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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

美味しく食べて人生を楽しく生きよう 大地の豊かさを伝える ドメーヌ・ド・ガベラス サンシニン テール・ルージュ 2015

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

渋谷 東急フードショーでは、店頭で人気のワインを一部ネットでも販売しております。今回はネット購入もでき、ゴールデンウィークの食卓を和ませる、愛嬌いっぱいの豚くんラベルの赤ワインをご紹介しましょう。南フランスの豊かな陽光と地中海の風が生み出した、芳醇で風味豊かな有機ワインです。

南仏の赤い大地から生まれ、ミネラルと果実味たっぷり

写真:ワインラベルをデザインしたボカイさん。南仏らしい豊かで自由な作風で人気の画家だ。
ワインの名前は「ドメーヌ・ド・ガベラス サンシニン テール・ルージュ」。このワインは南フランスのサン・シニアンで、自然派の生産者ドメーヌ・ド・ガベラスが生み出したワイン。テール・ルージュとは“赤い大地”という意味で、生産者が誇る赤土の粘土質土壌の畑から生まれたことを伝えています。

そして何よりも、インパクトがあるのが豚くんのラベルデザイン。楽しそうにワインを飲む様子は、ユーモアいっぱいで、見ているだけで笑顔になりますね。葡萄や花々を背景にイエロー、パープル、ピンクの南仏らしいビビッドな色彩にも心が躍ります。

このユニークなラベルをデザインしたのは、南仏モンペリエ在住の画家・ジャン・ポール・ボカイさん。彼はこの豚くんを「エピキュールの豚」と命名。エピキュールとは「なんでも美味しく食べて、人生楽しく生きよう」と快楽主義を説いた、古代ギリシャの哲学者エピキュロスから由来しています。

歴史あるワイン産地 サン・シニアン エコセール認証のオーガニック・ワイン

写真:歴史あるカルカッソンヌ城と周囲に広がる葡萄畑
ドメーヌ・ド・ガベラスのワイナリーがあるのは、南仏ラングドック地方のサン・シニアン。ここは南仏の中でも標高が高く、地中海から吹く涼風の恩恵で、病害を受けることなく健康な葡萄が育つ地域です。

また近郊には世界遺産であるカルカッソンヌ城や多くの修道院が点在し、中世からワイン造りが行われてきた歴史ある産地。ガベラスも16世紀から代々続く家族経営の小さなワイナリーですが、フランス農務省制定のエコセール認証のオーガニック葡萄を使った丁寧なワイン造りで知られ、驚くほどコストパフォーマンスに優れた秀逸なワインを生み出しています。

ミネラルと微生物が生きる豊かな土壌

写真:よく耕され微生物が生きるガゼラスの畑。力を合わせ無農薬栽培に励むクラヴェロさん一家。
ドメーヌ・ガベラスのクラヴェロさん一家は、「私たちは畑を自分たちの手でよく耕すことで、土中の微生物の活動を活発化させています。さらにワイン造りで発生した葡萄の搾りかすやハーブを煮込んだ液肥を与えるなどして、化学肥料や農薬に頼らない有機農法で葡萄を栽培しています」と語っています。

そのため、ガベラスの畑は微生物が生きミネラルが豊富で、土地のテロワールが表現された元気な葡萄が育ちます。それによって生まれるワインもこの上なく香り高く、柔らかでピュアな果実味を備えているのです。

年平均生産本数6000本。大きなグラスでゆっくり楽しんで

写真:大きなグラスで飲むと様々な香りが現われる
このワインも丁寧に栽培された南フランスの土着品種、グルナッシュ、シラー、カリニャンから造られ、年の平均生産本数がわずか6000本。フランス国外ではなかなか見つけられない希少なワインです。大きめのグラスに注いでゆっくりとスワリングしながら飲んでみましょう。

チョコ、カシス、プラム、カカオ、ブラック・ペッパーなど、次々と美味しそうな香りが現われ、芳醇でシルキーな味わいを楽しめます。熟度の高い健康な葡萄の豊かさとフレッシュで洗練された果実感がたっぷり。ラベルのように大地の豊かさと包容力を感じさせ、飲むと笑顔が溢れるワインですね

東急フードショーのおすすめ

ドメーヌ・ド・ガベラス サン・シニアン テール・ルージュ2015
(750ml) 2,090円

生産地:フランス・ラングドック地方サン・シニアン
生産者:ドメーヌ・ド・ガベラス
葡萄品種:グルナッシュ、シラー、カリニャン
タイプ:赤・フルボディ まろやかで芳醇

テール・ルージュとは、ミネラル豊かで芳醇なワインを生む「赤土の土壌」から由来。カシス、プラム、チェリー、タイム、ローリエなどの南仏の自然や風土を感じる芳香。フレッシュな酸と芳醇ながら洗練された果実味とのバランスに優れた味わいです。「何でも美味しく食べて人生を生きよう」という哲学者エピキュールに由来するラベルのごとく、バーベキューやステーキ、ビーフシチューやハンバーグなどの肉料理、夏野菜のラタトゥーユ、トマトやナスのパスタ、ラム、カツオのたたき、ハーブ、胡椒や山椒などスパイスを使った料理にも。お肉を中心にどんな料理とも汎用性が高く、楽しく美味しくいただける自然派の赤ワインです。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。