答えてくれたのはこの人
代表取締役 畦地履正さん
〈四万十ドラマ〉の成り立ちは?活動の内容は?
ーまず、〈四万十ドラマ〉の歴史や成り立ちなどを教えてください。
畦地さん:1994年(平成6年)に、四万十川中流域の3町村(大正町、十和村、西土佐村)による第三セクターとして高知県四万十町に設立され、2005年(平成17年)に完全民営化されて本格的に地域商社として再スタートしました。現在は地域の皆様や全国の支援者様の出資によって運営させていただいています。

ー主にどんな活動をされているのでしょうか。
畦地さん:「四万十川に負担をかけないものづくり」をコンセプトにしながら、ローカル・ローテク・ローインパクトの考え方で道の駅の運営や地域資源を生かした商品開発など様々なことに挑戦し、私の出身地でもある四万十の活性化を図っています。設立から30年、「自然が資本」の考えを土台にした新プロジェクト「しまんと流域農業」も立ち上げ、四万十の豊かな資源を守るとともに地元産業を後世に残す活動も始めました。
ーちなみに〈四万十ドラマ〉という社名には、どんな意味や思いが込められているんですか?
畦地さん:いままでになかった新しい物語をつくっていこうという思いが込められています。ドラマがここから生まれる、といった意味合いですね。

名産「しまんと地栗」の魅力を伝えるスイーツが自慢
ーその活動のひとつが、今回ご紹介いただく「しまんと地栗」を使ったスイーツづくりということで。
畦地さん:はい。四万十川中流域で育ったブランド栗「しまんと地栗(じぐり)」を使ったスイーツが一番人気です。「しまんと地栗」の収穫量は半世紀ほど前までは地域で500tもありましたが、生産者の高齢化や担い手不足で現在は30~40tほどに激減してしまいました。しかし、四万十の豊かな自然に育まれた「しまんと地栗」は全国平均よりも大きく、そして甘いことが特徴の誇れる資源です。その存在を改めて世に広め、認知を拡大するために、スイーツという形で発信しています。

ーでは、今回ご用意いただいた東急百貨店限定品の紹介をお願いします。
畦地さん:こちらの「しまんと地栗 3種の焼きモンブラン」です。


畦地さん:四万十町の山の中でつくられる天日塩「山塩小僧」をアクセントにしたバターたっぷりのサブレ生地の上に、「しまんと地栗」と沖縄由来のきび糖「本和香糖」、そして白あんを加えた特製モンブランクリームを絞り、焼き上げました。間にはアーモンドクリームを挟んだ3層仕立てで、フレーバーは「しまんと地栗の焼きモンブラン」「しまんと紅茶の焼きモンブラン」「馬路村ゆずの焼きモンブラン」の3種類です。


ーまさしく、モンブランをクッキーにした感じですね。
畦地さん:“常温で食べられるモンブラン”です!「しまんと地栗」は生産量に限りがあるため、通常弊社では生菓子だけに使用し、焼き菓子には和栗(国産栗)を使用しています。しかし今回、こちらの焼きモンブランにも「しまんと地栗」を贅沢に使用し、東急百貨店限定商品としての特別感を演出しました。貴重な栗のおいしさを最大限に活かすため、砂糖は控えめにし、添加物は使わないなど、味わいはあくまでも素材が主役です。
「焼きモンブラン」にも、四万十のエッセンスが随所に
ー3種それぞれの紹介も簡単にお願いします。
畦地さん:「しまんと地栗の焼きモンブラン」は、自慢の栗の魅力をシンプルに堪能できるベーシックな味わいです。「しまんと紅茶の焼きモンブラン」は、四万十川流域でつくられる紅茶と馬路村農協のベルガモットが出会って生まれた国産アールグレイ「あうんアールグレイ」をモンブランクリームとサブレにミックスしました。

畦地さん:そして、高知を代表する柑橘類である馬路村農協のゆずを使ったのが「馬路村ゆずの焼きモンブラン」。同じくモンブランクリームとサブレにミックスし、上にゆずピールをのせて香りや独特のほろ苦さをより引き立たせています。

ー四万十と高知のエッセンスが随所に加えられているんですね。
畦地さん:栗も紅茶も、ゆずも、そして塩も、この地域ならではの魅力です。四万十の工場でひとつひとつモンブランクリームを手絞りしているため、表情が少しずつ違うのも特徴で、クルクルと円を描きながら絞り出した形はまるでバラの花のように見えるので、贈り物にもぴったりかと。


ー相性のよい飲み物など、おすすめの食べ方はありますか?
畦地さん:紅茶やコーヒーはもちろん、クリームに白あんを使っているので日本茶との相性もばっちりです。一番のおすすめは「しまんと紅茶」ですが(笑)。リッチな味わいを出すために洋酒(製造過程でアルコール分を飛ばしています)をアクセントに加えているので、ワインやウイスキーなどのお酒とも合いますよ。ちなみに私は、ワインといっしょに食べるのが好きです。
ーパッケージのデザインも素敵で印象的です。
畦地さん:パッケージなどのデザインは、高知を拠点として活躍されている日本を代表するデザイナー、梅原真さんにお願いしています。設立当時からのお付き合いですね。

ーなるほど、そんなところにも地域とのつながりが。では最後にお客様へのメッセージをお願いします!
畦地さん:私たち〈四万十ドラマ〉は、地域の資源を主役にした安心・安全な商品開発を行い、たくさんのお客様に四万十を応援いただくことで、地元産業を後世に守り継ぐ「しまんと流域農業」の基盤づくりに尽力しています。ぜひ弊社の商品を味わっていただき、四万十の素晴らしさを知っていただけると幸いです!