2021.06.07

【第15回】あの症状、もしかして“産後うつ”だった? 私の体験

Column

出産後、「頭が働かない」という症状に悩まされました。

最初の違和感は、産後の体調が悪かった時に、夫から仕事の悩みを相談されたとき。
私は頭がまったくまわらず、夫に寄り添うことができませんでした。

出産前はポンポンと会話のキャッチボールができていたのに、それができなくなりました。とにかく頭が働かず、前はどんなふうに会話できていたのかも分からないのです。

「今日雨すごかったね」といった話題なら普通に会話できるのですが、「仕事を辞めるべきか」などの込み入った話題になると思考が停止してしまうのです。
ノートに“今、考えなければいけないこと”を書き出してみても、どうしても考えることができません。

夫の悩みにうまく答えてあげられず、「なんで何も言ってくれないんだ」と責められましたし、私自身もなんで助けてあげられないんだろう……と悩みました。

そして精神的に不安定になり、暗い気持ちで日々を過ごしていました。
どこにも出かけたくないし誰とも話したくない。
こんな母親で子どもを育てられるのだろうか。
そんなことをよく考えていました。

また、子どもの夜泣きで寝不足が続き、つねに頭痛やめまい、耳鳴りがありました。
心臓はずっとドキドキしているような感じで、体調もおかしかったです。
体も心もしんどくて、子どもの最低限の安全確保はしながらも終始うつろな状態。
子どもにしっかりと向き合って遊んであげられませんでした。

家に引きこもっているのがよくないのかもしれないと思い、地域の児童館に行ってみましたが、心がつらいのに笑顔で話さなければならないのが苦痛で行かなくなりました。行くと頭痛もひどくなりましたし。
そうしているうちにコロナ禍となり、友人や実家の家族ともあまり会えず、ますます孤立してしまいました。

こんな状態が、子どもが1歳半になるくらいまで続きました。
しかし、理由はわからないのですが、だんだんと元の自分に戻っていったのです。
保育園の手続きや、仕事の先輩に会う機会があり、社会とのつながりがあるという実感を得たからかもしれません。
頭が働くようになり、自己肯定感も戻ってきました。
「自分は、こういう考え方をする人だった」と、前の自分を思い出しました。

夫の悩みはまだ解決できていませんが、今は私も自分の意見を話すことができています。

あの時、私に何が起こっていたのか。どうすればよかったのか。

今になって考えると、解決策としてはまず自分の体調を回復させること。
そのために公的サービス(子どもの預かり)など、なんでも利用して睡眠を確保。
それでも回復しなければ病院を受診する。
その次に、自分で考えるのが難しければ、私や夫の家族、友人など、頼れるところに相談するのがよかったのではないかと思います。

しかし、それさえも「今の状態は異常だ!」と自分で気付けなければ行動に至りません。
産後の精神状態や体調はどうにかしなければいけないと、今ならわかります。
でもその渦中にいると、産後からずっとその状態なので、だんだん当たり前になり、
元の自分がどんな状態だったか忘れてしまっていました。

ネット記事やブログで同じような人がいないか探してみましたが、私のように「頭が働かなくてつらい」という内容はありませんでした。
思い当たるのが、「マミーブレイン」という出産後に脳が萎縮するといわれている症状。
でもそれは産後半年くらいで回復に向かうということだったので、私とは少し違う気がしました。

もしかしてあれが、“産後うつ”だったのか……。診断を受けていないのでわかりませんが。
もし同じような症状の人がいて、共感できたら少しはラクな気持ちになって、
どうにかしないと!と気付いていたかも……と思い、こちらに書かせていただきました。

産後は待ったなしで育児が始まるので自分のケアは後回しになりがちですが、
まずは自分を大切にしてあげることが、自分のためでもあり、家族のためでもあると気づいた出来事でした。

まりめ

まりめ

イラストレーター。雑誌、書籍の挿絵やグッズなどのイラストレーションを手がける。食べ物や人物など、女の子の「カワイイ」の感性に響くイラストをときめきながら描く。mamaco withのイラストレーションも担当。