2020.03.06

復職への備え。頼れる場所・人を見つけておこう

Column

この4月から復職するママは多いでしょう。仕事と家事の両立がうまくいくかどうかの不安に加え、最大の心配事は、お子さんの急な発熱など、体調不良ではないでしょうか。お子さんも慣れない環境で、体調を崩しやすい時期。そこで、復職ママはパパとの連携はもちろんのこと、家族以外にも頼れる人や場所を見つけておくことがマストです。早速、どんな預け先があるのか見ていきましょう。

保育園の“37.5度ルール”と“復帰ママあるある”

「朝の検温で37.5度以上あったら登園してはいけない」。
これはほとんどの保育園で共通のルールとなっています。子どもは大人に比べて体温が高いし、体調がよくても37.5度くらい出ることはある」と思われる方もいるかもしれません。しかし、感染症の初期症状の場合もあるので、感染症予防の観点からも、保育園で預からないことが予防につながります。また、早い段階でおうちでゆっくり休んだり受診したりすれば重症化せずに済む場合も多く、無理をさせないことが大切です。
少し熱が高めだけど、無理して預けると、お昼過ぎには保育園から「熱がある」と電話がかかってきて、早めのお迎えをお願いされるというのは、“復帰ママあるある”。お子さんのためにも、会社で保育園からの電話にビクビクしないためにも、預け先を確保しておきましょう。

多くの共働き家庭が利用する「病児保育」って!?

0歳〜1歳の赤ちゃんは病気続きで、パパとママが交代で休みを取っていても、有給休暇や看護休暇はあっという間になくなってしまいます。

そこで、多くの共働き家庭がお子さんの体調不良のときに利用しているのが「病児保育」です。
「病児保育」とは、保育園に通うお子さんが病気になったとき、仕事が休めない親に代わって子どもを預かり、保育所や医療機関等に付設された専用スペースにおいて保育士、看護師、医師などの専門家によって保育および看護ケアを行う保育サービスです。 施設型の病児保育には、1.保育所型 2.医療機関併設型 3.単独型 があり、東京都には166の病児・病後児保育施設があります(2019年12月26日現在)。

その中のひとつ、「病児保育室フローレンス初台 」は、
1)渋谷区内在住で、保育施設等に通っているお子さん
2)渋谷区外在住で、区内の保育施設等に通っているお子さん
3)渋谷区外在住で、保護者が区内の会社等に勤務しており、区外の保育施設等に通っているお子さん
を対象にした施設です。1日あたりの定員は7人で、費用は1日あたり2000円(区外在住の人は1日あたり5000円)。利用するにはまず、病児保育室の利用登録(事前登録)が必要となります。その後審査があり、利用可否メール連絡が届きます。利用可能な場合は予約システムに登録します。

病児保育室に預ける際は、かかりつけ医か病児保育室併設の「マーガレットこどもクリニック 」を受診し、あらかじめダウンロードしておいた利用連絡票の発行を依頼した後、予約システムで予約します。 利用当日は、入室後、「マーガレットこどもクリニック」の診察を受け、病状や発達に合わせて部屋の中で遊びます。昼食は持参したものを食べ、昼食後にお昼寝をします。お迎えは午後5時15分です。
預かってもらえる症状の範囲や利用時間、必要書類などは施設によって異なりますが、大まかな流れはこういった形になります。

病児保育は経験豊富な保育士や看護師・医師がそばで見てくれるという安心感があります。一方で、定員が少なく、感染症流行のシーズンになるとなかなか予約が取れないという問題もありますが、保育園入園前までに地域の病児保育を調べ、できれば複数の施設に登録しておきましょう(役所の保育課への事前の登録手続きが必要な自治体もあるので、ご注意ください)。

ほかにどんな預け先があるの?

病児保育の予約が取れなかった場合、どうすればよいのでしょう。 先輩ママたちの声をご紹介します。

●病児保育が取れない場合は病児専門シッターを利用するつもり
「近くに頼れる親・親戚がいないうえに夫婦ともに休みにくい職場のため、病児保育にはよくお世話になっています。難点は、定員がすぐに埋まってしまうこと。満員のときはキャンセル待ちをするのですが、幸いにもキャンセル待ちになっても今のところ利用できなかったことはありません。とはいえ、キャンセル待ちになったときは、毎回当日申し込み可能の病児対応スキルを持つシッターさんの予約準備をしておきま す(24時間予約受付はメールのため、メールフォームに必要事項を打ち込んでおく)。入会金に年会費、シッティング料金はなかなかの料金なので、病児保育が利用できなかった場合の最後の砦にしています」
(T.Tさん/4歳と8歳の女の子のママ)

●100%預かってくれる会員制の病児保育を利用
「1年間の育休を経て、昨年復職しました。慣らし保育のときから体調がすぐれず、毎日のように呼び出しがありました。通常保育が始まってからも、3日おきくらいに熱を出す始末。5月の連休明けにはロタウイルスで家族全員撃沈し、覚悟を決めて、会員制の病児保育に入会しました。地域の病児保育は定員が少なくなかなか入れないと聞いたので、100%当日預かり保証があることがとてもありがたいです。月齢が高くなり、だいぶ病気も減ってきたので、そろそろ退会しようかと思っています」
(I.Tさん/1歳の女の子のママ)

●病後の回復期にファミサポを利用
「ファミサポ(子育ての援助を受けたい方と、子育ての援助をしたい方が会員になり、相互援助を行う会員制の活動『ファミリー・サポート事業』の通称)を利用しています。ファミサポさんにお願いするのは、ピークは過ぎたけれどまだ保育園に預けるのは心許ない病後の回復期。通院の同行や、用意しておいた昼食を一緒に食べてくださったり、折り紙などで静かに遊んでくださったりするので、とてもありがたいです。既に4回ほどお世話になっていますが、60代の女性で、子どもたちもおばあちゃんのように慕っています」
(C.Hさん/2歳の男の子と4歳の女の子のママ)

●両親に泊まりで来てもらう
「うちの息子は咳が出始めると、一気に悪化して1週間ほど休みます。このパターンがわかってからは、危ないな……と思ったら、愛知に住む私の両親にSOSを出し、新幹線で来てもらいます。1週間面倒をみてもらえるうえに食事の支度も手伝ってもらって本当に助かります。交通費はもちろん出しますが、安心してみてもらえることと、家事の大部分を担ってくれることを考えると、決して高い出費ではありません。健康でフットワークの軽い両親には感謝しかありません」
(M.Tさん/3歳の女の子と6歳の女の子のママ)



取材中、先輩ママの一人が「最初は熱ばかり出していたけれど、最近は元気で病児保育はしばらく行っていないです」と話していたのが印象的でした。実際に、多くのお子さんたちは、年齢が上がるごとに強くたくましくなっていきます。
復職してすぐの頃が、お子さんにとっても、ママやパパにとっても一番大変な時期。信頼できるサポーターを見つけたり、ライフスタイルに合ったサポート体制を取り入れたりして、乗り越えていただきたいと思います。