【告知】小さな“はじめて”が、大きな思い出に。ファーストフェ…
● 子育て
5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。
「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」
これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。
毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。
この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。
今回は、「ファーストフェスタ」企画と連動して、0歳の赤ちゃんにおすすめの絵本をご紹介します。色彩豊かでシンプルな絵本。リズムや音がいい絵本。見て楽しい、聞いて心地のいい絵本など、赤ちゃんがはじめて触れるファーストブック。長年愛され続けているファーストブックの定番から、大人気シリーズまで、0歳から長く楽しめる絵本をご紹介します。
『いないいないばあ』は、刊行1967年というから超ロングセラー作品。
赤ちゃんの絵本や出産祝いのギフトとしても大人気の絵本です。もしかしたら、小さい頃に読んだというママとパパもいるかもしれません。
「いない いない ばあ」。にゃあにゃ、くまちゃんなど、どうぶつが繰り返します。子どもはもちろん、大人も読んでいるうちに気づけば笑顔になっているはず。
この絵本を通して赤ちゃんがはじめて笑ったり、いつか親子で一緒に「いない いない ばあ」と遊んだりする日が待ち遠しくなります。
もう一つ、大人気の赤ちゃん絵本といえば、『だるまさんが』です。
「だ る ま さ ん が」と、だるまさんが揺れ始め、ページをめくると「どてっ」。転んでる!
また、ページをめくり「だ る ま さ ん が」とだるまさんが揺れ始め、ページをめくると…。
奇想天外なだるまさんは、つかみもばっちり!赤ちゃんから大人まで、思わず吹き出す面白さ。
ユーモラスな絵本で、シリーズでお楽しみいただけます。だるまさんの無限ループのはじまりかもしれません。
『まるさんかくぞう』は、赤ちゃんから成長に合わせた楽しみ方のできる絵本です。
「まる しかく さんかく」「さんかく ぞう まる」「ぞう ぞう しかく」。
赤ちゃんが認識しやすい色とシンプルな形で描かれた三つの絵。上から下へ読むリズム感のある言葉。
ぞうが続いたかと思ったら、ふね、かお、ばすなど子どもが好きなものが登場し始めます。
大人の固定観念と子供の期待を裏切るユニークな一冊。赤ちゃんの目と耳でも認識しやすく、発達を促しながら楽しめます。
ママの本も、今回は「はじめて」をテーマにご紹介します。大人になると「はじめて」のことは、なかなかないものです。やりたいことがあっても、つい家族を優先してしまったり、忙しさに追われて自分のことは後回しにしがち。いざそのときがやってくると、不安になったり、一歩が踏み出すことに慎重になったりしてしまいます。そんなママの「はじめて」を後押しする2冊をご紹介します。
『そういうふうにできている』は、さくらももこさんのはじめての妊娠から産後までの妊娠・出産・育児の全てを綴ったエッセイ。
病院での検診待ちの間など、ちょっとした時間に読み進めやすく、気持ちが和らぎ勇気がもらえます。
妊娠判明から全てが嫌になる悪阻。出産当日のことから仕事復帰への不安、さらにはその後の育児のことまでを赤裸々に綴っています。
刊行当時と今日では、出産事情も変わっているけれども、はじめての出産や育児などに少なからず不安を感じるのはきっと今も変わらない。そんなはじめてママになる人の精神的支えとなる本です。
『旅の記憶 おいしいもの、美しいもの、大切なものに出会いに』は、有元葉子さん初の旅エッセイ。
初めてのひとり旅。初めてのパリ。初めて家を買ったイタリア。主婦・母親として、自分よりも家族第一で過ごしていた著者。
「私の仕事人生、旅人生がスタートしたのは50代からでした」と、子どもたちの手が離れた五十歳前後からはじまった仕事人生、旅人生を振り返り、綴っています。
ひとり旅の感動と自由、開放感溢れる一冊。著者の行動力と好奇心に触れ、自分ひとりだけの時間や育児後の自分の人生について考えるきっかけになります。
スモークサーモンのサンドイッチ、バインミーやフォーなど旅先で出会ったおいしいお料理と暮らしのものなども魅力的です。
赤ちゃんは、毎日驚くほどのスピードで変化していきます。たくさんの刺激を受け、様々なことを吸収し、どんどん成長していきます。赤ちゃんの小さな「はじめて」は、大きな喜びになり、明日の楽しみへと繋がっていきます。豊かな想像力と強い好奇心によって生まれる赤ちゃんとママの「はじめて」が、家族にとって希望に満ち溢れた素晴らしい明日になりますように。
それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。
私がはじめて作家に会ったのは、大好きな作家・辻村深月さんのサイン会でした。ご本人を目の前に緊張でどうにかなりそうでした。「お名前は?」と優しく尋ねられ、名前を伝えると「理帆子と同じ字なんだね」と微笑んでくれました。その瞬間、緊張がほぐれ、涙が止まらなくなりました。それは辻村深月作品で私が最も好きな『凍りのくじら』の主人公の名前だったからです。そして、作品にどれほど救われ感謝しているか、ありったけの思いを伝えることができました。サインをしてもらった本は、私にとって今でもかけがえのない宝物です。