしい、フランス・ロワール地方のフレッシュなロゼワインをご紹介しましょう

ワイン名はフランス語で「砂の道」 海浜でくつろぐラベル文字

写真:野外のテラスや砂浜でゆっくりと味わってほしいロゼワイン
ワインの名前は「ソーヴィオン シュマン・デ・サーブル ロゼ・ダンジュ」。ソーヴィオンは生産者の名前。ロゼ・ダンジュはアンジュ地区のロゼという意味。そして、「シュマン・ザ・サーブル」とはフランス語で「砂の道」を表しています。

このユニークな名前は、砂浜やテラスなどの野外でゆっくりとワインを飲んでもらいたいという思いから名づけられました。ラベルはワイン名を大きく描いたモダンなデザイン。でもよくご覧下さいね。NとSの文字が斜めにゴロンと横になっていて、生産者のおしゃれな遊び心が感じられます。

透明感のある美しいバラ色で、イチゴやサクランボのような果実のアロマに満ちた、ナチュラルな甘さのロゼワイン。これからの季節は、お花見や海辺のカフェなど、暖かな陽ざしの中で良く冷やして飲みたいですね。

生産地は美しい古城が世界遺産のロワール地方

写真:世界遺産でも有名なロワール川流域が生産地
このワインの生産地は、ユネスコ世界文化遺産にも認定されている、美しい古城で有名なロワール川流域。ここは「フランスの庭」とも呼ばれ、中世には風光明媚な自然に魅せられ、王侯貴族がこぞって城や聖堂を建立しました。ワイン造りは宮廷文化の開花とともに発展し、今日ではフランス第3位の葡萄栽培面積を誇るワイン産地となっています。

ワインの生産者“ソーヴィオン”は、このロワール川流域のミュスカデ地区で最も古いシャトーのひとつである「シャトー・デュ・クレレ」を所有する家族経営のワイナリー。1935年からワイン造りを行う歴史をもちます。今では世界の数々のコンクールで輝かしい賞を受賞し80カ国に輸出、ミュスカデのワインの品質向上と世界的な知名度の獲得に最も貢献してきた生産者です。

次世代に受け継がれる ワインへの情熱と惜しみない努力

写真:子供の頃から暮らした葡萄畑とシャトーを愛し、ワインへの情熱を注ぐピエール・ジャン・ソーヴィヨン。
現在は偉大な父とともに、息子のピエール・ジャン・ソーヴィオンがワイン造りに励んでいます。ピエールは、畑の中心にある家に生まれ、子供の頃からワインと葡萄畑に囲まれて育ちました。一族のワイン造りと葡萄畑をこよなく愛していた彼は、ボルドー大学の醸造学部で学び、その後、カリフォルニア、オーストラリア、フランス各地のワイン産地で、醸造家として研鑽を積みました。

2004年にソーヴィオンの家業に加わり、今はすべての製造部門を担当。彼のモットーは「ワインへの情熱」であり、産地全体の名声を高めるために努力を惜しまない熱いハートの持ち主です。

ミュスカデの最高峰が生む 可憐で優雅なロゼワイン

写真:大西洋からの海風が優しく吹き抜ける葡萄畑
ソーヴィオン家はミュスカデ地区に95㏊の自社畑を所有し、そこは葡萄栽培に最適な珪土の多い粘土質土壌。大西洋から穏やかに吹く海風が、葡萄を美しく完熟させる最高の環境にあります。元来は長期熟成型の傑出したミュスカデの白ワインのスペシャリストですが、このロゼワインも非常に可憐でエレガント。

フランスの三大ロゼワイン産地のひとつ、アンジュ地区で造られ、ワイン・スペクター誌でも高評価を獲得した実力をもちます。甘やかな美しい果実味のこのロゼは、エスニック料理や和食にも合う懐の深さを備えています。春の訪れを喜びながら、週末の食卓や行楽のお供に、ぜひお楽しみいただきたいワインです。
(写真協力:日本リカー)

東急フードショーのおすすめ

ソーヴィオン・シュマン・デ・サーブル・ロゼ・ダンジュ 2017
(750ml) 1,870円

生産地:フランス・ロワール地方
生産者:ソーヴィオン
タイプ:ロゼ・やや甘口
葡萄品種:グロロー、ガメイ、カベルネ・フラン
輸入元:日本リカー

淡く赤紫かかった美しいバラ色の色彩。桃、イチゴ、サクランボなど新鮮なフルーツの香りが広がります。口に含むと、フレッシュさと同時に、丸みと肉付きも感じられます。赤いフレッシュな果実感のある自然な甘さのロゼワインなので、生ハムやサラミ、トマトのカプレーゼなどのアペリティフの他、イチゴやラズベリーを使ったフルーツタルト、さらにアジアン料理にもよく合います。春から夏には、暑い日差しの中でよく冷やしていただければ、より一層美味しく感じられます。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。