あやち

小学生女の子二人のママです。義実家の近くに住み、子育てと仕事に追われつつも、にぎやかな毎日を過ごしています。

2020.10.08

妊娠中:通勤編 「妊娠中、混み合う電車へ」

Diary


妊娠中は大きなお腹を抱えて、今までに感じなかった日常の「過ごしにくさ」を感じました。階段の上り下りや靴紐がうまく結べない・・・などなど。
今まで当たり前だったラッシュの通勤も、だんだんつらくなってきました。
朝から事故でダイヤが乱れ、それでも遅刻するわけにはいかないと、ぎゅうぎゅうの車両に乗り込んだ時には、もうこれ以上ないくらいに押しつぶされ、「本当に無理かも」
と、冷や汗をかいたものです。
そんな頃、ある女の子やさしさに触れました。今回はそのときのことについてお話しします。

いつものように会社へ向かっていたある日

長女妊娠時、私の通っていた会社は都心にありました。電車だと片道40分近くかかります。車内がぎゅうぎゅうになることはないのですが、ほとんどの席は埋まっている状態でした。
おなかが大きくなると、足もむくみ、40分近く立っているのがつらかったので、毎回電車のドアが開く前に「どうか席が空いていますように」と祈っていました。
車内に足を踏み入れ辺りを見回すと、やっぱりすべて埋まっていました。
「しょうがないか」と優先席前に移動することにしました。
3人がけの優先席には、お年寄りの方2人とヘッドホンで音楽を聞いている若い男性がすでに座っていました。
私自身も、立てないほど気分が悪いわけでもなかったので、そのまま優先席の前に立ち、席が空くのを待っていました。

「あの・・・」 優先席の前に立った私に

電車が動き出してすぐに声が聞こえました。すぐ隣には高校の制服を着た女の子が。
「あの、よかったら座ってください」と女の子は少し離れた席を指さしました。
指さされた席には女の子のかばんらしきものが置かれてあります。
「ありがとうございます」とお礼を言い、その指さされた席に向かいました。女の子はさっと自分のかばんを取って、「どうぞ」と言うと、譲った席とは少し離れたドアの近くに
立ちました。
離れた場所から声をかけるのは、とても勇気がいる行動だったと思います。
私には少し照れくさそうに立つその女の子の背中が、とても輝いてみえました。
今でも電車に乗ると、そのときの女の子の背中を思い出します。
すると、心があたたかく、やさしい気持ちになります。
そのときおなかにいた子も、今はもう7歳。
いつかこの子も大きくなったら、誰かに手をさしのべられるようになってほしいなと、
心から思います。
そして、そのためにも、私自身が困っている人には声をかけるようにしないと!と、改めて思う今日この頃です。