2022.10.21

先輩ママのヒヤリハットから赤ちゃんにとっての安全なおうち環境を考える

Column

小さなお子さんの不慮の事故死のニュースを見るたびに、胸が締めつけられる思いをしますよね。危険予測で重大な事故を防げていたかもしれないという、お子さんを失った保護者の後悔が痛いほど伝わってくるから、なおさらいたたまれない気持ちでいっぱいになります。
今回は、一歩間違えば重大な事故になっていたかもしれない「ヒヤリ」とした、驚いて「ハッと(ハット)」した先輩ママの経験とともに、安全なおうち環境づくりのポイントについてお届けします。

子どもの不慮の事故死のうち、約4割が0歳と1歳

消費者庁がまとめた『子どもの不慮の事故の発生傾向〜厚生労働省の「人口動体調査」より〜』(令和3年)によると、平成27年〜令和元年の5年間の子どもの不慮の事故死の約4割を0歳児と1歳児が占めています。
また、交通事故をのぞく事故発生場所は家庭内がほとんどを占め、0歳はベッド内での窒息、1歳は浴槽での溺水が、それぞれ家庭内の事故の1位となっています。

実録! 0&1歳ママのヒヤリハット体験

安全であるはずの家庭で起こる不慮の事故。未然に防ぐには、危険予測をすることが肝心です。そこで、5人の先輩ママの、お子さんが0歳と1歳だったときのご自宅でのヒヤリハット体験を公開。あなたのおうちは大丈夫? 安全対策のポイントとともに、ぜひチェックしてくださいね。

0歳児ママ


気づかない間にベビーベッド用のガードが外れて……
「ベビーベッドの柵に頭や手足をぶつけないよう、保護するために柵につけるベビーベッド用のガードが眠っている娘の顔にかぶさっていたことがありました。紐で結ぶタイプだったのですが、結び方がゆるかったのか、はずれてしまったようでした。
幸い呼吸ができる隙間はあったので大事には至りませんでしたが、見つけた時は真っ青に。以来、ベッドガードは撤去。よくベッドの柵にブランケットをかけていましたが、それもやめました」(M.Yさん/5歳の女の子と7歳の男の子のママ)

マットレスとベッドフェンスの隙間に!
「生後すぐの頃から落下防止のベッドフェンスをつけて大人用のベッドで添い寝していました。ある朝のこと。目が覚めると、横に息子がいない!ハッとしてベッドフェンスに目をやると、マットレスとフェンスの隙間に息子がすっぽり挟まっていたんです。顔の向きがネット素材になっていて呼吸ができるフェンスの方を向いていたため窒息せずに済みました。その後、ベッドフェンスは18ヵ月未満は利用禁止と知って猛省」(T.Oさん/4歳と7歳の男の子のママ)

他にもこんな事故に注意!
・誤って上からものを落としたり、熱いものを落とす
・上の子が抱き上げて落とす
・上の子が物を食べさせる
・ベッドやソファからの転落
・ミルクの吐き戻しによる窒息

▶︎ 安全対策のポイント
✔︎ できるだけベビーベッドに寝かせる
✔︎ 赤ちゃんが寝ている周りには何も置かない
✔︎ 眠るときにはスタイを外す
✔︎ 大人のベッドで寝かせる場合は転落に注意。ただし低月齢の場合はベッドフェンスを使えないので、ベッドを壁側に寄せるなどの対策を
✔︎ あおむけで寝かせる
✔︎ 赤ちゃん用の寝具を使用し、マットレスは硬めのものを選ぶ
✔︎ 授乳のあとは必ずゲップをさせてから寝かせる


1歳児ママ


ガラスの破片を誤飲?
「息子がガラスの瓶を振って遊んでいたときに瓶を落として割ってしまいました。慌てて割れた瓶から息子を離し、破片を集めたのですが、1つだけどこを探しても見つからない。まさか食べてしまったのでは?と、救急病院に連れて行きました。『もしも口に入れていたら、口の中が切れているはず』と医師。万が一飲み込んでいたとしても、便と一緒に排出されるはずということでしたが、気が気ではありませんでした。
結局、便と一緒に出てきた形跡もなく、その後も変わりなかったのですが。ガラスの瓶で遊ばせてしまったことを後悔しています」(T.Mさん/6歳と8歳と11歳の男の子のママ)

ホウ酸団子を口にしてしまった娘
「忘れもしない、娘が1歳の年末。ゴキブリ駆除用のホウ酸団子を娘がなめていたのです!私の悲鳴で旦那が駆けつけ、娘の手から団子を剥ぎ取り、大泣きする娘の口に無理やり水を流し込み、指で口の中を洗いました。その後救急で小児病院を受診。飲み込んでいなかったことが幸いだと言われました。この月齢の子は何でも口に入れてしまうということを忘れてはいけないと強く感じました」(Y.Hさん/3歳の女の子のママ)

シャンプー中の恐怖体験
「入浴中、髪を洗っているときのこと。シャンプーを流して目を開けると、先ほどまで浴槽につかまり立ちしていた息子の姿がない!なんと浴槽に沈んでいました。すぐに息子を抱き上げましたが、息子は泣きもせず、けろりとしていました。一瞬たりとも目を離してはいけないですね」」(R.Uさん/2歳の男の子のママ)

他にもこんな事故に注意!
・タバコや医薬品、化粧品、洗剤、包装フィルムやシールなどを誤って飲む
・アイロンやストーブに触る
・炊飯器や加湿器の蒸気に触る
・階段からの転落や段差での転倒
・ベビーチェアからの転落
・浴槽や洗濯機に落ちて溺れる
・窓や出窓からの転落

▶︎ 安全対策のポイント
✔︎ 直径39mmより小さいものは誤飲の恐れがあるので、赤ちゃんの手の届かない高さに置く
✔︎ キッチンには簡単に入れないように柵をつける
✔︎ わずかな量でも浴槽に残り湯をしない。浴室に簡単に入れないようにする
✔︎ 入浴時や水遊び時は目を離さず、ひとりにしない
✔︎ 階段に柵をつける
✔︎ あおむけで寝かせる
✔︎ 赤ちゃん用の寝具を使用し、マットレスは硬めのものを選ぶ



大切なわが子の命を守るためにも、今すぐ自宅を点検してください。おすすめは、一部屋ずつ確認すること。赤ちゃんの目線になってチェックしていくと、思わぬヒヤリハットを見つけることができるでしょう。