秋の食卓を包み込む、やさしきネッビオーロ
秋に恋しくなるしっかりした赤の中でも、やわらかさと骨格をあわせ持つ一本。ネッビオーロ種の野生ベリーやスパイスの香りが華やかに広がり、穏やかなタンニンがやさしく寄り添います。産地ロエロ地区ヴァルマッジョーレの砂質土壌が生む、上品でソフトな味わい。
「ローストビーフはもちろん、ビーフシチューに使ってもおいしく仕上がり、料理とともに楽しめるのも魅力です。繊細でエレガントな味わいが、秋の食卓を豊かに彩ります」(倉地八重さん、以下同)
〈ジャコモ グリマルディ〉ランゲ ネッビオーロ ヴァルマッジョーレ(イタリア・ピエモンテ/赤/750ml)(税込)3,850円
濃厚な果実と陽光をまとった、情熱の赤
寒さが増す季節に合わせたい、ボリューム感ある赤。モナストレルの濃厚な果実味に、樽由来のトースト香やスモーキーなニュアンスが溶け込み、力強い余韻が続きます。
「ブルーベリーやブラックベリーのジューシーさと甘やかなタンニンが魅力で、ビーフシチューや牛肉と根菜のグリルと相性抜群。フミーリャの大地と強烈な日差しが生んだ凝縮感が感じられます。評論家から高い評価を受け、マンガ『神の雫』にも登場した実力派ですよ」
〈ファンヒル〉シルバーラベル(スペイン・フミーリャ/赤/750ml)(税込)2,970円
ロゼのように華やぐ、若き感性のオレンジワイン
ピノ・グリの果皮を使った仕込みによって生まれる、ルビー色に近い鮮やかなオレンジワイン。ロゼのように華やかで、落ち着いたベリー系果実と旨味が広がり、食中を彩ってくれます。
「オレンジワインならではの厚みと風味があって、きのこや鮭のグリルなど秋の味覚とも心地よく寄り添います。若き醸造家ルイ・モーラ氏は20歳で自らの名を冠したワイン造りを始め、アルザスの伝統を学びながらビオロジック農法に挑戦しているんです。季節の食卓に新鮮な驚きを運んでくれる一本ですね」
〈ルイ モーラ〉レ トゥール オー スルス(フランス・アルザス/オレンジ/750ml)(税込)4,730円
*
どのワインにも、その土地の気候や造り手の個性が息づいています。香りをひと口ふくむたびに、秋の空気が静かにほどけていくよう。食卓に寄り添う一杯とともに、この季節ならではの味わいをゆっくり楽しんでみてくださいね。
