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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

アペリティフと楽しむ南仏ラングドックワイン
ドメーヌ・ポール・マス カベルネ・ソーヴィニヨン&シラー 2014

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

アペリティフってどんなもの?

食事の前に、食前酒とちょっとしたおつまみを楽しむフランスの食習慣「アペリティフ」。大切な家族と過ごす休日に、友人が集うホームパーティーに、アペリティフを取り入れて楽しい時間を過ごしてみては。今回はアペリティフにぴったりな南仏ラングドックのワインと、その楽しみ方をご紹介しましょう。

食と人生を楽しむことをこよなく愛すフランス人。そのライフスタイルに欠かせない習慣が「アペリティフ」です。アペリティフは食事の前に、ワインや軽いカクテルなどの食前酒と、生ハムやチーズ、オリーブやパテなどのアミューズ・ブーシュという小さなおつまみをつまんで、会話を楽しみながらリラックスした時間を過ごすフランスの食習慣。

フランス駐日大使のティエリー・ダナさんは、「アペリティフは、家族や友人との心の交流になり、さらに食前に少しのワインとおつまみを食すことで、食欲増進にもつながります。また、初対面の人が集まるパーティーなどでも、食事の前にアペリティフで”縁”を作ることで、いっそう楽しい時間が過ごせ新たな人間関係も結べます。最近は食前だけでなく、アペリティフだけの気軽なホームパーティーも流行しています。日本でも、ぜひこの習慣を取り入れてくださいね」と推奨しています。

アペリティフにぴったり 多彩なラングドックワイン

明るいうちからアペリティフを楽しめる初夏から夏は、この素敵な習慣をはじめる絶好の季節。アペリティフで楽しむワインといえば、例えばフレッシュで明るい果実味が魅力の「南仏のラングドック」、また、近年ボルドーワイン委員会が推奨する1,000円から3,000円台までのワインを厳選した「バリューボルドー」のワインもおすすめです。

いずれの生産地も、スパークリング、ロゼ、軽やかな白、芳醇な赤、フレッシュな甘口ワインと種類も豊富。また、コストパフォーマンスに優れた手頃な価格帯で楽しめるワインがたくさんあることも魅力です。特に、南仏ラングドックは地中海性の温暖で乾燥した気候とミストラルという涼風により、葡萄の病害がなく農薬や化学肥料を排した有機栽培の畑が多く、体に優しいワインが多いことも特徴です。

ラベルの物語に会話も弾む

またワインラベルも、のどかな気候風土や歴史あるワイン産地を表現する、物語性のあるデザインも多く、ラベルを眺めながらワインを飲めば、食卓での会話もいっそう弾みます。例えばラングドックの「ドメーヌ・ポール・マス・カベルネ・ソーヴィニヨン&シラー」の芳醇な赤ワイン。世界遺産にも認定されるカルカッソンヌ城の近郊ペゼナで1892年から葡萄栽培を行ってきたマス家が造るワイン。現オーナーのジャン・クロード・マスは「高品質であると同時に低価格であること」にこだわってコスパの高い素晴らしいワインを生み出しています。畑では自然の摂理に基づいたオーガニック栽培を実践。自然環境に対する強い思いから、ラベルにはこの地方に生息するアオサギをモチーフとした鳥の絵が描かれています。

「ドメーヌ・ペイリエール・リゼルヴ・ソーヴィニヨン・ブラン」は青りんごやフレッシュハーブの芳香をもつ爽やかなワインで、魚貝やサラダなどのアペリティフにもぴったり。その歴史も興味深く、長崎で殉教した16聖人のひとりである、ギョーム司祭を先祖に持つペイリエール家が生み出すワイン。ラベルの裏には聖人ギョーム・クルテの肖像が描かれ、ワイン収益の一部は世界の教会修復に寄付されます。ワインに使う葡萄は、農薬を極力排した減農薬にて栽培され、酸化防止剤を極少量に抑えて醸造されます。

他にも東急フードショーのワイン売り場では、地中海沿岸の自然公園にあり、昨年新たにAOCを獲得したラ・クラープの「シャトー・ダングレス・クラシック・ルージュ」、世界遺産ミディ運河が流れるAOC ミネルヴォワの100%有機葡萄を使った「シャトー・マリ・シラー」など多彩なラングドックワインが揃っています。

アミューズを作ってみよう!

こうしたワインに合わせて、手でつまめる一口サイズのアミューズ・ブーシュを作ってみましょう。フランスではアペリティフにはシャルキュトルといわれるハムやソーセージ、パテやテリーヌ、スモークサーモン、多彩なフランスチーズ、オリーブやピクルスなどが大活躍。これらをフランスパンやクラッカーにのせたり、角切りにして野菜と一緒にピックに刺せばフレンチ風アミューズの出来あがり。またステック野菜のディップ添えや、餃子の皮をピザ生地代わりにミニピザを作っても簡単で楽しいですね。

東急フードショーでもアペリティフがすぐに楽しめる、チーズやパテ、オリーブやキッシュなどの食材を豊富に販売しています。今年の夏は「みんなでアペしない?」を合言葉にアペリティフをぜひ楽しんでみましょう。

東急フードショーのおすすめ

ドメーヌ・ポール・マス カベルネ・ソーヴィニヨン&シラー 2014
(750ml)1,512円

生産地:南仏ラングドック地方
生産者:ドメーヌ・ポール・マス
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン56%、シラー44%
味わい:赤・フルボディ

世界遺産にも認定されるカルカッソンヌ城の近郊ペゼナで1892年から葡萄栽培を行ってきたマス家。現オーナーのジャン・クロード・マスは土に根ざした若手醸造家として減農薬農法と有機栽培を実践。「高品質と同時に低価格であること」にこだわり、素晴らしいのはどれを飲んでも誰もが美味しいと思える味わいに仕上げている所です。自然環境に対する強い思いから、ラベルにはこの地方に生息するアオサギをモチーフとした鳥の絵が描かれています。濃厚ですが、ただ濃いだけのワインと違い、非常にしなやかで丸みと旨みのある美味しさ。南仏の太陽の恵みを豊かに感じる明るくまろやかな果実味が魅力です。


シャトー・ダングレス クラシック・ルージュ2012
(750ml)1,944円

生産地:南仏ラングドック地方
生産者:シャトー・ダングレス
葡萄品種:シラー、グルナッシュ、ムールヴェドル

ボルドーの5大シャトーのひとつ、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造長エリック・ファーブルさんが、ラングドックの地中海沿岸ラ・クラープで造るワイン。エリックさんは、ラングドックの葡萄品種と温暖で明るい気候風土に憧れ、ボルドーから移住。国立公園にも認定される自然豊かなラ・クラープをひと目で気に入り2002年にワイナリーを設立。そのワインはどれも非常に素晴らしく、約10年間で国際大会で50以上の賞を受賞しています。美しい自然環境を保護するために殺虫剤、除草剤、防虫剤を使わない有機農法を実践。熟した果実の丸みある味わいは口当たりがとても優しく繊細で、夏に飲みたい赤ワインです。瀟洒なワイナリーを描いたセンスあるラベルも魅力です。

 

フランスの食文化を楽しむ「アペリティフ365」2016
5月から東京をはじめ全国17都市で開催


フランスの食文化や美食を世界に広めていくことを目的に、フランス農水省は毎年6月第一木曜日を「アペリティフの日」と提唱。フランス食品振興会(SOPEXA)との共催により「アペしない?」を合言葉に世界各国でイベントを開催しています。

日本でも今年は、本場のアペリティフを楽しむイベントを全国17都市で開催。東京では5月20日(金)から22日(日)まで、代官山ヒルサイド・テラスで開催され、フランス産チーズや生ハム、ワインやビールやカクテル、またプロのパティシエやシェフが作る渾身のアミューズやスイーツなどが堪能でき、ペタンクやギャルソンレースなど楽しいイベントも行われます。

開催都市と詳しい情報は以下のHPで。
アペリティフ365 au JAPON http://www.aperitifjapon.com/

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。