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● ビューティ
5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。
「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」
これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。
今月は、父の日ということでお父さんがテーマの絵本を選びました。かっこいいお父さん、やさしいお父さん、面白いお父さんなど、お父さんたちも思わず読みたくなる絵本です。
パパが共感するお父さんが登場する絵本を、パパが読むことでより一層面白みが増したりもします。父の日は、パパと子どもだけの絵本時間をつくってみませんか。
普段、絵本を読まないお父さんも、ウルトラマンなら一気に幼少期の思い出がよみがえり、子どもと一緒に読みたくなるはず。大人気のシリーズ『おとうさんはウルトラマン』(宮西達也 作・絵/学研プラス)は、「おとうさんは、ウルトラマン。おとうさんは、つよい」からはじまる絵日記風に描かれた絵本。外では、わるいかいじゅうをたおすつよくてかっこいいウルトラマン。でも、家では、子どもに甘くてとことん弱い子煩悩なウルトラマン。子どもが寝た後、子どもが描いた自分の似顔絵を見て涙したりします。
子どもを甘やかしすぎて、ときどきおかあさんにおこられたりするウルトラマン。お父さんは共感し、子どもはクスッと笑い、お父さんの新しい一面を発見するかもしれません。
もう一つ、思わずクスッと笑ってしまうお父さんの絵本といえば、『おとうさんのえほん』(高畠純/絵本館)です。子どもの前でかっこいいところを見せたいゴリラのおとうさん。子どもを喜ばせたいペンギンのおとうさん。子どもを驚かせたいひつじのおとうさん。おかあさんに嫉妬するライオンのおとうさんなど、不器用だけれど子どものために一生懸命な動物のおとうさんをユーモラスに描いています。何度でも読み返したくなる面白さです。
『おとうさんのかさ』(三浦太郎/のら書店)は、先月このコラムでも紹介した『おはなをどうぞ』のおとうさん版です。あめがふってきたことに気づいたメルシーちゃんが、おとうさんのかさをもっておとうさんをお迎えにいく物語。あとがきにて、著者・三浦太郎さんがおんぶをせがむ娘さんとのエピソードについて綴っています。「最後のおんぶの日まで、腰痛を抑えつつ、かみしめながらおんぶしたいと思う」ということばに、多くのパパが共感するはず。
母子の物語は数多くありますが、父子を描いた物語は残念ながら多くはありません。そんな中でも、父親のまっすぐな愛とユーモアを描いた父子の温かい物語を2冊選びました。
父親になること、父親として子どもを思う気持ち、父親たちの本音や葛藤を感じる小説です。父の日に、本を通して父親の思いに触れてみませんか。
映画も話題の『銀河鉄道の父』(門井慶喜/講談社文庫)は、宮沢賢治の父・政次郎の物語。冒頭、宮沢家に長男・宮沢賢治が生まれてきたことがどれほど嬉しく、初めて対面した息子がどれほど愛おしいか、父親になったことの心情が描かれています。
作中、「決断と反省の往復である」とあり、家父長制のあの時代に、厳格な父親でありたい、一方で過保護になんでもしてやりたいという、政次郎の葛藤を随所に描いています。子どもたちをまっすぐに愛し、甲斐甲斐しく世話し、才能を信じた政次郎の思いは涙なしでは読めません。
『オー!ファーザー』(伊坂幸太郎/新潮文庫)は、スポーツ万能、博学卓識、ギャンブル好き、女好きという個性強めの四人の父親と母親と暮らす高校生の由紀夫の物語。
それぞれの父親からの教えを受け成長した由紀夫は、バスケがうまくて、勉強もできて、女子にモテて、優しい。なんとも羨ましいほどデキた息子。「いいか、女の子の前では自分の話しばかりするんじゃないぞ。相手の話をよく聞くんだ。悩みを口にされても、絶対に、自分の意見を言うな。とことん相手の話を聞いて、それは大変だね、と言ってあげればいい。聞きながらうなずくことも忘れるな」など、父親たちのアドバイスの数々も見逃せません。