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5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。
「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」
これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。
毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。
この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。
雨の日は、子どもを外に遊びに連れて行けずに家でどう過ごすか悩んだり、保育園の送り迎えも大変だったりと、いつもよりストレスを感じる方もいらっしゃるかもしれません。子どもも、外で思いっきり遊べずに少し退屈そう。でも、お気に入りの傘や長靴があれば雨の日が楽しみになるように、とっておきの雨の絵本を持っていれば雨の日のおうち時間も楽しくなります。
今回は、梅雨の時期に読みたい雨の絵本をご紹介します。
大人気「ぞうくんのさんぽ」シリーズから、雨の日がぱあっと明るく楽しくなる絵本『ぞうくんのあめふりさんぽ』。
雨降りでもごきげんのぞうくんは、かばくんやわにくんとお池の中を散歩して楽しみます。子どもが水たまりにばしゃん!と飛び込むように、ぞうくんがお池の中に「ばっしゃーん」となる様子は、驚きつつも思わず笑ってしまう面白さ。瑞々しく、躍動感たっぷりに描かれています。
こちらは『ぞうくんのさんぽ』の続編ですが、物語が対比になっていて新しい発見にも繋がります。ぜひ、シリーズでお楽しみください。
『あめかな!』は、赤ちゃんから楽しめる雨の絵本。
暗くなり雨が降りそうな空模様。ぽつ、ぽつと赤や紫色のしずく。ざあざあと降る紫やエメラルドの雨。短い言葉と色でシンプルにわかりやすく雨を表現しています。
雨の降りはじめの空模様、雨の音や匂い、雨が上がったあとの日差しの温かさや明るさなど、神秘的に描いています。子どもが初めて雨を認識するきっかけになる絵本です。
女の子の赤い傘以外はモノクロで文字もない絵本『かさ』。
文字のない絵本は自由に楽しむことができます。いくつものオリジナルストーリーを考える想像力。枠にとらわれない柔軟な発想力。それらを育みつつ、家族や友達と一緒に読んでそれぞれの物語を語り合う楽しみも生まれます。今の時代、急な雨でも傘がなければコンビニなどでビニール傘を買って難なく帰宅できます。
でも、雨の中、大きなお父さんの傘を手に駅まで迎えに行く女の子の様子は、今の時代だからこそ心が温まり、響くものがあります。
梅雨は読書にぴったりの時期です。家で過ごすことが増え、普段は読書する暇もないという方でも捗りやすくなります。静かな雨の音が聞こえる部屋での読書時間は、雨の日だからこその贅沢な時間。本の中で非日常に浸ったら、心洗われるような心地よい気持ちになるかもしれません。
そこで今回は、雨の日に読みたい恋愛小説をご紹介します。
現在、ドラマも放映中の『東京タワー』。
リアルタイムで読んだという方も多いと思います。当時、話題になった「恋はするものじゃなく、おちるものだ」という一文に懐かしさを感じる方もいらっしゃると思います。学生の透の年上の詩史への一途な恋。透の友だち・耕二は学生の恋人がいながらも年上の喜美子に夢中に。二人の対照的な恋愛物語。
年齢も環境も変わった今、改めて読んでみると、同じ物語でも感じ方が違うはず。その変化も含めて堪能したい美しく心地よい恋愛小説です。
『ナラタージュ』は、高校時代の恩師・葉山と教え子である泉の叶わぬ恋愛小説。
社会人になった泉による、高校・大学時代の葉山への思いが回想によって語られます。
作中では雨の描写が多く、まさに梅雨の間の読書にぴったりの一冊。教師と生徒の恋という切なさともどかしさ、少しの重苦しさが、梅雨のまとわりつく湿気と相まって雨の日に読めば物語の世界観にぐっと引き込まれます。
雨の日は、読書のチャンス。子どもに本を読ませたいけれど、普段は子どもも自分もなかなか読書ができない。長く降り続く雨に、子どもも大人も疲労とストレスが溜まりがち。
そんな時、美しい物語と静かな雨の相乗効果で心が洗われるような読書を体感してみてはいかがでしょうか。ストレスが緩和とメンタルの安定につながり、梅雨が明けるころには晴れやかなすっきりとした気持ちになるかもしれません。今回、ご紹介した本が本選びのきっかけになれば嬉しいです。
それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。
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