mamaco編集部イチオシコスメ|1本でスキンケア完了!?〈…
● ビューティ
5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。
「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」
これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。
秋になり、落ち葉が舞う公園で、地面にしゃがみこんで熱心にどんぐりを拾う子どもたちを見かけます。小さな手では持ちきれないほどのどんぐりを抱えママのもとへと走り、得意げに見せている様子は微笑ましい光景です。ころころしていて、ツルッと輝いていて見ているだけでかわいいどんぐり。そんなどんぐりを見つけたら、どんぐり絵本を楽しんでみませんか。
『ぐるぐるちゃん』は、赤ちゃんから楽しめるどんぐり絵本です。子リスのぐるぐるちゃんとお母さんは、森にどんぐり拾いに行きます。拾ったどんぐりを食べ、おかあさんにも「あーん」とどんぐりを。まだまだたくさんあるどんぐりを二人はしっぽにぎゅうぎゅうにいれて持ち帰ります。ぐるぐるちゃんとお母さんの幸せそうな表情にこちらまで幸せな気持ちになります。
大人気どんぐりむらシリーズの『どんぐりむらのぱんやさん』は、どんぐりむらの人気パン屋さんの家族の物語。朝早くからパン屋で仕事をするパパとママ。ママは、仕事の合間に、保育園に通うこっぺとくっぺに朝ごはんを食べさせ、保育園の準備をして、自転車に二人を乗せて大急ぎで保育園に送り届けます。また、休日に家族で遊園地へ行く約束は、パパが新しいパンの開発のため延期になり二人は大泣き。こういった共働きあるあるもリアルに描かれています。そんな大好きなパン屋で一生懸命に働く両親の姿を見て、なにかの役に立ちたいと自発的に動く二人の子どもたちの様子に、思わずホロリ。この絵本は、カバーや帯にも遊びのしかけがあり、物語を読むだけでなく一冊丸ごと楽しめます。
私も幼いころになぜか夢中で拾ったどんぐりですが、それがなんという種類のどんぐりかなんてさっぱり知りませんでした。大人になった今でも、一つとして同じ形がないのはわかっているけれど、どんぐりはどれも似たり寄ったりで区別はつきません。『ひろった・あつめたぼくのドングリ図鑑』は、著者が拾い集めたドングリがイラストで説明されています。ページ一面に広がるどんぐりのイラストは圧巻。新しい発見もいっぱい。お子さんが拾ってきたどんぐりを、ぜひこの本でチェックしてみませんか。
お子さまが、どんぐりを拾ってきた夜には、どんぐりの本を手に取ってみませんか。ぐっと秋へとひきこまれる、『どんぐり』とタイトルにつくアートブックと小説。想像力を刺激し、秋の情景たっぷりの本は、活発に過ごした暑い夏から静かにゆったりとした過ごしやすい秋へと切り替えるのにぴったりです。秋の夜長、これらの本で少し時の流れをゆるめてみませんか。
オノ・ヨーコの『どんぐり』は、哲学させられるアートブックです。「地球は友だちのようなものいじめたり無視したりしてきた。許しを請う」、「今夜は自分に優しくなる」など、地球、街、緑、部屋、音、生命など、1ページに1つ書かれている問いに、想像を膨らませていきます。複雑になっていく社会やサステナブルの実現、そんな現代を自分なりに考え生き抜くヒントになる一冊です。想像することが社会を変えていくことだと改めて痛感します。
『どんぐり姉妹』は、姉のどん子と妹のぐり子の仲良し姉妹の物語。双子でもないのに、二人合わせてどんぐりというなんともユニークな名前には、両親の二人への愛が溢れています。二人が生まれてくるまでの間、病院の裏庭でどんぐりを拾っていたお父さん。その時間がどれほど幸せで素晴らしい時間だったか。二人が生まれてきたことへの喜びや、幸福で愛おしい瞬間を描いています。両親亡きあとも姉妹は、お父さんがその時に拾ったどんぐりをずっと大事に持っているところも印象的です。秋の情景が美しく描かれた一冊です。
大人になるとなかなかどんぐりに触れる機会もなくなります。でも、子どもたちが拾ってくるどんぐりはそれぞれいろんな大きさや形をしたもので、どれも同じようなどんぐりに見えても実は個性があり、かけがえのないものになります。この秋、どんぐり絵本を読み、親子で一緒にどんぐり拾いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。