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Wine Columnワイン コラム

  • 伴良美のオススメ!

丑年には情熱の国スペインのラ・マンチャのワイン バレンタインのチョコにもよく合う 濃淳な風味が魅力 パッソ・ア・パッソ オーガニック・テンプラニーリョ 2018

ラベルが語るワイン物語

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

今月は丑年の始まりにもピッタリな、牛さんラベルのオーガニックワインをご紹介しましょう。情熱の国スペインらしい芳醇で果実味溢れる味わい。樽熟成由来のバニラやチョコレートのような芳香をもつため、バレンタインの贈り物にもおすすめのワインです!

闘牛と大自然をオマージュした愛らしいラベル

写真:ドン・キホーテの物語にも登場 風車で有名なラ・マンチャ地方
ワインの名前は、「パッソ・ア・パッソ・オーガニック・テンプラニーリョ」。ドン・キホーテの物語と風車の風景でも知られる、スペインのラ・マンチャ地方のオーガニック葡萄から造られたワインです。ラベルには伝統文化の闘牛をモダンにデザイン。そして周囲には、葡萄、太陽、蝶、花、雲、草、風、さらにハートのマークが小さく愛らしく描かれています。

「農薬や化学肥料に頼らない、私たちのワイン造りには自然の恵みがかかせません。太陽や風、葡萄畑に咲くハーブや飛び交う蝶など、すべての自然に感謝する心(ハート)を伝えたくてこのラベルをデザインしました」と栽培担当のホルフェ・オルドネスさんは語ります。

一歩一歩あゆみを進め オーガニック畑を拡大

写真:独特な赤土のメセタに広がる葡萄畑
ワイン名のパッソ・ア・パッソは日本語では「一歩ずつゆっくりと」を意味するように、二人の共同生産者が、着実に歩みを進めながら、有機栽培の畑を増やし、質の高いワイン造りを行ってきました。

このワインが造られるラ・マンチャ地方は、トレド近郊にあり、赤土の大地メセタに広がる世界で最も面積が広いDO(ワイン生産地域)ですが、1980年代までは安価な大量生産型のワイン産地ともいわれました。

  しかしこの地に生まれたホルフェとラファエルは、栽培・醸造学を専門的に学び、質の高い葡萄栽培とワイン造りを目指します。さらに土壌調査を行い、広大なメセタのどこに葡萄を植えれば、農薬や化学肥料を使わずに最高の葡萄ができるかを研究。少しずつ着実に、オーガニック栽培の畑を95haにまで増やしてゆきました。

太陽と赤土がもたらす ミネラル感と凝縮感

写真:スペインが誇る固有品種テンプラニーリョの葡萄
平均樹齢40年の畑の葡萄は凝縮感があり、鉄分と粘土石灰質を豊かに含む土壌のため、ピュアな酸とミネラル豊かなワインが生まれます。葡萄も大量収穫を行わず、良い房を厳選し葡萄の木一本あたり1~2㎏に収量をあえて抑えています。

そして、このワインに使用する葡萄品種はスペインが誇るテンプラニーリョ。この葡萄が育つラ・マンチャ地方はアラビア語で「乾いた大地」を意味するように、夏はほとんど雨がふらず太陽が豊かに照りつけるため、スペインの中でも特に凝縮した葡萄が生まれる地域です。

凝縮した果実感とトースト香で チョコレートにもピッタリ

写真:ワインは樽熟成由来の香りをもち、チョコレートにもよく合う。
こうした、黒すぐりやチェリーのような果実感と力強いテンプラニーリョの個性を活かすために、このワインはオーク樽を使って熟成しています。そのため、チョコレートや香ばしいトースト香を備え、ドライな味わいながら、甘くビターなチョコレートとの相性も抜群です。

もちろん、トマトソースのパスタやローストビーフなどの料理にも合いますので、ワインを残しておいて食後に、チョコやガトーショコラなどのデザートと合わせてみるのもお勧めです。特にバレンタインの季節には、チョコレートと一緒に贈って楽しんでいただきたいワインですね。

渋谷 東急フードショーのおすすめ

パッソ・ア・パッソ オーガニック・テンプラニーリョ 2018
(750ml) 1,760円

生産地:スペイン ラ・マンチャ地方
葡萄品種:テンプラニーリョ100%
タイプ:赤・辛口・ミディアムボディ

ドン・キホーテの物語でも知られるスペインのラ・マンチャ地方で造られる、テンプラニーリョ100%の赤ワイン。オーガニックの葡萄を使い、オーク樽で熟成した、エレガントでしっかりとした味わい。熟したブラックベリーや焼いたプラムのような香りがあり、豊かな太陽のもとで成熟した葡萄の芳醇な果実感が印象的。トマトを使ったパスタ、赤身肉のステーキ、ローストビーフなどに。さらに、樽熟成由来のチョコレートやトーストの香りもするので、チョコやガトーショコラなどとも好相性。小さなハートに囲まれた牛のマークもユニークでバレンタインのプレゼントにも最適です。

著者近影

伴 良美(ばん・よしみ)

ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。