2019.08.23

赤ちゃんを台風・集中豪雨から守るためにできること

Column

近年、異常気象や地球温暖化などの理由から、台風や集中豪雨などの自然災害が増加傾向にあり、さらにその脅威は年々拡大しています。
いつ、身の回りに起こるかわからない自然災害から幼いわが子を守るためにも、日頃の備えと避難についての正しい知識を持つことが重要です。そこで、大雨で想定される被害を整理するとともに、赤ちゃんや幼児がいる状態でもしも被災した場合の対策を考えていきましょう。

大雨・台風で想定される被害

まずは、大雨や台風で起こりうる災害について見ていきましょう。

1.河川の氾濫
大雨などにより、河川の水位が著しく上昇し、堤防から水があふれたり、堤防が決壊したりする状況をいいます。大量の水が一気に流れ出し、河川の近くの住宅はわずかな時間で浸水や倒壊の危険性があり、さらに人的被害が起こりやすくなります。

2.土砂災害
地震のみならず、集中豪雨や台風の大雨が引き金となって起こることが多く、すさまじい破壊力を持つ土砂が一瞬にして多くの人命や住宅を奪ってしまう恐ろしい災害です。 土砂災害は、「土石流」「がけ崩れ」「地すべり」の3種類に分類されます。

3.高潮
台風や発達した低気圧が海岸部を通過する際に、波が高くなると同時に海面の水位(潮位)も上昇する現象をいいます。海岸部の低地、河口部や湾奥部、遠浅な改定値系の場所では特に注意が必要です。

大雨・台風による災害から子どもを守るポイント

次に、子どもの命を守るための注意点を整理しましょう。

1.住んでいる地域のハザードマップを確認しておく
災害発生時に迅速かつ的確に避難を行うためにも、ハザードマップで危険箇所を確認しておくことが重要です。洪水浸水想定区域や土砂災害発生の危険がある地域などの被害予測を確認することができます。保育園や幼稚園の送り迎えに使う道など、よく通る道なども確認しておくといいでしょう。

2.雨が降り出したら気象情報・災害情報に注意する
大雨や台風などの防災気象情報を確認できる気象庁の「防災気象情報」を確認しましょう。また、今いる場所が浸水想定区域になっているかについては、日本気象協会のアプリ「わが家の防災ナビ」の「ハザードマップ」で簡単にチェックできるので、ダウンロードしておくと安心です。
さらに洪水については、「洪水注意報」や「洪水警報」のほか、あらかじめ指定された大きな河川を対象に出している「指定河川洪水予報」も参考にしましょう。土砂災害に関しては、「土砂災害警戒判定メッシュ情報」で土砂災害発生の危険度が高まっている地域を把握することができます。

3.「警戒レベル3」で乳幼児は避難するべし
昨年7月の豪雨等における甚大な被害を受け、わかりやすく避難行動や避難のタイミングを伝えるため、区市町村が発令する避難情報に、1〜5の警戒レベルが追記されることになりました。妊産婦、乳幼児など避難に時間のかかる人は、「警戒レベル3」で避難を行います。
なお、各種情報は警戒レベル1〜5の順番で発表されるとは限らないので、気象庁が発表する注意報をチェックしながら、もしもの場合に備え、避難の準備は早めにしておくようにしましょう。
警戒レベル3相当とは、氾濫警戒情報や、洪水警報などが発表されている状態です。

都道府県の防災ポータルサイトをチェックしよう

東京都防災ホームページ より

各都道府県では、独自の防災ポータルサイトを設けています。
内閣府の防災情報のページでは、各自治体防災情報ホームページ一覧 があるので、お住まいに地域の防災ポータルサイトを、ぜひ一度チェックしてみましょう。
「各自治体防災情報ホームページ一覧」では、防災情報のみならず、避難場所や「ゆれやすさマップ」などを掲載している都道府県もあり、便利です。



いざというときのために大切なのは、まず、「知る・学ぶ」こと。次に、「備える」こと。そして、「災害が発生したら、どう動くか」ということだそう。
ところが、多くの人びとが災害という「非日常」に投げ出された瞬間、冷静な判断力を失いがちになります。「きっともうすぐ雨も止んで、避難しなくてもきっと大丈夫」……この判断が、被害を大きくすることもあります。
そのようなことにならないためにも、日頃から情報の入手先を知っておくこと、そして災害発生時には、正しい情報を得て行動することを、常に念頭においておきましょう。