2025.04.30 NEW

ぶっちゃけお受験どうだった?渋谷ママたちのリアルトーク!
第3回:「本番までの道のりと、やってよかったこと」

● 子育て

いよいよ小学校受験の本番直前。お勉強以外にも、家庭の雰囲気づくりやメンタル面のサポートなど親にできることはあるのでしょうか?

最終回となる第3回では、先輩ママたちに受験本番までの道のりで大変だったことや工夫したこと、そして振り返って「これをやっておいてよかった!」と思うことを語っていただきました。試験直前や当日の様子、終えてみての正直な感想や学びも要チェックです!


第1回>>「小学校お受験、なぜ始めた?どう選んだ?」
第2回>>「塾?家庭教師?親の関わり方は?」

登場人物

夢美さん

長男は都内私立共学校に在学、次男の小学校受験を控える。

トン子さん

長男は都内私立共学校に在学、次男の小学校受験を控える。

A子さん

長男がこの4月から都内私立共学校の一年生。

お受験生活で大変だったことは?

司会: ここまで順調に見える皆さんのお受験生活ですが、今振り返って「あれは大変だった!」と思うエピソードがあれば教えてください。

A子: うちは夫婦で役割を分担していて、夫が息子のペーパー(筆記対策)を見る担当だったんです。すると、夫と息子、男同士で夜遅くまで熾烈な戦いと言いますか…(笑)。それはそれはかなり厳しく指導していて。私は邪魔しないように隣の部屋でこっそり聞いているしかありませんでした。息子は泣きながら必死に頑張っていたんですが…5歳児にそこまでしてやらせる必要があるのかなって、正直悩むことも。何度も「もうやめていいよ」って私が止めに入れそうになりましたね

司会: ママは隣の部屋でグッと涙をこらえていたということですね…。

A子: 心の中で「頑張れー!」って叫ぶような気持ちでした。でも、その時間があったから今があるとも思うので、今となっては良い経験だったと思います。ただ当時は本当に辛かったですね…。

司会: それで夫婦仲が悪くなったりは…?

A子: そこは暗黙の了解といいますか、役割分担だったのでお互いの領域には口を出さない感じでした(笑)。

司会A子さんは何を担当されていたのですか?

A子: 私は塾の送り迎えに徹して、お勉強を教えることは特にしてなかったです。

トン子: うちはA子さんとは逆で、夫がお受験にピンときていないタイプでした。反対というわけではないけど賛成でもなくて、全く協力的じゃなかったんです…。なので、私も最初から夫には期待せず、送迎から毎日のプリント学習まで全部自分で担当しました。ただ、毎朝プリントをさせていると、子どもも嫌がって泣いちゃったり、私もイライラしてつい強い口調になっちゃったりすることもあって…。するとそういう時に限って夫が横から「そこまでしてやる意味あるの?」なんて口を挟んできたりして。私だって不安で孤独な中で取り組んでいるのにー!と。それが一番辛かったですね。家族は、本当は一丸となって頑張らなきゃいけないのに、目指していることと家庭内のギスギスがチグハグすぎて、すごく悩んだ時期もありました。

そういうときは先輩ママとか家庭教師の先生とか、周りの大人に話を聞いてもらってなんとか平常心を保っていました。「まあ夫婦喧嘩なんてどんな内容でも起こるものなんだから」と割り切って。そして、願書を書く段階になってようやく夫にも自分の出番ができたからか、急に張り切り出してくれました(笑)。

司会: なるほど、ついにですね!

トン子: そうですね。出産のときなんかも、男性って、生まれる前はあまり実感が湧かなくて、子どもと直接コミュニケーション取れるようになってから急に父親の自覚が出てきたりしますよね。お受験のときも、男性って少しスタートが遅いのかなって感じました。うちの場合は、ですけど。

司会: ちなみに、「もうお受験無理だ~!」となってしまったことはありましたか?そんな時、どうやって解決していましたか?ストレス発散方法などがあれば教えてください。

トン子: 私、実は一度娘を連れて家を飛び出したことも(笑)。他県に住む仲の良い友人の家に泊まりに行って心を落ち着かせました。

司会: それはもう、強制的にクールダウンできそうですね。

トン子: ええ。私の場合、本当に人に支えられたから乗り切れた受験だったんです。友人や先輩ママ、先生たちに助けてもらって、愚痴を聞いてもらったり一緒に笑ったりしてストレス発散することが多かったですね。

夢美: 私も、もちろん大変だったことは数えきれないほどありますよ~(苦笑)。私自身、体に不調が出たりもしました。試験が11月から始まったんですけど、その直前の10月に自律神経の乱れからか背中が痛くなったり、11月に試験が始まっても長男のスイッチが入っていない様子で、それが心配で胃が痛くなって眠れなくなったり。胃薬が手放せなかったです…。本当にいろんな不調に悩みました。

でも、お受験生活ってママ一人が頑張ってもダメなんですよね。子どもも頑張っているし、子どもが頑張っているからこそ親が励まされてさらに頑張れる部分があって。小学校受験は親子二人三脚だな、というのは強く感じました。ただ、目標に向かっていく上で、実はママと子どもだけじゃ足りない部分も出てくるんです。というのも、たとえば家族面接や夫婦面接では、必ずパパの方に志望動機を聞かれるんですよ。そこで夫が薄っぺらい志望動機を話してしまうと、きっと優秀な面接官の先生方には見抜かれてしまう。だからこそ、家族全員が同じ目線で取り組まないといけないのが小学校受験なんです。

司会:そうなんですね!パパの教育(?)も必要ですね。

夢美:はい。うちはそこが課題だったので、私が夫の職場近くにコワーキングスペースを借りて、仕事の合間にお昼ご飯を一緒に食べながら家庭の教育方針をすり合わせる時間を作ったりもしました。

基本的には、私が長男の送迎・お勉強を見る・運動に付き合う担当。また自然体験系のイベントも私が企画して連れて行っていました。一方で、夫にはまだ手のかかる次男を完全にお任せ。こんな感じで、夫婦で役割分担していました。そのおかげか今や次男はすっかりパパっ子になりまして(笑)そこはいい効果もあったかなと思います。

司会: 素晴らしいですね!

夢美: うちの長男は正直、模試でも成績が良いタイプじゃなかったので、「どう伸ばしたらいいんだろう?」とか悩みました。でも、模試はあくまで模試、本番は本番。私自身、未知を怖がる心配性タイプなんですが、この怖さや不安って歴代のママたちみんなが経験してきたことなんじゃないかな、と思います。

司会: お受験は大変なことも多いし悩みは尽きないけれど、それはみんな同じなのでしょうね。それを乗り越えてきたお三方の声は、きっとこれからお受験を控えている方の励みになるはずです!

やっておいてよかったこと&先輩ママの工夫

司会: では最後に、今だから言えるアドバイスをお願いします!「ここはこうしておけばよかった」「これから受験する人はこうしておくといいよ」など、先輩ママとして教えていただけますか?

A子: よく言われることですが、季節の行事を子どもと一緒に楽しむことは、ぜひ今すぐに始めてください!これは小学校受験を意識したその日からでもできますよ(笑)。日本の伝統行事に触れるのって、別に大変だとか苦しいことでもなんでもなくて、むしろとっても楽しいこと。季節ごとの行事を一つひとつ子どもと楽しむのはすごくオススメです。あと自然体験もぜひ!いちご狩りとか潮干狩りとか…あれ?なぜか「狩る」ものが多いですね(笑)。タケノコ掘りも、正直お受験がなかったら行かなかったかもしれない。そんな貴重な体験もできました。こうした自然体験も、早いうちからやっておくと良いですよね。うちは準備スタートが遅かった分、いろんなことを詰め込みでやるしかなかったので。お受験って勉強だけじゃなく楽しいこともいっぱいあるので、早め早めにいろんな経験に取り組むのは良いことだと思います。

司会: なるほど。ちなみに自然体験の情報って、どのように調べたんですか?

A子: そうですねぇ…。お受験仲間のママたちからの情報が大きかったかな。「いちご狩り行かない?」「潮干狩り行かない?」ってお誘いをもらって、「じゃあ一緒に!」と乗っかっていく感じでした。子どもたちもとても楽しんでいましたし、これは本当に良かったと思います。

司会: 勝手なイメージですが、そういう情報ってママ同士シェアしないイメージもありますけど…教えてくれたりするものなんですか?

A子: そこは私、本当に人に恵まれたと思います。みんなお互いすごく助け合って、惜しみなく情報交換しました。願書も見せ合って「これどう思う?」「ここはこう直した方がいいね」なんて意見し合える仲間が数人いたんです。だから、いわゆる「ママ同士がバチバチのライバル」みたいなことは無かったですね。私自身も、最初はそういうイメージを持っていたんですけど(汗)。

トン子: そうですよね。お受験って「情報戦」とも言われますけど、私もA子さんと同じで良い友達や先輩ママに恵まれて、色んな壁を乗り越えるのを助けてもらいました。人との関わりの大切さを私自身すごく学んだ期間だったなって、振り返って感じています。

司会: 素晴らしいですね!お受験の準備期間に、どれだけ情報交換できて支え合える友人や先生方に出会えるかどうかが、ハッピーに乗り越える鍵になりそうですね。

トン子: アドバイスをもう一つ。私は自分の健康管理にちょっと無頓着になってしまっていたことに反省しています。お受験に集中するあまり、自分の体調や見た目は二の次で、まつげのエクステも全部取れて髪もボサボサ…みたいな状態だったんです(苦笑)。気づいたら体重も増えちゃって…。私のストレス解消法が当時お酒だったので(笑)、それでどんどん太っちゃったのもあって。でもまぁ倒れたりはしなかったから良かったんですけど、今思えば、そういう状態だったから余計イライラしちゃうこともあったのかもな~って。だから、自分の健康とかリラックスする時間とか、もう少し自分に時間をかけてあげても良かったかなって反省しましたね。

トン子:あと、やはり季節の行事やお勉強、知育など、早いうちから余裕を持って取り組めたら理想的だったなと思うのはもちろんなのですが、逆にうちの子の場合、あまり長期戦だとそれはそれでストレスになった気も。結果としては、短期決戦で良かったのかな…と今は思っていています。

お受験自体に関しては、合格に向けていろんな経験をする中で子どもがすごく自信をつけていったのを目の当たりにしたので、本当に最後まで駆け抜けて良かったなって思っています。

それと、最初に受験する “練習校”(本命前に受ける滑り止め校)は、あえて合格しやすい学校にしておくと、その後の弾みがつきやすいかもしれません。周りの受験仲間を見ていても、それを感じました。

夢美: 私は、下の子の受験も数年後に控えているので長男の時の反省を活かしたいとは思っています。振り返ると当時は本当に全力だったし、やれることはすべてやったんじゃないかなって自分でも思います。決して順調な受験生活ではなかったですけど、子どもとの関係が良好なままお受験を終えられたのは一つ大きかったかなと。私は行事ごとが以前から大好きだったこともあって、季節の行事を普段の生活に取り入れることはできていたかなと思います。これから下の子の受験の準備が本格化していっても、子どもに合った受験生活を第一に考えていきたい、だから、長男の時こうだったからといって次男にも全く同じように…とはしたくないなと。

今はお受験業界にもいろんな情報があふれていて、「あっちの塾が評判いいらしいよ!」って聞いてパッと乗り換えちゃう人も少なくないけれど、私はこれからも、一度やると決めたら腰を据えて取り組んで、軸がブレないようにしていきたいと思っています。

先輩ママからのメッセージ:「迷ったら、ぜひチャレンジを!」

司会: では最後に、これから小学校受験を考えているママたちに向けてひとことメッセージをお願いします!

トン子: 小学校受験って、自分のことじゃない分なおさら辛いというか…自分のことならまだ我慢できるけど、子どものことだと歯がゆかったり辛かったりする時期が続くのは確かです。でも結果がもちろん良いに越したことはないけど、結果がどうであれ「やってよかったな」って思っている方が周りに本当に多いし、私自身もそう思います。なので、もし迷っているのであれば、チャレンジした方が、悔いが残らないと思いますよ!とにかくやってみた方がいいと思う。うちもありがたいことに合格できたんですけど、先生たちにもびっくりされたくらい(笑)。

司会: えええ!!

トン子: そうなんですよ(笑)。小学校受験って中学受験と違って見るところが勉強だけじゃないのかな、と思います。もちろん学校との相性もあるとは思いますが、子どもの良いところを見てくれる、相性の良い学校であればチャンスはきっとある!って感じました。たくさんの学校を見て、わが子に合う学校を見つけられたら、それに向けて頑張るのが絶対いいと思います。

司会トン子さんの、娘さんにぴったりの学校を選ぶ目が素晴らしかったのですね!

トン子: それは本当に、先輩ママのおかげです(笑)。

司会: 随所に登場する「先輩ママ」の存在が大きかったんですね。

トン子: 本当にそうなんですよ~(笑)。

夢美: 小学校受験にチャレンジすることって、家族で子育てについて深められる、とても良い時間を過ごせるチャンスだと思います。お受験準備への取り組みは子育ての延長線上にあるものだとつくづく思うので、まずは偏見を持たずに「ちょっとでも気になるな」という人はぜひこちらの世界をのぞきに来てほしいなって思います(笑)。私もこれから下の子の受験でまた頑張らないといけないので、一緒に頑張りましょうね!!

A子: 私が「お受験どうしようかな…」ってグジグジ悩んでいた時期に、あるママ友に言われた言葉があるんです。「やるかやらないか迷ってるいんだったらやりなさい。やるんだったら全力でやりなさい。それから、受ける学校に失礼のないように準備するのが礼儀だよ」って。正直、最初は私もちょっと軽い気持ちがあったんです。でも「行きたい学校に『見ていただく』という姿勢で、きちんとベストを尽くして準備しなさい」とガツンと言われたとき、「なるほどな」って思えて。それからは腹をくくって全力でやりました。なので、もし同じように迷っている方がいたら、腹を決めてやってみるのも一つかなって私は思います。家族にとっても間違いなく濃厚な時間になりましたし、やり方さえ間違えなければ、その後の人生にとっても良い時間になるんじゃないかな、と。なんか、辛かったこともいっぱい話しましたけど…「結論、オススメします!」と胸を張って言いたいです(笑)。

夢美: わかります!辛いんですけど、いいこともいっぱいありますよね。

司会:「小学校受験」というと辛い部分ばかりがクローズアップされがちですが、子どもに全力で向き合い、家族で濃密な時間を過ごせるのは本当に貴重な体験になりますね。今回のお三方のお話は、これから受験を目指す方にもきっと参考になると思います。皆さん、本当にありがとうございました!お子さんの新生活、どうぞ楽しんでくださいね。

夢美トン子A子: ありがとうございました!

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第2回「塾?家庭教師?親の関わり方は?」