2022.01.28

子どもの自転車用ヘルメット着用はいつまで?

Column

春からの復職に向けて、子ども乗せ自転車の利用を検討するママやパパは多い時期です。また、進級にあたり、新たに習い事を始めて自転車に乗るお子さんもいるでしょう。便利な自転車ですが、事故に遭ったときの衝撃は大きく死亡事故につながる恐れがあります。
大切な命を守るためにも、自転車用ヘルメットについて確認していきましょう。

ヘルメットを着用することで守ることができた命

警察庁の統計によると、令和2年中における自転車関連事故の約80%が自動車との交通事故だそうです。また、自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を負っていることがわかっています。さらに自転車乗用中の交通事故においてヘルメットを着用していなかった方の致死率は、着用していた方に比べて令和2年中は約3倍高くなっています。
この調査からも、自転車走行時にはヘルメットの着用が必須であることがわかります。

子どもの自転車用ヘルメット着用は保護者の義務

平成20年6月1日に改正道路交通法が施行。「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときや、自転車に同乗させるときは、乗車用ヘルメットを着用させるよう努めなければならない」とされ、子どもが自転車を運転するときや、幼児を幼児用座席に乗せて運転するときは、自転車用ヘルメットを子どもに着用させることが義務付けられました。罰則規定はありませんが、幼児を自転車同乗中に事故に遭った場合、幼児の約3割が頭部を損傷しているということを知ったら、着用させないという選択は考えられないのでは?
子どものヘルメット着用は、2人・3人乗りの前席、後ろ席でも必要です。

ヘルメット着用は、いつから? 何歳まで?

子ども乗せ自転車の幼児用座席に乗せられるようになるのは、首や腰が完全にすわった10ヵ月頃です。自転車用ヘルメットは、はじめて幼児用座席に座るときから必ず着用しましょう。道路交通法では、子どものヘルメット着用義務は「13歳未満の子ども」と定められています。つまり、小学6年生までのお子さんは、自転車走行時にヘルメットを着用するよう、保護者が努めなければなりません。それ以上の年齢に関しては義務ではなく「努力すること」となっていますが、東京都のように、18歳未満の子どもにその保護者がヘルメットを着用させるなどの対策をしなければならないと条例に定めている自治体もあります。

街なかで見かける小学校高学年くらいの子はかぶっていない子も……

学年が上がると、確かにヘルメットを着用せずに自転車に乗っているお子さんを見かけます。しかし、ヘルメットを着用せずに自転車に乗る危険性は前述の通り。自転車の交通事故被害を軽減するためには、大人もヘルメットを着用することが重要です。特に通園などで毎日のように自転車を使う場合は、ママやパパもヘルメットの着用をご検討ください。近頃は、つばのついたタイプや、帽子型などおしゃれなヘルメットも増えているようです。

どんなヘルメットを選べばいい?

ヘルメットを選ぶうえで最も重要なことが、安全性です。ヘルメットには、その安全性を示す「SGマーク」というものがあります。「SGマーク」の「SG」とは、Safe Goods(安全な製品)の略号。生命または身体に対して危害を与える恐れのある製品について、安全な製品として必要なことを定めた「SG基準」に適していると認められた製品にのみ表示される安全基準マークです。「SG製品の欠陥により人身事故が起きた場合」は製品安全協会が責任を持って対応するそうで、安全規格としては最も信頼できるマークといえます。ヘルメットを購入する際には、SGマークが付いているかどうかをきちんと確認しましょう。

まだある!ヘルメット選びのポイント

ほかにも、ヘルメット選びのポイントはいくつかあります。

・サイズ調整が可能なもの
・重すぎないもの
・しっかりフィットするもの

頭囲のサイズ調整が可能なものであれば、できるだけ長く使えます。ただし、サイズ調整が可能なものでも、きつくなってきたら必ずお子さんの頭囲に見合うものにチェンジしてくださいね。
また、ヘルメットが重いと、お子さんの首に負担がかかります。特にまだ首や腰が座ったばかりの赤ちゃんに、重いヘルメットは危険。ベビー用のヘルメットを選ぶのがおすすめです。
さらに、しっかりフィットするかどうかも、安全を左右する大切なポイントです。ヘルメットはネット通販でも購入できますが、できれば販売店で試着してから購入するといいでしょう。



子育て世代の暮らしを支える自転車。もはやなくてはならないというご家庭も多いでしょう。一方で、交通事故の危険性があることも事実です。死亡事故につながる頭部の損傷から命を守るためにも、子どもはもちろん、大人もヘルメット着用をおすすめします。