2019.03.08

いま、災害が発生したら大丈夫?赤ちゃんのために備えておくべき防災グッズ

Column

昨年は6月の大阪府北部地震、9月の北海道胆振東部地震と、大きな地震が続きました。 また、政府や研究機関は、南海トラフ地震が起こる確率を、「30年以内に80%」と発表。 今や日本中、いつ、どこの都市が揺れてもおかしくない状況に直面しています。 そこで、東日本大震災から丸8年となる3月11日を前に、今一度、自然災害から家族 を守るために備えておきたいことを整理しておきましょう。

1. まずは自分の家族の災害時の状況をシミュレーション

お子さんの年齢、持病やアレルギーの有無(薬や非常食の必要性)、自宅の場所(山や海など二次災害の可能性)、自宅の状況(マンション、木造住宅など)、帰宅困難の可能性やお子さんの預け先など、もしもの場合を想定し、家族の状況を1冊のノートに書き出し、これをご家庭の防災ノートにします。こうすることで、災害時の心がまえを家族間で共有できるうえに、避難バッグの中身が明確になります。 また、3.11では、家族を学校や職場などに迎えに行く途中で津波被害に遭われた方もいました。避難方法や連絡手段はもちろんのこと、集合場所は、家族で事前にしっかりと話し合い、確認しておくことが大切です。

〈ママたちの防災〉
◆1歳の娘を保育園に預けています。入園説明の際、「お迎えが来るまで、夜中でも翌 朝でも必ずお子さんを預かりますので、帰宅困難の場合は無理せずに安心して、安全第 一でお戻りください」と言ってくれたことがとても心強く、ありがたいです。お子さん を預けている場合は、受託先と災害時のことを話し合っておくのがいいと思います。
(S.Oさん/1歳の女の子のママ)

2. 乳幼児ママは「非常用ママバッグ」の準備を

一般的な防災グッズとは別に、赤ちゃん専用の防災セットを用意しましょう。イメージ は、おでかけのときのママバッグ。オムツ、おしりふき、着替え、ミルクやベビーフー ド、おもちゃ、お菓子などに加え、調乳用の保温ボトルやベビー用麦茶のペットボトル 数本、さらに夏は帽子やうちわ、冬はカイロやブランケットなど、体温調整ができるア イテムを入れておくと安心です。普段使っているママバッグの近くにプラスαのもの を入れた巾着などを置いておき、いざというときに一緒に持ち出せるようにしておくの もおすすめです。
2歳以上のお子さんの場合は、食べ慣れた食品や大好きなお菓子、いつも遊んでいるお もちゃがあると、安心材料になります。お子さんの好物を普段から少し多めに買ってお き、使った分だけ新しく買い足していくローリングストック法で、日常の中で消費しな がら備蓄するといいでしょう。

〈ママたちの防災
◆子どもが避難所で泣いたり騒いだりする心配を考えると、災害時はできるだけ自宅避 難がいいなと考えています。このため、大型家具は倒れてこないようにしっかり固定し、 ガラスには飛散防止フィルムを貼って、地震の際にできるだけ家が散らからないよう工 夫しています。
また、冷凍庫も備蓄庫と考えています。避難生活では野菜不足になると聞いたので、ミ ックスベジタブルやほうれん草などの冷凍食品を多めに買って、消費しながら備 蓄しています。
(C.Aさん/0歳と3歳の男の子のママ)

3. 知っておくと安心! 緊急時のアイデア

赤ちゃんがいる状態で被災するということは、想像を絶する厳しさがあるでしょう。 3.11では、赤ちゃんの救援物資は当初、かなり不足していたという報道もありました。 そこで、緊急時に役立つアイデアをご紹介します。

(1)ダンボールを簡易ベビーベッドや簡易お風呂に
ダンボールにバスタオルや毛布を敷いて、簡易ベビーベッドに。ポリ袋をセットすれば、 赤ちゃんの体を洗うお風呂になります。また、ペットボトルのふたに穴を開ければ、簡 易シャワーにも。

(2)レジ袋とタオルをオムツに
スーパーなどのレジ袋の持ち手と両端を切り、1枚のビニールにします。ビニールの上に タオルを敷き、赤ちゃんのおしりを当てたらオムツの大きさを調整し、持ち手の部分を 腰のあたりで結んで固定します。レジ袋とタオルは、「非常用ママバッグ」に多めに入 れておくと安心です。

(3)哺乳瓶が使えない場合はスプーンで代用を
新生児でも、ミルクはスプーンで飲ませることができます。洗浄や消毒ができない場合 は、使い捨ての紙コップがいいでしょう。無理に口の中にミルクを注ごうとするのでは なく、ミルクが唇に触れるように少しずつ角度を調整しながら与えます。

自然災害など、何らかの被害が予想される状況下にあっても、「自分たちだけは大丈夫 だろう」「まだ大丈夫」という思い込みから、逃げ遅れの原因になることも多いのだそ う。
もしものときにそのような状態に陥らないためにも、日頃から災害時を想定した備えを しておくことが必要不可欠です。真っ先に大切なわが子の命を守れるのは、ママとパパなのですから。