親子で楽しむ芸術の秋。渋谷「アートさんぽ」おすすめ施設&イベ…
子どもたちの自由な遊び場「プレーパーク」で出会った母たちが、大好きな1冊を選びました。お外で読んでもよし、おうちで読んでもよし。大人も子どもも想像の世界がぐぐっと広がる、愛すべき本たちのご紹介です。
子どもって穴を掘るのが大好きですよね。息子が通っていたプレーパークでも、スコップで穴掘りをする子どもたちの姿をよく目にしました。砂場に穴を掘ってプレーリーダーを埋めようとする小さな子。深い穴を何日もかけて掘り続け、最後に水を入れたその中に、えいっ!と飛び込む小学生。
この本に登場する男の子も穴を掘ります。「もっとほるんだ。もっとふかく」と。芋虫の登場でふっと肩から力が抜けると、掘るのをやめて穴に座り込みます。土の匂いをかぎ、壁をさわったり、見上げた空がいつもより青いと感じたりしながら。
そして「ぼくのあな」を思う存分味わった男の子が、次にすることは?この本はラストもまた素敵なんです。
ただやり始めてみた穴掘りが、五感を通して男の子を刺激し、満足感たっぷりで締めくくられています。
ページを閉じたあと、静かに気持ちが満たされていくような、そんな絵本です。(一児の母・50代)
プレーパークでは、子どもは本質的に「あぶない・きたない・うるさい」存在であるとして、この3つを遊びの大切な要素と考えています(頭文字を取ると「AKU」になります!)。 この絵本のラルフはまさにその通りのあくたれ猫。飼い主のセイラはそれでもラルフが大好きなのですが、ラルフはあくたれがやめられずに家族を怒らせてしまい、ついにサーカスに置き去りに! 立場変わって、働かされたりいじめられたりするラルフ。ええ〜どうなっちゃうの〜?
子どもって「AKU」なんだよな、そこから学び成長していくんだよな、とわかっていても、ついつい叱ってしまう子育ての日々。ラルフのあくたれっぷりに苦笑いし、おうちに戻れるのかドキドキし、読み終わった後には「お母さんもあなたたちが大好きよ」と子どもをハグしながら、「うちの子はラルフよりはましかな?」とちょっとニヤリとする……。 『あくたれラルフ』は、1冊でいろんな味わいを楽しめる絵本です。(三児の母・50代)
「もしも庭に、自分だけの大きな木があったら……」。そんな主人公・かおるの、どこまでも広がるワクワクするような空想を描いた物語です。木の上に小屋を作って、そこでホットケーキを焼いて、はしごを登って、リスや鳥たちと過ごす。ページをめくるたびに、子どもだけでなく親のほうまで胸が躍ります。
我が子も木登りが大好きで、昼間は公園の木の上で目を輝かせ、家ではこの絵本を開いて空想の世界に浸ったものでした。
作中で、かおるの描く空想と現実が優しく交差する場面も大きな魅力です。
都会では自由に木登りができる環境を見つけるのが難しく、子育ての中でも時に窮屈さを感じることがあるかもしれません。
だからこそ、この本の持つ「憧れ」や「空想の自由さ」は、子どもはもちろん、見守る親の心の根っこも豊かに育ててくれると感じています。
いつかこの子と思いっきり自然の中で遊んでみたい――そんな未来のワクワクを届けてくれる1冊です。(二児の母・40代)
主人公のジョニーという手先が大変器用な小さな男の子が、大時計をつくることを決心します。しかし、親や先生や多くの子どもたちから無理だとばかにされたり、いじめられたり、邪魔をされたりします。けれど、たった2人の味方がついて、ジョニーは大時計つくりを成功させます。
このお話のように、時に親は子どもの壁になることがあります。けれど、子どもは本当に成し遂げたいことにおいて、その壁を越える力の持ち主だと思います。そして、子どもが壁を越えられる手助けをしてくれるのは、親でない誰かである可能性があります。
人と人とをつなぐプレーパーク。我が子もプレーパークでつながった誰かにたくさん助けてもらっています。時によかれと思った親の私の言動が、子のチャンスを邪魔する場合、周りの人たちが親の私にそっと寄り添い、気付かせてくれます。
どんな子もジョニーのような強さと情熱を秘めていると信じて、関わっていきたいと思わせてくれた1冊です。(一児の母・30代)
プレーパークは「子どもたちが自由に遊ぶこと」を目的とした「子どもの遊び場」なのですが、アンケートを取ると「ここがなければ子育てできなかった」という大人からの声の多さに驚かされます。
さまざまな他のサービスでは得られない大切な何かがあり、それがプレーパークに「遊び」に来ることによってなぜか得られる……という不思議。その謎を解くヒントがこの本には描かれています。
子育てが地域から切り離され、親の責任事項になった結果、親は子どもを「管理」しなければいけなくなっている。「子どもがやりたいことをやる場所」であるプレーパークでは、その重荷を軽くし、また少しずつ分けあって、子どもたち自身の「育つ力」を見守る場所になっているのでしょう。
その結果、子どもを中心とした大人同士のつながりができ、そのつながりの中で子どもたちが育っていくという「地域の居場所」がつくられているのかもしれません。
子どもが育つ環境の変化・プレーパークなどの事例と分析・経験者の声などが豊富に載っています。どれかひとつでも関心のある方、ぜひお手にとってみてください(渋谷はるのおがわプレーパークが紹介されています!)。(三児の母・50代)
*
本を開くことも、外に飛び出して遊ぶことも、親子の世界をぐぐっと広げてくれるもの。気になる一冊から、親子で新しい世界をのぞいてみてください。