2023.01.30

「ご褒美チョコと一緒に読みたい本」

Column

 今回は、バレンタインシーズンに合わせて、ご褒美チョコと一緒に読みたい大人のための本5冊をご紹介します。

 私はチョコレートが好きです。イライラしたりモヤモヤしたとき、仕事や家事に追われて疲れてくる夕方などに、ストックしているご褒美チョコレート一粒と紅茶で一息つきます。これは長年続く私の習慣です。チョコレートの糖分が心身に染み渡り満たされていきます。一旦こうして気持ちをリセットすると、その後もスムーズに物事が進みますし、家族や周りの人にも優しくできます。自分のためだけのチョコレートと気分転換になる本で気持ちを満たすささやかなこのひとり時間が、私にとっては無理してでも確保したい時間です。そんな自分のためだけに買っておきたくなるチョコレートと本をご紹介します。

チョコレートの本といえば、あの大人気映画の原作。

 チョコレートのお供には、やっぱりチョコレートの本が読みたくなります。大人気映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作でもある『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール、クェンティン・ブレイク[絵]、柳瀬直紀[訳]/評論社)は、まさにぴったりの一冊。映画も大好きで何度もみていますが、原作も映画以上の不思議な世界観と驚きが溢れています。児童書ですので、挿絵が入っていて読みやすく、つづきが気になってしまうワクワク感がたまりません。

 この本のお供に選びたいチョコレートは、この物語同様にイギリス発のチョコレート<LOVE COCOA(ラブココア)>。タブレットタイプでその時の自分にちょうどいい分量を気楽に楽しめるところが好きです。種類が豊富なので気分に合わせてフレーバーを選びやすいですし、パッケージが可愛いところも癒されます。イギリス生まれのチョコレートと物語ですっかりイギリスにいるような気分になります。

『チョコレート工場の秘密』 ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク[絵] 柳瀬直紀[訳] 評論社

<LOVE COCOA(ラブココア)>ミニタブレットアソートセット ミルクチョコレート 1,815円 ※4枚セット売り価格です。


 同じくイギリスといえば、ミステリーの女王でもあるアガサ・クリスティ。ひとり時間をたっぷり取れたら、チョコレートとお酒など飲みながら、どっぷりとその世界に浸りたい。しかし、残念ながらそんな余裕もなく、忙しいときはなかなか長編のミステリーも集中して読めません。そこで、彼女の代表作でもある『そして誰もいなくなった』を有栖川有栖がオマージュした『こうして誰もいなくなった』(有栖川有栖著/角川文庫)で手を打ちます。ミステリーほど非日常の世界観を堪能できるものはなかなかありません。表題作以外に軽めのファンタジーやホラーから、重厚感のあるミステリーと幅広い短編集が収められています。気分に合わせて順不同で自由に読み進めることができるのも嬉しいです。

『こうして誰もいなくなった』 有栖川有栖 KADOKAWA/角川文庫

<LOVE COCOA(ラブココア)>ミニタブレットアソートセット シーソルトダーク 1,815円 ※4枚セット売り価格です。 

持っておきたい可愛いチョコレートレシピ本

 バレンタインといえばチョコレートを買う派と作る派に分かれると思います。残念ながら夫はアレルギーがあるため市販のチョコレートが食べられないので、毎年手作りしています。私が愛用しているレシピ本は『チョコレートのお菓子』(坂田阿希子著/グラフィック社)です。この淡くて綺麗なピンクの表紙にかわいい猫のイラストにときめきます。正直に言うとお菓子作りは得意ではないので、あまりやる気が出ない。そのため、この可愛いレシピ本をバレンタインシーズンが来ると、本棚の目立つところに飾り、今年は何を作ろうかなぁとやる気を上げていきます。トリュフチョコレートやショコラフォンダン、さらにはアイスクリームから飲み物まで、幅広いチョコレートレシピだけでなく、おしゃれなラッピング方法も紹介されています。パリの街並みの写真など、まるで写真集のように美しくて眺めているだけで幸せな気持ちになっていきます。

『チョコレートのお菓子』 坂田阿希子 グラフィック社

<LOVE COCOA(ラブココア)>ミニタブレットアソートセット ソルティキャラメル 1,815円 ※4枚セット売り価格です。

おいしくて、安全で、環境にもやさしいチョコレート

 百貨店のバレンタイン会場は、本当に幅広いブランドが軒を連ねていて、お気に入りのブランドを見るのも楽しいのですが、自分が知らなかったチョコレートとの出会いがあるのも楽しみの一つです。ヴィーガンチョコレート<H!P CHOCOLATE(ヒップチョコレート)>を、私はこれまで食べたことがなかったのですが、意外にもそのおいしさに驚きました。しかも、おいしさにこだわるだけでなく、「クライメート・ポジティブ」(二酸化炭素の排出量を削減し、吸収量を下回せること)実現を目指しているそうです。環境にいいことをしたい気持ちはあります。でも、正直、私にできることってどういうことがあるのか、二酸化炭素の排出量削減することが、地球に具体的にどのような効果があるのかピンときませんでした。

 そこで読みはじめたのが、『はじめてのエシカル 人、自然、未来にやさしい暮らしかた』(末吉里花著/山川出版)です。この本を読みはじめてすぐに、「今日の夕食の買い物が、環境破壊にストップをかける」という一文を見つけました。これなら、私にも今日からできると感じました。そして、チョコレート業界におけるカカオ農園での児童労働の問題についても書かれていました。脱炭素社会が温暖化を遅らせることにつながること、そのために自分たちにできることも触れています。こういうことについて知ることで、はじめて<H!P CHOCOLATE(ヒップチョコレート)>の素晴らしさを理解しました。このチョコレートを買うことが、地球や動物、子どもたちのためになり、未来のためになっていると思うと、自分のささやかな行動一つがとてもいいことをしているような気持ちになりました。そして、おいしくて、安心して食べることができるチョコレートをきっかけに、無理のない範囲で少しずつ生活を見直しはじめています。

『はじめてのエシカル 人、自然、未来にやさしい暮らしかた』 末吉里花 山川出版社

<H!P CHOCOLATE(ヒップチョコレート)>ミニタブレットアソートセット 1,232円 ※3枚セット売り価格です。

ご褒美チョコレートの大本命で日常の忙しさから解き放たれる

 そして、私にとってのご褒美チョコはと言えば、気になっていた湯布院の高級旅館発<テオムラタ>の桐の箱に上品に収まった高級感溢れる上質な3種のビーンズショコラです。桐の箱というだけで抜群のご褒美感。これだけは、誰のものでもなく私だけのものとして、キッチンのどこかに隠しておきたくなるようなチョコレートです。休日に、家に自分ひとりだけでまったりする時間が取れたら、ここぞとばかりにこっそりとゆったりと味わいたいです。

 湯布院という言葉だけで、チョコレートを食べながら温泉に思いを馳せ、温泉旅館などでゆったりしたい気持ちになります。忙殺される日常を放り投げて、どこかに旅に出たくなります。といっても、そんなことはできませんので、大分県をはじめ全国各地の有名温泉を舞台にした短編集『星がひとつほしいとの祈り』(原田マハ著/実業之日本社文庫)を読んで、現実逃避します。20~50代の様々な女性が自分の人生を見つめなおす物語。私たち女性は、妻でもあり、母でもあり、娘でもあるけれど、ひとりの女性です。さまざまな役割やしがらみからくる窮屈さや疲労感から解放され、ありのままの自分を取り戻し、ゆったりと心身をほぐしてくれます。

『星がひとつほしいとの祈り』 原田マハ 実業之日本社

<テオムラタ>限定ビーンズショコラ3本桐箱セット 2,851円


 ひとり時間を満喫すると、ご機嫌になりなんとなく好きな自分になっていきます。自分だけのご褒美チョコをお供に気楽な読書と贅沢なひとり時間をお過ごしください。

5冊だけの本屋 ミホコ

2015年に女性のための選書サービス「5冊だけの本屋」をスタート。お客様のSNSを拝見して、今のお客様にぴったりな5冊を選書している。本好きな女性にも、普段本を読まない女性にも、読書を楽しんでもらうために活動中。

「5冊だけの本屋」ミホコの今日もハッピーエンド。