2020.08.24

夏場に増えるポツポツ湿疹、どう防ぐ? 赤ちゃんや子どものあせも対策

Column

暑さが増してくると、悩ましいのがお子さんのあせも。気づくと首回りや背中、腕やひざ裏、そしてオムツのウエスト部分や太もも周りなどに赤い湿疹ができてしまいます。乳幼児の肌はデリケートなので、あっという間に悪化してしまうことも。
そこで、上高田ちば整形外科・小児科の千葉智子先生に、あせもの予防法と、なってしまったときの対処法をお聞きしました。

子どもの肌はあせもができやすい?

よく『子どもは大人の2倍汗をかく』と言いますね。これは、子どもの方が大人よりも代謝がいいからだけではありません。大人も子どもも汗を分泌する汗腺の数が同じなので、体が小さいほど汗腺の密度が高く、結果的に多量の汗が出るのです。
また、大人にくらべて乳幼児は皮膚が薄く、バリア機能が未熟です。そのため、肌が赤くなったり、かゆくなったりという肌トラブルが起こりやすく、悪化しやすくなります。
近年の猛暑の影響で、お子さんのあせもに関するお悩みは増加傾向にありますので、夏場は特に、あせもケアを意識して生活してもらいたいですね」(上高田ちば整形外科・小児科の千葉智子先生、以下同)

あせもを防ぐには? 日常のケア方法【赤ちゃん編】

「室内で過ごす時間は、汗の吸収と通気性に優れた綿素材の肌着1枚で過ごすようにし、汗をかいたらこまめに着替えさせてあげます。
ねんね期の場合は、おなか部分のみ、冷えないように軽めのタオルケットをかけてあげましょう。オムツ替えのときに、お尻や腰回り、太ももを霧吹きで軽く濡らし、タオルでそっとおさえるように汗や汚れを洗い流してあげるのもオススメです。このとき、しっかりと水分を拭き取り乾燥させることと、タオルで肌をこすらないことが大切です。
さらに、敷き布団の上にはバスタオルを敷き、頭の下にも薄手のタオルを敷いてあげることで、汗を吸い取りやすい状態をキープしましょう。タオルは半日に1回以上取り替えてくださいね」

あせもを防ぐには? 日常のケア方法【幼児編】

「肌着は綿素材がオススメです。最近は冷感素材の肌着も増えていますが、多くが化学繊維でできており、デリケートなお子さんの肌には合わない場合があるので、控えた方が無難です。
肌着や衣類は、汗で濡れたら早めに交換するようにし、着替えがこまめにできるのであれば、肌着は着なくても大丈夫です。晴れた日は水遊びタイムをつくったり、お昼寝前後に38℃以下のぬるめの湯でシャワーを浴びたりすることで、汗を洗い流す時間を増やせるといいですね。
濡らした清潔なタオルで肌をこすらないようにやさしく拭いてあげるのも◎。汗を洗い流した後は、保湿ローションを塗り、肌のバリア機能を高めておくことも効果的です」

あせもができてしまったら、どうすればいいの?

「あせもとは、汗腺が汗や汚れでつまり、周囲の組織を刺激して炎症を起こしている状態です。
あせもには2種類あります。皮膚表面に汗がたまってできる白色のあせも『水晶様汗疹』は、かゆみを伴いません。一般に見られる赤みやかゆみを伴うあせもは、『紅色汗疹』と呼ばれます。『水晶様汗疹』は一過性のものなので、ほとんどの場合は放っておくと数日で治ります。『紅色汗疹』ができてしまっても、あせもの予防策と同じように、肌を清潔に保つようにして、汗をこまめに洗い流すことを続ければ、1週間ほどで改善します。
お子さんがかきむしってしまわないように、あせも部分が露出しない服装を心がけます。さらに、冷たいタオルをやさしく押し当て、患部を冷やしてかゆみを和らげてあげるのも効果的です。数日しても改善が見られない場合は、小児科か皮膚科を受診しましょう」

皮膚科か小児科、どちらを受診するべき?

「乳幼児の場合は、ほかの病気が関わっていないかを確認してもらうためにも小児科を推奨する意見もありますが、私は皮膚科でも構わないという考えです。
もっと言えば、小児科か皮膚科かというよりも、医師との相性を重視することが第一だと考えています。困っていることや疑問点を相談しやすく、自宅でのスキンケア方法を丁寧にアドバイスしてくれる医師の治療を受けられる環境を優先しましょう。
少しでも不安なことがあれば、医師に積極的に質問する姿勢も大切です。質問をすることで、医師とのコミュニケーションが円滑になります。処方薬はいつまで使用するのか、再度受診した方がよい症状についても、受診時に医師へ確認しておきましょう」

 子どものあせもにステロイド剤を塗っても大丈夫?





「『ステロイド剤は強い薬だから、副作用が心配』という方は少なくないでしょう。ステロイド外用薬(塗り薬)は用法、用量を守れば、問題なく使用できます。 ステロイド外用薬は強さによって、『weak』『medium』『strong』『very strong』『strongest』という5段階に分かれます。市販されているのはweak〜strongまでの強さで、リスクはそれほど高くありません。 ただし、お子さんへの使用は、市販薬ではなく、医師から処方された場合にのみ使用しましょう。あせもの赤みやかゆみがひどいときに、医師に処方されたステロイド剤を塗ることは、患部の症状を早く抑え、あせもの悪化を防ぎます。あせもをかきむしることで患部がいつまでも治らず、とびひになる方がよくありません」





「体温が上がると、体内の熱を放散させるために汗が出ます。汗をかくことは、暑い季節を乗り切るために欠かせない生理反応であり、老廃物や余計な水分を放出してくれます。 あせもを防ぐためにと常にクーラーのかかった快適な空間に居続けていては、この生理反応が育ちません」と千葉先生は言います。汗をかくときはしっかりかき、早めに洗い流すようなあせも対策を心がけましょう。


教えてくれた人


千葉智子先生/小児科医
昭和大学医学部医学科卒業。東京、神奈川の病院、クリニック勤務を経て、整形外科医の夫とともに東京都中野区に「上高田ちば整形外科・小児科」を開業。各種メディアへの小児医療についてのコラム執筆や、保護者向けの小児科のかかり方、ホームケアについての講演にも力を注ぐ。3人のお子さんのママ。