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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

芳醇で気品高く AOCボルドー・ブランの実力を知らしめる シャトー・クロ・デ・リュヌ リュヌ・ダルジャン2015

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにはジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

ワイン通もうなる 確かな味わいと優れたコストパフォーマンス AOCボルドー&ボルドー・シュペリウール

写真:葡萄栽培の伝統と素晴らしいテロワールに恵まれるボルドー地方。
神に約束された地とも言われ、素晴らしいテロワールに恵まれたフランスのボルドー地方。ボルドーといえば、シャトー・マルゴー、ラ・トゥール、ムートン・ロートシルトなど、5大シャトーをはじめとする、偉大な格付けワインとして知られています。

しかし、こうした高価なグラン・ヴァンはボルドー全体のわずか5%ほど。実はボルドーには1000円代~3000円代の手頃な価格帯ながら、とても素晴らしい味わいのワインが数多く生産されているのです。 今回は、家庭の食卓やホームパーティでも手軽に楽しめ、なおかつワイン通も強く惹きつけるAOCボルドー&AOCボルドー・シュペリウールのワインに注目。その魅力と楽しみ方をご紹介しましょう。

クレマン、赤、ロゼ、白、デザートワインまで多彩で心躍るフレッシュな味わい

写真:赤、白、ロゼ、甘口など多彩なAOCボルドー&ボルドー・シューペリエール
AOCボルドーの生産地は、法律で規定されたボルドーの畑の55%の面積を占め、葡萄畑は58276㏊もの広範囲に広がっています。そのため、生まれるワインも多彩で個性豊か。ボルドーと言えば赤ワインというイメージが強いなか、白、ロゼ、クレマン(スパークリング)、甘口、中甘口、クレレ(赤とロゼの中間で軽やかさと厚みを兼ね備えたワイン)、などバラエティに富んだ魅力あるワインが生まれています。

その味わいはフレッシュでモダンでバランスに優れ、渋すぎたり重すぎたりすることがありません。そのため日常の食卓や様々な料理と合わせやすいことも魅力です。またAOCボルドーよりも、長く熟成し葡萄の収量を抑えたのが、AOCボルドー・シュペリュールのワイン。こちらはより凝縮した果実味と深みのある味わいが楽しめます。

フランスでも女性や若い世代に大人気のAOCボルドー

写真 上:若く情熱があり、女性も活躍するボルドー生産者
写真 下:近年では日本でボルドー&ボルドー・シュペリオーレワインコンクールが開催。若手ソムリエが大健闘し、その魅力をアピールした。

AOCボルドーやシュペリュールのワインは、その多彩さと美味しさ、さらにコストパフォーマンスの高さから、本国フランスでも大人気。一般家庭での購入率はフランスワイン全体の約35%にものぼります。特に近年では女性や若い世代から注目され、カフェでカジュアルに楽しんだり、友人同士が集まるホームパーティでも大活躍しています。

例えば、パーティの最初の乾杯にはスパークリング、前菜にはロゼや白、メインには赤、デザートには甘口ワインと、手軽な価格で種類豊富なワインを揃えることができます。また、いずれも非常に酸が生き生きとしてフルーティなので、夏は夕涼みをしながらアペリティフに、またバーベキューなど野外でのシチュエーションにもピッタリです。

さらにAOCボルドーのワインの生産者は、新しく自由な感性でワイン造りを行う若手や女性が活躍することも特徴です。また日本では近年、AOCボルドー&ボルドー・シュペリュールワインコンクールが開催され、20代から30代のソムリエが大健闘。若い世代が今、改めてボルドーワインの魅力に注目しています。

「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」が新設した「シャトー・クロ・デ・リュヌ」ラベルには白亜の石灰岩をデザイン

写真:「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」が手掛ける新ワイナリー
東急フードショーの売り場でも、こうした多彩でコストパフォーマンスに優れたボルドーワインを、季節に合わせて常時ラインナップしています。中でもおすすめは「シャトー・クロ・デ・リュヌ リュヌ・ダルジャン2015」の白ワイン。シャトー・クロ・デ・リュヌは、ボルドーで最高峰の白ワイン生む「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」が新たに創設したワイナリー。ワインのラベルにも、その偉大なドメーヌの名前が刻まれています。

2012年のファーストリリース時から、ワインスペクテーターにて91点もの高評価を獲得しています。さらに特筆すべきはワインが生まれる畑です。これもまた傑出したワインで知られる「シャトー・ディケム」の畑に隣接した区画。そこは白葡萄の栽培に最も適したミネラル豊かな白い石灰岩土壌です。

ワインのラベルも、白亜の土壌から生まれる高貴さを表現し、深いブルーを背景に石灰岩をイメージしたシルバーの丸模様を描いています。味わいはふくよかで芳醇。秋の気配を感じながら、夏の終わりに飲みたい香り高い白ワインです。

(取材協力:ボルドー&ボルドー・シュペリウールワイン生産者組合 フランス大使館)

東急フードショーおすすめ

シャトー・クロ・デ・リュヌ リュヌ・ダルジャン2015
(750ml) 2,700円

生産地:フランスボルドー地方 AOCボルドー
葡萄品種:セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%
タイプ:白・辛口・ふくよかでバランスに優れる

ボルドーでも白ワインの銘醸地として誉れ高いグラーヴ地区。その最高峰の生産者「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」が手掛ける香り高い白ワイン。さらにこのワインが生まれる畑は、同じく格付け最高峰の「シャトー・ディケム」に隣接し、非常に好条件の区画です。平均樹齢30年の葡萄を、小区画ごと丁寧に手摘みで収穫。美しい果実味を表現するため、空気圧式の最新プレス機でゆっくりと時間をかけて優しく搾ります。まさにAOCボルドー・ブランの実力とコストパフォーマンスの高さを知らしめる逸品で、ロバート・パーカーは90ポイントの高評価を与えています。毎年フランスから少量入荷される限定ワイン。ふくよかな果実味と爽やかなミネラル感が夏の疲れを癒し、この季節にぜひお楽しみいただきたい白ワインです。

おすすめ料理:生ハムや魚介のサラダ、ホタテのソテー、チキンのグリル、甲殻類のクリームソース、エスニック料理、タルタルソースを使ったエビフライやチキン南蛮などに。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。