2022.01.14

節分にバレンタイン、2月のイベントで乳幼児に気をつけたいこと

Column

2月は節分にバレンタインと、イベントが続きます。いずれもお子さんと一緒に楽しめる行事ですが、乳幼児がいるおうちでは気をつけたいポイントがあります。節分の豆や恵方巻による窒息・誤嚥事故の防ぎ方や、チョコレートを与えるときの注意点をチェックしましょう!

節分の豆の飲み込みに気をつけて

節分とは、立春の前日のこと。2022年は2月3日が節分です。
節分といえば鬼退治の豆まきが恒例行事ですが、この豆まきで、痛ましい事故が起きてしまいました。2020年の節分の日に、松江市の保育施設の豆まきで4歳のお子さんが豆をのどにつまらせて亡くなってしまったのです。この事故を受けて、消費者庁は、2021年1月20日に「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」というニュースリリースで注意喚起しました。

消費者庁の注意喚起によると、奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもが豆やナッツ類を食べると、のどや気管に詰まらせて窒息しやすく、大変危険であり、小さく砕いた場合でも、気管に入りこんでしまうと肺炎や気管支炎を起こすリスクがあるとのこと。節分の豆は、乾燥していて軽いので、飲み込む準備ができていないときにのどに落ちたり、息を吸ったときに不意にのどに移動して、のどに詰まることがあるそう。このため、豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないことが重要です。

また、節分の豆まきは個包装されたものを使用し、後片付けを徹底するよう、お子さんが拾って口に入れないよう細心の注意を払ってください。

恵方巻にも細心の注意を

節分にその年の恵方を向き、恵方巻を1本切らずにそのまま「丸かぶり」する恵方巻の習慣。元は大阪から始まったといわれていますが、近年は全国的に有名になりました。
しかし、子どもが恵方巻を丸かぶりすることは、窒息の可能性があります。特に水分を摂らずにそのまま飲み込むことは危険です。
窒息予防のためにも、以下の3点を必ず守りましょう。

● 1本切らずに丸かぶりではなく、小さく切り分ける
● 子ども用の恵方巻は海苔巻きサイズにする
● 水分を摂りながら、ゆっくりと噛んで飲み込む

チョコレートはいつから食べさせていいの?

節分が終わればすぐにバレンタイン。
でも、乳幼児にチョコレートって、あげていいものなのでしょうか。
一般的には、糖質もカロリーも高いため、あげるとしても3歳くらいから与えるようにしたほうがいいといわれています。また、甘いものの食べ過ぎは、子どもの成長や発達を阻害するリスクやイライラしやすくなったり、肥満の要因になったりするため、量はひとかけらのみにとどめるのがベスト。バレンタインだからと、お子さんにたくさん与えるのはやめましょう。

チョコレート選びには注意が必要

バレンタインのチョコレートには、ウィスキーボンボンのようなお酒入りチョコレートは、子どもには与えないようにしましょう。必ず原材料をチェックし、原材料に「洋酒」「酒精」「粉末酒」と書かれたものは購入を避けるか、子どもの手の届かないところで保管することが大切です。

万が一、摂取してしまった場合は、水分を多めに取らせて様子をみてください。数時間様子を見て症状が出ない場合は心配はいりません。
もしもふらついたり不機嫌になったり、異常興奮状態になったりした場合には医療機関に相談してください。
呼吸が不規則で不安定な場合や反応がない場合には急性アルコール中毒の危険性がありますので、救急車を呼びましょう。

ほかにも、ナッツ入りのチョコレートにも注意。奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもが豆やナッツ類を食べると、のどや気管に詰まらせて窒息しやすくなるのは前述のとおりです。
なかにはピーナッツが入っているチョコレートもありますよね。ピーナッツは少量でもアナフィラキシーなど重篤なアレルギー反応を起こす可能性があるので、注意が必要です。
お子さんに与えるときには、お酒入りチョコレート同様、必ず原材料をチェックするようにしましょう。



小さなお子さんのいるご家庭では、楽しいイベントが思いもよらぬ事故につながらないよう、細心の注意が必要です。
大切なのはお子さんの命。たとえ風習どおりにいかなくても、安全に楽しく過ごせるのが一番です。「5歳以下の子どもには節分の豆は与えない」「チョコレートはお酒入りやナッツ入りに注意。そして、量も与えすぎない」ということを徹底して、楽しい節分とバレンタインをお過ごしください。