〈銀座 菊廼舎〉といえば「冨貴寄」。
創業130周年記念のことほぐは、目にも楽しい華やかさ

Story.10

〈銀座 菊廼舎〉

銀座菊廼舎

缶を開けると華やかに賑やかに干菓子が詰まった、目にも楽しい「冨貴寄」でおなじみの〈銀座 菊廼舎〉。今回は、その長い歴史や創業130周年の記念商品、ハチ公の入った渋谷限定商品などについて、株式会社菊廼舎本店の代表取締役社長である井田さんにお話を伺いました。

株式会社菊廼舎本店 代表取締役社長 井田さん

株式会社菊廼舎本店 代表取締役社長 井田さん

―〈銀座 菊廼舎〉のブランドや歴史についてお聞かせください。

井田さん:明治23年(1890年)に銀座の地で創業した江戸和菓子の老舗で、私が五代目となります。当時は歌舞伎座の裏あたりで営業していたこともあり、初代の頃は歌舞伎煎餅を中心としていたそうですが、二代目が現在の和菓子屋としての基礎を築きました。第二次大戦で一時休業しましたが、三代目が銀座4丁目で営業を再開し、今に至ります。東急さんにはのれん街創業当初から出店させていただいていますので、長いおつきあいになりますね。

―そんな〈銀座 菊廼舎〉の代表商品と言えば「冨貴寄(ふきよせ)」ですね。

井田さん:はい、当社の看板商品です。二代目が茶事の干菓子を糸口にして開発しました。小さなお菓子をたくさん詰めこんだものを「ふきよせ」と呼びますが、当社では漢字で「冨貴寄」と名付けて登録商標としています。季節缶などもいろいろと用意していますが、中でも今回おすすめしたいのはこちらの「冨貴寄 ことほぐ」です。

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井田さん:こちらは創業130周年を記念してお作りした商品で、赤富士や鯛などのおめでたい干菓子や金平糖、バター不使用の和風クッキーなどを白い丸缶にお詰めし、お祝いを意味する「寿ぐ」の名を付けました。色違いも合わせると中には40~50種類の干菓子が入っています。ちなみに赤富士が入っているのは、この「ことほぐ」だけですね。

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―缶の絵柄も風情があります。

井田さん:この宝づくしの絵柄は三代目が自ら描いたもので、古くからある定番商品の青丸缶と赤丸缶にも描かれています。今回、紅白が揃うのも縁起がいいということで、缶の色は白にしました。

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―素朴な疑問なんですが、どうやって詰めているんですか?

井田さん:中身が動いてバラバラに崩れないように、最後は手作業で詰めています。中身の種類を少なくすれば、作業はもっと簡単なのかも知れませんが、開けたときの楽しさや驚きのために、たくさんの種類をお入れしています。そこは譲れないこだわりですね。開発された当初はここまで多くの種類は入っていなかったようで、見栄えの良さも含めて進化を遂げてきました。

―では、他にもおすすめの「冨貴寄」はありますか?

井田さん:渋谷店オリジナルの「冨貴寄 ハチ公」ですね。和菓子の工芸菓子で使われる「雲平」に東横ハチ公のイラストをプリントしています。

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―こちらの中身は何種類くらい入っているんでしょうか。

井田さん:「ことほぐ」よりも缶のサイズは小さいのですが、それでも30~40種類は入っています。ピーナッツやラムネなどは「ことほぐ」にも入っていませんし、中身はいろいろと吟味して選んでいます。

―「ことほぐ」はお祝いギフトなどがメインになると思いますが、こちらはどんな用途のお客様が多いですか?

井田さん:ご自宅用のお客様も多いですし、渋谷土産としてもご好評いただいています。「ことほぐ」などよりも気軽な感じなので、友達へのプチギフトなどに選ばれる方も多いようです。

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―では最後に、渋谷の街のお客様へ、今後に向けたメッセージをお願いします。

井田さん:渋谷の街を訪れる人の層も変わってきていますので、そういった部分にも目を向けながら、昔からの馴染みのお客様にはもちろん、〈銀座 菊廼舎〉を知らなかった新しいお客様にも「こんなものがあるんだ」と思っていただけるような商品をお届けして、渋谷の街と共に進化していきたいと思っています。

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