ホワイトデーやお花見に 爽やかで可憐な うさぎちゃんワイン
ムアムア・ビアンコ &ムアムア・ティント
ビノス・イ・ボデガス・ガジェーガス
ラベルが語るワイン物語
CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。
キスを意味する愛らしい名前
3月は春風のように温かくホッと癒される、スペイン・ガリシア地方のワインをご紹介しましょう。ホワイトデーや大切な友人への贈り物に、野外で楽しむお花見にもぴったり。ラベルがとっても愛らしく、味わいもチャーミング。春にぜひお楽しみいただきたいワインです。
ラベルには、目を閉じて愛情たっぷりにキスをする二羽のうさぎが。お尻を突きだし、ピーンと伸びたまっすぐな手がなんとも愛らしいですね。ワインの名前は「ムアムア」。スペイン語で「チュ、チュ」というキスの音を意味します。葡萄畑によくうさぎが現れることからデザインを思いつき、音の響きの愛らしさからこの名前がつけられました。
白も赤ワインも同じラベルですが、白は葡萄品種をグリーンで、赤はワインレッドで描いています。このワインの造り手は「ビノス・イ・ボデガス・ガジェーガス」。スペイン北部のガリシア地方で、土着の葡萄品種を大切にしながらワインを造ることを信念としています。
爽やかでチャーミング でも実力派ワイン
白ワインのムアムア・ブランコの葡萄品種は、ベルデホ。スペインで昔から大切にされてきた土着品種で、青りんごのような爽やかな芳香を備えています。空気にふれてしばらくすると、パイナップルのようなトロピカルフルーツの甘く華やかな香りが現れてきます。味わいは、瑞々しいピーチのようにフレッシュでふくよか。とても飲みやすく心が癒される美味しさです。
赤ワインのムアムア・ティントの葡萄品種はメルロ。ちなみにティントとはスペイン語で「染まった」や「インク」を意味し、赤ワインにも使われる言葉です。フランボワーズや甘酸っぱいラズベリーの香りが特徴で、渋みが穏やかでチャーミング。しかし、飲んでいるうちにジワーっと旨みが広がり、どんなお料理ともより添う食欲をそそる魅力的なワインです。
急峻な過酷な地形で葡萄栽培
さてこのワインの産地は、スペインのガリシア州内陸部のリベイラ・サクラ。ミーニョ川沿いの急斜面にテラス状に葡萄畑が広がります。その歴史は古く、古代ローマの植民地時代に葡萄畑がつくられたといわれます。
このワインの畑も切り立った断崖のような場所にあり、愛らしいラベルからは想像がつかないほど、葡萄は過酷な環境で育てられます。栽培者は太陽が照りつける急峻な畑を上り降りしながら葡萄の手入れを行い、すべて手摘みで丁寧に収穫されます。
秀逸な葡萄のみを徹底して選果
ワインの造り手ビノス・イ・ボデガス・ガジェーガスも「素晴らしいワインを造るために最も重要なことは、丹念な葡萄の手入れとよい葡萄のみを丁寧に選果すること」を信念にしています。最新鋭の醸造技術を取り入れる一方で、葡萄畑での仕事を第一に考え、この地域ならではの品種の魅力を多く人々に伝えたいと葡萄栽培に励んでいます。
創業者の父の遺志を継ぐゼネラル・ディレクターのミリアム・バスケスさんは、「皆様にガリシア地方の個性豊かなワインを知っていただくために、40年以上のボデガの歴史と経験をすべて注ぎこみ、これからも素晴らしいワイン造りに励んで参ります!」と日本へのメッセージを送っています。赤白ともに、豊かな個性と愛らしさを備えながら、非常にコストパフォーマンスに優れたムアムアワイン。ぜひ春の食卓でお楽しみください。
東急フードショーのおすすめ
ムアムア・ホワイト 2014
(750ml)1,404円
生産地:スペイン ガリシア州 リベイラ・サクラ
生産者:ビノス・イ・ボデガス・ガジェーガス
葡萄品種:ベルデホ100%
味わい:白・ライトボディ
ハーブや青りんごのような芳香に続き、時間とともにパイナップルのような華やかな香りが現れ、とてもアロマティック。フレッシュで豊かな酸が心地よく、シーフード料理ととても相性がよいワインです。エビとアボカドのサラダ、アンチョビ入りのポテトサラダ、エビや魚のフライ。うどやふきのとうなどの春野菜の天ぷら、菜の花とエビのパスタ、菜の花や筍のちらし寿司など、春野菜を盛り込んだお料理とも楽しめます。
ムアムア・ティント 2014
(750ml)1,404円
生産地:スペイン ガリシア州 リベイラ・サクラ
生産者:ビノス・イ・ボデガス・ガジェーガス
葡萄品種:メルロ100%
味わい:赤・ライトボディ
新酒を思わせる、ラズベリーやフランボワーズのような溌剌とした赤い果実味、生き生きとした酸を備えたとてもチャーミングなワインです。楽しく気軽に楽しめる味わいと価格ながら、有機成分が豊富な土壌で育つ葡萄由来のじわっとした旨みがあり、飲み進むうちにポテンシャルの高さを実感します。飲みやすく愛らしい味わいは、どのような料理とも相性がよく、特にトマトソースを使った煮込みやパスタ、豚肉のパテ、ポトフ、ハンバーグ、コロッケ。和食もよく合い焼き鳥、トンカツ、肉じゃがなど家庭料理にもぴったりです。
伴 良美(ばん・よしみ)
ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。