FARM to BARでショコラの原点を突き詰める〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉

FARM to BARでショコラの原点を突き詰める〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉

ペルーにカカオの自社農園を取得し、「FARM to BAR」のコンセプトを体現する〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉。同ブランドを手掛ける、日本を代表するパティシエでありショコラティエの辻口博啓さんに、2022年に発売された2つのタブレットショコラについて伺いました。

―まず〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉について、ブランドの特徴などを改めて教えてください。

辻口さん:世界中のカカオの香りや味わいを日本の素材や文化と融合させてショコラに込め、日本から世界に発信しているショコラトリーです。2022年にはペルーにカカオの自社農園を取得し、農園の管理からカカオ豆の栽培や発酵、乾燥、焙煎、そしてショコラ作りに至るまでを一貫する、日本発の「farm="" to="" bar」のブランドとしてショコラの原点の部分を突き詰めています。

ル ショコラ ドゥ アッシュ 辻口博啓さん

辻口さん:実は以前は、世界的なショコラコンクールの「BEAN to BAR」部門でアワードを受賞しているフランス人にオリジナルショコラを作ってもらっていたんです。でも、だんだん私も自分で作りたくなってきて、頼み込んで彼の工場を見せてもらい、どこにポイントを置けばおいしいカカオができるのかを学びました。そして行き着いたのが「FARM to BAR」というコンセプトです。

―豆からではなく、農園から。「BEAN to BAR」のさらに先を行くコンセプトですね。おすすめ商品を教えてください!

辻口さん:こちらの「Single origin “Inti”(シングルオリジン“インティ”)」と「Single origin “Killa”(シングルオリジン“キリャ”)」です。

辻口さん:ケチュア語(ペルーの公用語のひとつ)で「Inti」は「太陽」、「Killa」は「月」を表す言葉で、それをパッケージでも表現しました。どちらも中には産地の異なるカカオを使った6種類のボンボンショコラが入っています。 このボンボンショコラのベースになっているのは、先ほどお話しした「FARM to BAR」を体現すべく開発し、2022年6月に発売されたタブレットショコラです。オリジナルのロースターなどを用いて完成させたそのタブレットを使ってガナッシュを作り、ボンボンショコラにしました。

―なるほど。それぞれのBOXの内容も教えてください。

辻口さん:まず「Single origin “Inti”(シングルオリジン“インティ”)」から。No.1はペルー産の「アマゾン ナティーボ」で、直訳すると「我が村の」といった意味を持つ昔からあるカカオです。No.2も同じくペルー産で、実が小さくて味が濃厚な「チュンチョ」という希少品種を使ったもの。No.3は「フィリピン」で、ちょっとスパイシーで土の香りがするような味わい。No.4の「タンザニア」はスパイスの中にフルーツがミックスされたような、No.5の「トリニダード・トバゴ」はピートのようなスモーキーな味わいです。そしてNo.6は「アマゾン ナティーボ」を使ったショコラ オ レという構成です。

―ショコラの中身はどうなっているんですか?

辻口さん:中身はガナッシュのみです。タブレットの味をシンプルに味わってほしいので、間にフルーツや木の実などは入れず、層にしたりもしていません。

―表面に少し模様が入っているだけで、見た目もすごくシンプルですね。

辻口さん:この模様がないと我々も見分けがつきません(笑)。でもなるべくシンプルにしたいから、派手な色とかは入れたくなくて。とにかく味にフォーカスしていますので。

―なるほど。では続いて「Single origin “Killa”(シングルオリジン“キリャ”)」をご紹介ください。

辻口さん:No.1はペルー産の「ブランコ」というホワイトカカオで、フレッシュミックスジュースのような味わいです。No.2の「ベネズエラ」は、柑橘を思わせるジューシーな味わい。No.3の「エクアドル」は花のような香りが特徴で、No.4の「マダガスカル」はドライフルーツのような香りで若干スパイシー。 No.5の「ベトナム」は柑橘を思わせる味わいの中にスパイスを感じます。そしてNo.6は個性的な「ベネズエラ」をあえて使ったショコラ オ レです。

―煙もあって、花もある。そんなに違うものなんですね。

辻口さん:全然違いますよ。個性が全く異なるので、ひと口にカカオ豆と言ってもこんなに味わいが違うんだということが、食べればよくわかると思います。

―おすすめの食べ方はありますか?

辻口さん:4分の1くらいをかじって、香りや個性を感じながら少しずつ味わってください。そしてできればひとつのフレーバーを食べ終えてから、次のフレーバーにいってほしいです。ひとつで完結して感じるものがあるので、そのカカオの持つ個性をしっかり堪能してから次へ。食べる順番もこのナンバーの順番通りに。最後は甘いもので終わるように計算されていますので。

―あとはもう、何も考えずにシンプルにカカオの魅力を味わうことですね。

辻口さん:はい。とにかく、めちゃくちゃおいしいですよ、自分で言うのも何ですが(笑)。でもそれくらい自信があります。この味わいに行き着いて、自分自身が取り組んできたことが間違いじゃなかったんだと確信しました。

―ところで、なぜ名前を「太陽」と「月」にされたんですか?。

辻口さん:太陽の恵み、夜の寒暖。太陽と月の導きによって、このカカオも、この地球も、そして我々も生かされています。原点に立ち返るということを表現する意味でも、そういう名前を付けました。

―では最後に、お客様へのメッセージをお願いします!

辻口さん:自ら農園を作って、カカオにここまでこだわっているブランドは他に無いと思います。私が考える、最高においしいショコラというものをやっと見つけたので、それをぜひ味わっていただきたいですね。「カカオが違うと味もここまで違う」「カカオはフルーツだ」ということを、このボンボンショコラを通して実感していただければと思います。

〈父の日〉ル ショコラ ドゥ アッシュ インティ

〈父の日〉ル ショコラ ドゥ アッシュ

インティ

2,901(税込)

5/3から6/11 15時

●内容:6粒 ペルー ナティーボ、ペルー チュンチョ、フィリピン、タンザニア、トリニダード・トバゴ、ペルー ショコラオレ

〈父の日〉ル ショコラ ドゥ アッシュ キリヤ

〈父の日〉ル ショコラ ドゥ アッシュ

キリヤ

2,901(税込)

5/3から6/11 15時

●内容:6粒 ペルー ブランコ、ベネズエラ、エクアドル、マダガスカル、ベトナム、ベネズエラ オ レ

SHARE

関連記事

NEWS STORY

日本の伝統食「海苔」の老舗メーカーに聞く!おいしい海苔のひみつと歴史【試食会も開催】

―まずは、東急百貨店限定ギフトである「濤貴・濤薫」の名称の由来を教えてください。 金松さん:濤貴・濤薫の名称の由来・違いは それぞれ漢字が表…

夏限定のテリーヌが今年も登場!王道〈アンリ・シャルパンティエ〉のお中元

もくじ 01. アンリ・シャルパンティエの始まりは小さな喫茶店から 02. 看板商品の「世界No.1のフィナンシェ※」のこだわりとは…

全世代に飲んでほしい!2025お中元に〈カゴメ〉のこだわりがつまった〈小ぶりなつぶより野菜〉

マニアックに野菜の個性を引き出す〈カゴメ〉独自の製法に注目 -今回ご紹介いただく〈つぶより野菜〉ジュースは、〈カゴメ〉が長い時間をかけて妥…

【お中元】“堪能する”上海料理の技と味。中華街の名店〈状元樓〉の限定セット

ー〈状元樓〉の歴史やコンセプトなどを教えてください。 陣さん:〈状元樓〉は1955年(昭和30年)に横浜中華街で創業し、女系三代で継承してき…

名産の地栗を味わう。地域密着〈四万十ドラマ〉の焼きモンブランをお中元に

ーまず、〈四万十ドラマ〉の歴史や成り立ちなどを教えてください。 畦地さん:1994年(平成6年)に、四万十川中流域の3町村(大正町、十和村、…

【加島屋の贈り物】感動の味わいに込められた想いとは?新潟の工場を訪問!

迎えてくれた加島屋の皆さん。左から、株式会社加島屋 営業推進部 部長 戸川さん、常務取締役 生産本部長 岡田さん、取締役生産本部副本部長 …

お中元〈トワイニング〉のおすすめティー レシピ
紅茶のアフォガート

2025年のお中元ではトワイニングの紅茶をさらにお楽しみいただける紅茶のアフォガートの簡単レシピをご紹介いたします!

お中元〈トワイニング〉のおすすめティー レシピ
イングリッシュ ミルク ティー

2025年のお中元ではトワイニングの紅茶をさらにお楽しみいただけるイングリッシュミルクティーの簡単レシピをご紹介いたします!

お中元〈トワイニング〉のおすすめティー レシピ
カリフォルニア ウィンディ

2025年のお中元ではトワイニングの紅茶をさらにお楽しみいただけるカリフォルニアウィンディの簡単レシピをご紹介いたします!

お中元〈トワイニング〉のおすすめティー レシピ
レディ ミモザ

2025年のお中元ではトワイニングの紅茶をさらにお楽しみいただけるレディミモザの簡単レシピをご紹介いたします!