トムヤムクンより美味しいスープ？

タイのスープといえば、真っ先に上がるのは世界三大スープの一つとも言われるトム・ヤム・クンでしょう。タイ語で、トム＝煮る、ヤム＝混ぜる、クン＝エビという意味。でも私はトム・ヤム・クンより、ココナッツミルク味のコクのある鶏肉スープ、トム・カー・ガイの方が好みです。カーはタイの生姜でガランガルとも呼ばれるもの、そしてガイが鶏肉です。

トムカーガイを初めて食べたのは、確か2002年に家族でサムイ島を訪れた時のことでした。どうせ海かプールで過ごすのだし、南国のスコールは降ってもすぐに止むからと、雨季のディスカウントを狙って幼い子供たちと共に１週間余り滞在しました。

島に渡った日に立ち寄ったレストランの食事がとても美味しかったので、そのレストランが入っているホテルに移ることに決め、滞在中、ずっとその店のメニューをはじからオーダーして楽しんでいました。それくらい美味しかったしバラエティにも富んでいたのです。

「毎食ウチの店で食べている家族がいる」と気づいたのか、厨房で料理の作り方を見せてもらえることになりました。その時に習ったうちの一つが、このトム・カー・ガイだったのです。教室ではないので、細かい分量は教えてもらえませんでしたが、ざっくりした作り方はつかめ、それから我が家の定番料理の一つになっています。

タイのホテルやレストランの厨房は女性が占める割合が高く、実は私はこの方法で、あちこちのレストランの厨房を覗かせていただいてきました。言葉はできなくても見ていれば大体わかります。「美味しいから作り方を教えて！」と言われて悪い気はしないのか、手隙の時に「今見においで〜」と、招き入れてくれる人がほとんど。荷物になら図、ずっと使えるおみやげになりますよ。料理が好きな方はぜひ旅先でトライしてみてくださいね。

#237　トム・カー・ガイ

材料

鶏がらスープ　200ml
A {バイマックルー (こぶみかんの葉)　3枚、レモングラスの葉　70cm分程度 (茎なら2本)、カー (ガランガル)　乾燥で1.5g程度}
鶏もも肉 小さめの一口大　200g
好みのキノコ　1カップ分程度 (100gくらい)
赤パプリカ 斜め薄切り　1/8程度
青唐辛子 小口切り　好みの量
ココナッツミルク　1缶 (400ml)
B {ライム汁 (レモン汁可)　大さじ1.5、ナムプラー　大さじ1〜2}
香菜　適量

作り方

1. 鍋に鶏がらスープと、A、鶏肉、食べやすく切ったキノコ、赤パプリカ、青唐辛子を入れて火にかける。
2. 蓋をして沸騰したら、15分ほど、肉が柔らかくなるまで煮る。
3. ココナッツミルクを加えてひと煮立ちしたら、Bで味を調え、香菜を飾る。

※鶏がらスープの塩気によって、ナムプラーの量を加減してください。
※青唐辛子は調理中に加えずに、プリックナムプラー（ナムプラーに青唐辛子の小口切り漬けておいたもの）を作っておいて卓上でかけて食べても。
※ガランガルは、ネットなどで生を購入して、それを干してから冷凍して常備して使うようにしています。ガランガルがなければしょうが少々で代用しても（香りはかなり違いますが）。