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食育のヒント 7月 マッサデピメント

ポルトガルの真っ赤な調味料 マッサ

豚肉とアサリのアレンテージョ風というポルトガル料理を、10年ほど前から時折作ってきました。アレンテージョというのは、土地の名前です。この料理は、北アフリカのイスラム教信者であるムーア人に長く支配されてきたイベリア半島にあって、イスラム教徒とキリスト教徒、ユダヤ教徒とキリスト教徒を区別するための、いわば「踏み絵」のような料理として機能もしてきたという歴史があります。イスラム教徒は豚肉を食べない、ユダヤ教徒は貝を食べないからです。

レシピを起こした時に、「現地では赤パプリカのペースト状の調味料を使うそうだが、日本では入手できないのでパプリカパウダーを使う」と、当時メモ書きを残していました。

1年ほど前に、主宰している読書会で、ある方が「マッサ」について書いた本を紹介してくれました。その会の間には、「へえ~そういう調味料があるのか~」と思ったのですが、終わってから、「あ、そうか!」とこの二つが結びつきました。

ただ、その本にはマッサを使った料理レシピは載っているものの、肝心のマッサの作り方の分量が明記されていませんでした。そこで、海外の情報を調べ、「マッサデピメント」の名前で、今や日本でも市販もされるようになっていたこの調味料を取り寄せて味見し、自分なりにレシピに起こしてみました。

マッサを手作りして真っ先に作ったのは、やはり、豚肉とアサリのアレンテージョ風。より現地の味に近づいたはずです。蒲鉾を加えて作った、蒲鉾入りアレンテージョ風のレシピはこの連載でもご紹介しています。この料理を煮る時にマッサデピメントを少し加えるだけで、風味がプラスされるのでお試しくださいね。

マッサデピメントは、洋風の煮込み料理に塩代わりにちょっと足すと風味が加わって深みが出ます。ポークソテーや唐揚げなどにつけて食べる、ムニエルのソース代わりになど、鮮やかな色合いと風味を活かしてみてください。

#226 マッサデピメント
材料 (出来上がり 約150g)

赤パプリカ 2個 (正味400g)
塩 60g (赤パプリカの重さの15%)

作り方

1. 赤パプリカは、種をとり、1cm幅の薄切りにする。

2. 分量の塩をよく混ぜたら、重しをして1週間冷蔵庫で保存する。

3. 2の水気を拭いて、24時間干す。

4. フードプロセッサーにかける。

※清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管してください。作ってから2週間強経過しましたが、問題なく使えています。

サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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