0歳・1歳児クラス|基本の入園準備グッズ
保育園に入りやすいとされる「0歳児クラス」や多くの方が育休を終えるタイミングである「1歳児クラス」の一般的な入園準備グッズについて教えてもらいました。
〈基本の入園準備グッズリスト〉
● 着替えの洋服:汚れやすいので、ストック用を含め、4〜5セット用意しておくと安心
● 肌着:小さいお子さんは汗をかきやすいので必須。肌にやさしく吸湿性に優れた綿素材がおすすめ
● 紙オムツ(1歳児以上/0歳児は園から支給)※園の規定によって異なる
● おしり拭き(1歳児以上/0歳児は園から支給)※園の規定によって異なる
● 授乳用ガーゼ(必要なお子さんのみ)
● 食事エプロン:汚れ防止用に2〜3枚の準備を
● 汚れ物袋:着替えた服を入れるための袋。ビニール袋やエコバッグなど
● シーツ類:園で指定されたサイズ・種類のもの
● シーツ入れ袋:シーツを持ち運ぶための袋
今昔ポイント ▶ ︎オムツは「布」から「紙」へ
「0歳・1歳児クラスの基本の持ち物で昔と大きく変わったのは、紙オムツです。15年ほど前は、私が勤務する東京・世田谷区内の園では、布オムツが主流でした。布オムツは園から支給され、保護者はオムツカバーを持参していました」(渋谷先生、以下同)
今昔ポイント ▶ 手作り品は外注へ。シーツの貸し出しやサブスク利用も︎
「シーツは、園で貸し出す場合と保護者が準備する場合があります。私たちの園では、掛け布団用と敷き布団用のシーツを保護者に用意していただき、週末に洗濯をお願いしています。以前は手作りされる方が多かったものの、近年は外注を利用する保護者が増えています。シーツに限らず、手作りは負担が大きいため、外注を上手に活用する方が増加しているようです。一方で、シーツを貸し出す園も増えており、保護者の負担を軽減しようという考えが広がっています。最近は保育園向けにオムツや寝具のレンタルサブスクサービス を見かけるようになりました」
今昔ポイント ▶ ︎連絡帳は「紙」から「アプリ」へ
「園と保護者が子どもの様子を共有するための連絡帳は、以前は保護者にノートを準備いただいたり、好きな布を貼った台紙を用意していただき、園で用紙を提供する形式が一般的でした。しかし、最近では連絡帳アプリを導入する園が増えてきています」
2歳児クラス以降は? 準備グッズの変化
2歳児クラス以降の準備グッズについて、渋谷先生の園では昔と今でどのような変化があったのでしょうか。
今昔ポイント ▶ ︎通園バッグは斜めがけバッグからリュックへ
「以前は斜めがけの登園バッグをよく見かけましたが、最近ではリュックを使うお子さんが増えています。子どもが自分で持ちやすいという理由が主なようです」
今昔ポイント ▶ ︎コップは園のものを、ハンドタオルはペーパータオルに
「以前は専用のコップとハンドタオルをご用意いただいていましたが、感染症対策の観点から、現在はコップは園で提供し、ハンドタオルの代わりに園が用意したペーパータオルを使用していただいています」
今昔ポイント ▶ ︎水筒、エプロン、三角巾、マスクが追加に
「3歳以降の幼児クラスで近年必要になったものです。水筒は、散歩先や園内で子どもが自由に水分をとれるように持参していただいています。私が勤務する園では、水筒にお水を入れてきてもらい、お昼には園のウォーターサーバーのお水に入れ替えています。エプロン、三角巾、マスクは、食育活動の際に持参していただいています」
今昔ポイント ▶ ︎ボディペインティング用の服を用意するように
「表現力や想像力を育み、創造的な遊びを思いきり楽しめるボディペインティングは、昔から多くの園で保育に取り入れられています。以前は裸で行うこともありましたが、現在では〝プライベートゾーンは他人に見せない・触らせない〟という教育が浸透し、プライベートゾーンを隠すことが一般的です。そのため、ボディペインティングの際には汚れてもよいTシャツと短パンをご用意いただいています」
震災・感染症で変わった持ち物、子どもの意欲を引き出す持ち物
東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の流行を受け、持ち物に変更が加えられた例もあるそうです。
「東日本大震災以降、万が一の際の避難をスムーズにするため、お昼寝時のパジャマを廃止した園が増えました。また、園でコップを提供したり、ハンドタオルをペーパータオルに変更する取り組みは、新型コロナ以降に広まったものです。子どもの命と健康を守る観点から、持ち物の見直しが進められてきたことがうかがえます。
私が勤務する園では、昨今はお子さん自身が〝自分でやろう〟と思える意欲を引き出せるかどうかも、重要な視点としています。
たとえば服の場合、お着替えの際に着脱しやすいことが大切なポイントです。また、お子さん自身が気に入っている服であることも、意欲を育むうえで重要ですね」
これだけはお願い! 入園準備グッズの注意点
渋谷先生に、入園準備グッズを用意する際のポイントをお聞きしました。
〈着替え〉
● 乳児の場合、着脱しにくいロンパースやつなぎではなく、セパレートタイプの服を選びましょう。ただし、60サイズなどサイズが小さく、ロンパースやつなぎしか選べない場合は除きます。※園の規定によって異なる
● シンプルで動きやすい服を。スカートは避けてください。
● スパンコールや大きなリボンなど、外れやすい装飾は避けてください。
● 上着は遊具に引っかかったり、お友だちに引っ張られたりする危険があるため、フードのないものを選びましょう。
● 子どもが着脱しやすく、体にフィットするサイズのものを選びましょう。
〈その他〉
● すべての持ち物に記名をお願いします。お名前シールは剥がれて床に落ち、誤って口にしてしまう危険があります。洗濯のたびに、シールが剥がれやすくなっていないか確認をお願いします。
「入園準備は大変かもしれませんが、お子さんが園で過ごす時間を快適に、安心して過ごせるようにするための大切なプロセスです。お子さんのことを思いながら準備することで、ママやパパの気持ちが子どもに伝わると思います。また、無理をせず外注や市販品を活用するのも良い方法です。便利なものを上手に取り入れながら、楽しく準備していただければと思います」
mamaco with のママ編集者のリアルな体験談も!
〈オムツ〉
昔 ▶ ︎持参するオムツにフルネームの記名が必要だったので、オムツ用のお名前スタンプを注文して夜な夜な内職のようにスタンプしていました。さらに使用したオムツをすべて持ち帰らなくてはならず帰りの通園バッグはずっしり…。(N.N)
今 ▶ ︎わが家ではサブスクを利用していますが、持参もOKなのでオムツの種類によっては持参している方もいるようです。(D.N)
〈着替え〉
昔 ▶ ︎乳児クラスはとにかく着替えストックをたくさん置いていました。保育園の中は熱いので、ヒートテック禁止だった記憶があります。逆に小学校に上がったら、校内は寒いので長袖ヒートテックが冬の時期は重宝していますね。(I.M)
今 ▶ ︎自分で着替えられるよう、少し余裕のあるサイズを使用。また、室内が床暖房のため、裏起毛はNGです。(D.N)
〈連絡帳〉
昔 ▶ ︎年少クラスまで紙の連絡帳に前日の夕食と朝食、熱、排便、子どもの様子など細かく記載していました。確かに面倒でしたが子どもの様子の欄にイラスト入りで出来事を書いたりして、先生からのお返事も楽しみでした。今も本人がたまに引っ張りだして懐かしがったりしているので、これはこれでいい思い出です。(N.N)
昔 ▶ ︎幼児クラスは保育園専用の連絡帳を購入して、毎日記載していました。先生からのコメントも毎日あって、今でも大切に保管しています。途中、アプリを導入されたので、欠席連絡も電話からアプリに変更。便利にはなった反面、個別のメッセージはもらえなくなりました。アプリに先生が毎日その日の写真をアップしてくれるようになり、ダウンロードができたので有料の写真購入サービスもありましたが、ほとんど買わなくてもすむくらい写真は充実しました。(I.M)
今 ▶ ︎アプリを使用。日々の連絡はもちろん毎月の配布物もアプリで確認します。毎月の身体測定のデータもこちらに更新されていくため、病院で体重を聞かれる時はとても助かっています。(D.N)
今 ▶ ︎アプリに変わり、連絡は電車の中で30秒で済むようになりました。毎日園での子どもたちの様子が写真付きで送られてきて、アカウントをパパや祖父母とも共有できるので楽しみです。一方、見返すことはほとんどなくデータは消えていってしまうので形には残らないです。(N.N)
〈行事参加〉
昔 ▶ ︎コロナ渦だったので、かなり制限のあった時代です。最初は親のどちらか一人のみといった行事もありましたが、卒園式は2人までなど。今はもう制限がない園もあるそうでいいですね。(I.M)
今 ▶ ︎行事はパパ・ママしか参加ができません。(D.N)
〈写真販売サービス〉
今 ▶ ︎日常の写真が定期的に更新されています。先生撮影の写真とカメラマン撮影の写真の価格が異なり、わが子の写っている写真をどんどん買い物かごに入れていくと驚く金額になることも。(D.N)
〈お昼寝タオル〉
今 ▶ ︎お昼寝用の敷タオルと掛タオルを保育園が準備して記名もしてくれていました。週末に持ち帰り、洗って次週に持参しています。(K.N)
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時代の流れや社会の状況に応じて、保育園の持ち物にも大きな変化が見られることがわかりました。布オムツが主流だった時代から紙オムツへの移行、連絡帳がアプリ化されるなど、近年は、保護者の負担を軽減しつつも安全性や利便性を高める工夫が取り入れられています。
一方で、お子さんが快適で安心して過ごせるよう、持ち物選びには細やかな配慮が求められます。便利なサービスや市販品も上手に活用しながら、入園準備を進めましょう!
文/羽田朋美(Neem Tree )