答えてくれたのはこの人
専務取締役 陣 大介さん
女系三代で受け継ぐ、上海料理の名店〈状元樓〉
ー〈状元樓〉の歴史やコンセプトなどを教えてください。
陣さん:〈状元樓〉は1955年(昭和30年)に横浜中華街で創業し、女系三代で継承してきた上海料理店です。女性ならではの視点を生かしながら、味はもちろん、食材にこだわり、食感や彩り、季節感も大切にした、お客様に五感でご堪能いただく「SAVOR」をモットーとしています。芯となるこの理念は創業当時から変わりません。

陣さん:創業70周年の節目となる今年は、「Patissieres JOGENRO(パティシエール状元樓)」という新たなスイーツブランドも立ち上げました。伝統の味を継承しつつ、時代をキャッチアップした新しい食材やテイストも取り入れ、お客様に常に新しさも提供できる、そんなオリジナリティあふれるオンリーワンの存在であり続けることを目指しています。
ー中華料理の中でも、上海料理はどんな特徴があるのでしょうか。
陣さん:主となるのは、フカヒレの煮込みや豚の角煮といったコク深い煮込み料理です。もちろん、小籠包や焼売などの点心も魅力ですよ。〈状元樓〉では、上海から招聘したプロの「点心師」による点心が人気メニューとなっています。

7種の味わいを堪能できる東急百貨店限定セット
ー今年のお中元ギフトのおすすめ商品を教えてください。
陣さん:お店でも提供している7種のメニューをセットにした、東急百貨店限定となるこちらの「上海飲茶セレクション」です。

陣さん:すべての味付けは、素材本来の味を引き出すため、化学調味料などは使わずに塩や砂糖でシンプルに。例えば点心には臭みのない国産ハーブ豚を使うなど、素材にもこだわっています。解凍してもドリップが出ない特殊な冷凍技術「プロトン」を活用し、つくりたての味わいや鮮度を保ったまま冷凍しているのも特徴ですね。
ーなるほど。では7種のメニューそれぞれの紹介をお願いします。
陣さん:では、4種の蒸し料理「肉焼売」「海老焼売」「紫もち米焼売」「海鮮団子」から。


陣さん:ベーシックな「肉焼売」は、ジューシーで豚肉の旨味たっぷり、ボリュームも満点。食感も楽しめるよう、細挽きと中挽きの挽き肉、そして手切りした肉を混ぜています。そうすることで、ところどころに肉の歯応えがある“肉肉しい”仕上がりになるんです。

陣さん:海老をまるごと1尾のせた「海老焼売」は、中の餡にも刻んだ海老を練り込んでいます。「紫もち米焼売」は皮のかわりにもち米で餡を包んだ焼売で、食感もモチモチしていて独特。そして「海鮮団子」は、海老とイカのすり身に錦糸卵をまとわせたものです。いずれも味がしっかりついているので、醤油などをつけなくても、そのままお召しあがりいただけますよ。
ー見た目も華やかですね!
陣さん:彩りも大切な要素なので、4種類をいっしょにお皿に盛り付けて、目でも楽しんでいただきたいですね。冷蔵解凍してレンジでチンするだけですし、ホームパーティーなど、おもてなしのテーブルにもぴったりです。 焼売の次は、こちらの「大根餅」を。細かく千切りにした大根と濾した大根を混ぜ、干し海老と刻んだ豚肉を入れて米粉でつないだ、お店の隠れた人気メニューです。

陣さん:フライパンに油をひいて両面を焼き、焼き目がついたら食べ頃。こちらもしっかり味がついていますので、そのままお召し上がりいただけます。大根の食感、豚肉の旨味、干し海老の風味のバランスが抜群ですよ。

上海料理ならではのワンタンや焼きそばも堪能
陣さん:続いてこちらの「上海ワンタン」を。

ー普通のワンタンとはちょっと違いますね…?
陣さん:多くの方がイメージするワンタンは具が少なめで皮がひらひらとした、スープに入ったものだと思いますが、それは広東式です。上海のワンタンは水餃子に近いですね。

陣さん:ツルッとしたモチモチの皮の中に豚肉と野菜がぎっしり入っていて、細かく切った海老で海鮮の旨味もプラスし、生姜も少し利かせています。調理も茹でるだけなので簡単。皿に盛って、黒酢やポン酢などお好みの調味料をつけてお召し上がりください。
―形状も特徴的ですが。
陣さん:中国では一般的な家庭料理なので、形状は様々です。ちなみに〈状元樓〉の上海ワンタンの形は昔の中国のお金をイメージしていまして、食べるとお金持ちになる…なんてトークをお客様によくしています(笑)
ー(笑)他におすすめの食べ方はありますか?
陣さん:野菜などといっしょにスープに入れるのもおすすめです。茹でたものが余ったら、フライパンで焼いて焼きワンタンにしてもおいしいですよ。あとは…私はラーメンの具にするのも好きですね。先にワンタンを茹でておいて途中で麺を投入すれば、ひとつの鍋でつくれますし。
―なるほど。ちょっと贅沢なワンタンメンが簡単に。
陣さん:そして最後が「上海焼きそば」。醤油とオイスターソースで香ばしく焼き上げた上海料理伝統の味を、レンジでチンするだけで手軽に味わえます。横浜中華街の状元樓本店のシェフがつくっているので、味も間違いないです!

陣さん:野菜は麺とは別にシンプルに塩味で焼き上げて、豚肉の醤油煮込みの細切りといっしょに後から麺とあわせています。手間ではありますが、そうすることで全体の味がしつこくならず、野菜も油っぽくならないんです。味が濃そうに思われるかもしれませんが、意外とあっさりしていて食べやすいですよ。

―上海料理の魅力を十分に堪能できる7種類ですね。
陣さん:いずれも難しい調理は必要なく手軽に食べられます。シメを焼きそばにして、コース料理のようにお楽しみいただいてもいいかもしれませんね。
―では最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
陣さん:大量生産でいつでもどこでも食べられる商品ではなく、量より質で、ひとつひとつ心を込めてつくった自慢の味わいです。すべては「SAVOR」という言葉に集約されますが、内容もボリュームも充実したセットだと自信を持っていますので、ぜひじっくりとご堪能いただければと思います。