2021.03.26

気になる症状を早期発見・早期対応するために。3歳児健診を受けた方がいいワケ

Column

健全な発育と発達を成長の節目で確認し、気になる症状を早期発見して対応していくために各自治体で行われる乳幼児健康診査。母子保健法に定められたもので、誰もが無料で、この乳幼児健康診査を受けることができます。
満3歳を迎え、満4歳になる前に行われる3歳児健診では、それまでの乳児健診にはなかった健査項目が追加され、身体の発達以外にも認知能力の発育や言語発達についてもしっかりチェックしていきます。
ここでは、3歳児健診の大切さを先輩ママの声を混じえながらご紹介します。

3歳児健診でわかること

3歳になると自我が芽生え、大人との会話ができるようなり、生活習慣が確立します。
また、運動能力が発達し、心と体が著しく成長します。この時期に行う3歳児健診では、コミュニケーションや社会性、運動能力を中心にチェックしていきますが、聴覚や視覚検査も行います。
この視聴覚検査で異常が見つかったという方も。実際に、どんなことがわかったのでしょうか。

弱視と診断された
「区の3歳児健診の視覚検査で引っ掛かり、眼科精密検査となりました。精密検査の結果、弱視という診断に。最初はびっくりしましたが、眼科医の先生が早期に発見して適切に治療すれば改善されると言ってくださったので、少しホッとしました。思いもかけず、突然のメガネ生活のスタートでしたが、娘の好きなピンクのフレームのメガネを選び、気に入ってかけています」
(Y.Yさん/7歳の女の子のママ)

絵本を閉じてしまう理由がわかった
「子どもが生まれたら絵本をたくさん読んであげたいと思って、赤ちゃんの頃から絵本をたくさん読み聞かせしてきました。ところが2歳半を過ぎた頃からでしょうか。絵本を読んであげているとすぐに飽きてしまう、パタンと閉じてしまうということが増えました。
最初は好みの絵本ではないのかなと思っていましたが、3歳児健診で弱視が発覚。眼科医の先生が、“絵本をずっと見ていられますか?”“ものを見るとき首を傾けませんか?”と質問を投げてくれたときに、確信。そこから治療が始まりました」
(R.Mさん/5歳の女の子のママ)

ささやき声が聞こえなかった
「聴力検査は事前に家庭でささやき声による聞こえの検査を行います。こどもと1mくらい離れて向かい合い、絵シートを使ってささやき声をします。
また、指こすりによる聞こえの検査も行います。何の気なしにやってみたら、どちらもできなかったんです。健査診査表に結果を書いて3歳児健診に持参。健診会場で行ったテストでも聞こえなかったので精密検査票が発行され、小児専門の耳鼻科で中度の難聴があることがわかりました。何度も聞き返すとかテレビの音を大きくするといったことはなかったので、びっくり。3歳児健診に行かなかったらわからなかったかもしれません」
(T.Fさん/小1と小4の男の子のママ)

3歳児健診で精神発達の遅滞がわかった

先輩ママたちからは、「保育園のお友だちが3歳児健診で軽度の精神発達の遅延がわかった」「子どもの言語発達の遅延がわかった」という声が聞かれました。
また、「ASD(自閉スペクトラム症)や注意欠如多動症(ADHD)は家庭や保育園の集団生活の中で発見されるお子さんが多いけれど、発達特性が軽度の場合は家庭でも園でも発見されず、3歳児健診で初めて指摘され、調べてみたらわかった」というお話も。早期発見により、早めの対応ができてよかった!という声も多数ありました。

「お子さんの言語発達の遅延がわかった同じ園のママは、“ほかのお子さんはよくしゃべるけれど、うちの子はゆっくり。でも、それも個性だと思って気にしていなかった”と言っていました。その後、月に何回か言語聴覚療法のプログラムのある小児科クリニックに通い、現在はお子さんの発達の状態も向上しています」
(Y.Wさん/2歳の女の子と5歳の男の子のママ)

「3歳児健診で言語や認知の発達と運動能力の発達の遅れを指摘され、定期的に発達支援室のある小児科クリニックに通うことになりました。保育園でも配慮してくれるようになり、家庭、保育園、クリニックの三位一体で息子の支援ができています。
ちょうど仕事が忙しい時期だったので、保育園の先生に、“3歳児健診って意味があるんですか?”と聞いていた私。ちゃんと行って本当によかったと思っています」
(T.Eさん/3歳と5歳の男の子のママ)



1歳6ヶ月までの乳児健診までは当然のように受けても、3歳児健診になると「保育園で定期的な健診もあるから、受けなくてもいいのでは?」と思うママも少なくないようです。
ところが先輩ママたちの声からもわかるように、3歳児健診をきっかけに判明する症状や発達特性は多く、3歳児健診の重要性が改めて感じられたかと思います。大切な我が子の健やかな成長のためにも、ぜひ健診を受けましょう。