「健康と美味しさ」を贈る〈日清オイリオ〉のお歳暮ギフト
5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。
「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」
これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。
本屋の絵本売り場に行くと、たくさんの絵本が並んでいます。その中でも、自分が幼い頃に読んだことのある名作絵本が並んでいるとついつい嬉しさと懐かしさで手に取ってしまいます。時代は変わっても、何十年と読み継がれている絵本があることにどこか安心します。私にとって名作絵本といえば、なんといっても『ぐりとぐら』と『はらぺこあおむし』です。
『ぐりとぐら』は、あの大きなカステラが幼い頃の私にとって憧れでした。でも、おとなになって改めてよく読むと、子どもの頃には気づかなかったぐりとぐらの丁寧な生活が細部まで描かれていることに気づきます。それは、今の私にとって憧れの暮らしでもあります。『ぐりとぐら』には、子どもには子どもの、おとなにはおとなの憧れが詰まっているからこそ、何度読んでもときめく絵本なのだと感じました。
『はらぺこあおむし』は、海外作品ならではの色彩豊かなイラストとしかけのおもしろさが大好きです。今読んでも幼いころと変わらず、やっぱりあおむしが食べたあとの丸い穴にはついつい自分の指を入れたくなりますし、覗きたくなります。そうしていると、幼い頃の自分に戻ったようで懐かしく、ふっと肩の力が抜けます。チョコレートケーキにぺろぺろキャンディー、さくらんぼパイにカップケーキ。おとなになった今読んでみてもそのたべもののチョイスがおしゃれだなと感じます。
『ぐりとぐら』のカステラや、『はらぺこあおむし』のマフィンなど、私はおいしいたべものが出てくる絵本が好きです。幼き頃のおやつで一番嬉しかったのはホットケーキで、作るのも食べるのも好きでした。今でもホットケーキを焼くときには『しろくまちゃんのほっとけーき』を思い出します。
ちなみに、このシリーズにはアンケートはがきが挟みこまれています。それに子どもの名前と誕生日を記入して送ると、子どもが10歳のお誕生日をむかえるまでオリジナル誕生日カードが届くと書いてありました。オリジナル誕生日カードが自分のためだけに届くなんて、絵本を合わせてかけがえのない宝物になるだろうなぁと思います。
今回ご紹介した絵本『ぐりとぐら』をより一層楽しむための大人のための2冊を選びました。絵本『ぐりとぐら』を有名料理人や陶芸家やスタイリスト、そして植物学者の目線で読むポケットブック『ぐりとぐらのたまご』。そして、『ぐりとぐら』の作者・中川李枝子さんの子育て中の方に贈るエッセイです。
ぐりとぐらのカステラのレシピ、愛用の器、台所道具などの生活のすてきなもの、季節感を伝えるうえで大切な植物など、見落としがちな小さなしあわせに気づかせてくれる本です。読後、改めて『ぐりとぐら』を読むとその豊かさで胸がいっぱいになります。
保育士であり、作家であり、母親でもある著者だからこそ共感できる言葉の数々。『ぐりとぐら』の誕生秘話から、絵本選びのコツ、母と子の絵本時間の大切さについて綴られています。
おとなになった今、改めて名作絵本を丁寧に読んでみませんか?長年読み継がれてきた名作絵本は、おとなになった私が読んでも新鮮でした。子どもの頃には気づかなかったようなところに気づき、心が動かされました。読むたびに新しい発見と出合えるのは、子どもだけでなくおとなになるとなおさら嬉しいものがあります。名作絵本を改めてお子さまと一緒に楽しむきっかけになればうれしいです。
それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。
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