2021.05.07

復帰2年目ママのリアルな一日

Column

この春から復職したママの多くが、「まずはゴールデンウィークまで乗り切ろう!」という思いで、まだ慣れないワーママライフを懸命にこなしてきたのではないでしょうか。
連休明けから本格始動したママも多い中、気になるのは、同じように働くママたちの子育てと仕事のやりくり。そこで、昨年コロナ禍で復職した2人の先輩ワーママのリアルな1日を公開します!

時短勤務ママS.Tさん(都内出版社勤務・2020年4月復職)の場合

2019年7月に第一子となる男の子を出産。区内認可保育園に受託している。通常の勤務時間が午前10時〜午後6時のところ、午前10時〜午後5時の時短勤務中。編集職のため、出産前は残業も多かった。

復職当時を振り返って
「昨年の4月13日(月)が職場復帰日でした。東京は、前の週に緊急事態宣言が発令したばかり。社内でも早々に在宅勤務が推奨され、打ち合わせや取材はすでにオンラインに切り替わっていました。私も職場復帰日当日から在宅勤務に。Zoomで編集部のメンバーに復帰の挨拶をし、1時間ほど今後のミーティングをして終了。その後は、復帰後に取りかかる予定のムック本の内容をブラッシュアップしていましたが、コロナ禍で発売時期の可能性が大だとも言われていました。
息子は職場復帰日から慣らし保育をスタートする予定でしたが、奇しくも4月13日から私の暮らす区内認可保育園が臨時休園に。ミーティング中は、同じく在宅勤務の夫が息子を見ていました。
その後、臨時休園期間は1ヶ月以上にのぼり、夫と協力しながら仕事と育児を両立するスタイルを確立していきました」

復職当時の思い
「産休に入る前に出した本の企画が通り、復帰後はさっそく制作に取りかかれると張り切っていたところに、コロナ禍。撮影ができないため当初の計画通りに進まず、最初はやきもきしましたが、世界の状況が悪化する中、こうして健康でいられることがいかにありがたいことかということを実感。夫婦ともに在宅勤務だったおかげで、突然の臨時休園にも対応でき、恵まれていたと感じています。
緊急事態宣言発出前は4月からの復職に向けて準備は進めていたものの、両立への不安は拭えませんでした。
また、通常であれば4月5月はおそらく仕事に慣れるのに精一杯で、余裕などない時期。もしも通常通りだったとして、私に両立できなかったかもしれない…と、当時はよく思っていました」

一日の流れ
「現在は朝7時に起床し、私が朝食の準備をしている間に夫が身支度、ゴミ出しなどを行います。夫が朝食をとっている間に私が息子に食べさせ、8時半頃、夫が息子を保育園に送り、そのまま出社。その間に私は朝食と片付け。9時過ぎに自宅を出ます。午後5時まで勤務した後、私が午後6時頃保育園のお迎えに。
夫が残業の日は、夕飯の支度、お風呂、寝かしつけまで私がすべてひとりでこなします。
〆切前は、息子の寝かしつけ後に残業をすることもしばしば。最近は寝落ちしてしまうので、早朝に起きて仕事する方法に切り替えたいと思っています」


先輩ワーママからのアドバイス
「子どもの急な発熱には、万全の備えを! 夫婦のどちらが対応するのかということはもちろん、両親や義理の両親、病児保育、ファミリーサポートなど、自分たち以外に子どもを見てくれる人を見つけておくことも大事です。
さらに今は、万が一、家族の誰かが感染したり、保育園が休園になったりした場合のことも夫婦で話し合っておくといいと思います」

今年職場復帰したワーママへのメッセージ
「コロナ禍でまだ先の見通せない日々が続いている中での復職は、さまざまな心配ごとがあると思います。私自身、早く仕事のカンを取り戻したいと意気込んで復帰するも、在宅勤務で部内のコミュニケーションが取りづらく、行き詰まりを感じて悩んだ時期もありました。
でも、社会が今このような状況だから仕方ないと思うようにしたら、だいぶ気持ちがラクになりました。育休明けのママの多くが、“これまで休んでいた分を早く取り戻さなければ”と、頑張りすぎてしまうと思うんですね。
でも、今は状況が状況ですので、初めから飛ばしすぎず、ゆったりした気持ちで少しずつ慣れていっていただければと思っています。応援しています!」

在宅勤務ママE.Aさん(自営業・2020年4月復職)の場合

2019年10月に第二子となる女の子を出産。3歳のお兄ちゃんとともに、区内認可保育園に受託している。基本的に在宅にて、女性起業家のサポートを行う。勤務時間は午前9時〜午後6時。繁忙期は土日に仕事をすることも。

復職当時を振り返って
「長男が通っていた保育園への入園が決まり、喜んだのも束の間、世界中で新型コロナが感染拡大した昨年の3月に、私の暮らす区では、4月中の復職が必須であるものの、会社から休業を命ぜられる等、職場復帰できない場合は5月中の職場復帰が可能となるというお知らせが出ました。
私は自営の身なので対象外でしたし、4月から働く気満々でいたのですが、日本にも緊急事態宣言が出るのではないか…という話が聞こえ始め、先行き不透明に。仕事の予定を入れられず、困っていたことを思い出します。
4月1日の入園式は無事行われましたが、その後、4月8日に登園自粛に。夫はエッセンシャルワーカーなので、私ひとりでふたりの子ども見る生活が始まりました。
私の仕事はオンラインでお客さまに起業のノウハウをお伝えするので、家に子どもがいる状態で仕事はできず、休園期間が終わるまでは、復職どころではありませんでした」

復職当時の思い
「私の復職を心待ちにしてくださっているお客様がいる中、仕事に向かえない焦りとストレスはありましたが、そこはもう腹をくくって、子どもとの時間を楽しむことにしました。
一緒にお菓子を作ったり、折り紙をしたり、絵本を読んだり……。家でできる遊びはひと通りやりました。余力があるときは、寝かしつけの後に仕事をしましたが、基本的には、子ども中心の毎日でした。
収入減の恐怖はありましたが、持続化給付金の給付を受けるなどして乗り切りました」

一日の流れ
「現在は、朝5時に起床。7時頃、家族が起きてくるまでの時間に集中して仕事を進めます。
その後、朝食、身支度、8時半過ぎには保育園の送りから戻り、9時過ぎまでに朝食の片付けを終わらせ、そこから午後6時までみっちり働きます。自宅で仕事をしているので、途中家事を挟みながら働けるのがありがたいです。
多忙な夫の協力は得られないので基本的にワンオペなのですが、これはもう仕方がないかなと思っています。休日のおかずの作り置きや時短家電に救われています」


先輩ワーママからのアドバイス
「私のようにワンオペで仕事と子育ての両立をしている方はたくさんいらっしゃると思います。
私は自営なので、融通を利かせることができますが、外でお勤めの方は本当に大変ですよね。ワンオペの場合、自分がもしも倒れたら…という不安がつきもの。その場合の協力体制は、あらかじめ整えておくといいと思います。
あとは、手抜きできるところはとことん手を抜く! ということ。我が家では、食洗機に始まり、洗濯乾燥機、ロボット掃除機、さまざまな調理モード搭載の電気圧力鍋など、ありとあらゆる時短家電に助けてもらっています」

今年職場復帰したワーママへのメッセージ
「ただでさえ不安がいっぱいの職場復帰がコロナ禍と重なってしまい、イレギュラーなことも多く、ご苦労が多いと思います。私も昨年の復帰時には思うように働けず、やきもきしました。
しかし、仕事に打ち込めないことに焦点を当てるのではなく、本来であれば職場復帰の時期に子どもとじっくり向き合う時間を過ごせたことに焦点を当てることで、ずいぶんと気持ちがラクになりました。
一見、好ましくない状況であっても、捉え直すことによって、自分にとってプラスになるものが必ず見えてくるはずです」



昨年、一度目の緊急事態宣言発出時に職場復帰されたワーママのおふたり。彼女たちが口々に言っていたのが、「職場復帰後の頑張りすぎに気をつけて」というメッセージでした。
「休んでいた分を早く取り戻そう」ではなく、「育休中に培った新しい価値観や感性を活かして働こう」という気持ちで仕事に臨むと、気持ちが軽く、前向きになれるかもしれません。
ご自身のペースで、無理なく仕事と子育ての両立のライフスタイルを実現されますように!<