2024.05.24

[習い事最新事情 2024]相場費用や辞めどきまで保護者の声を紹介!

Column

近年の物価の価格高騰や歯止めのかからない円安が、私たちの暮らしを直撃しています。日銀の「生活意識に関するアンケート調査」(2024年2月調査)によると、現在の暮らし向きを1年前と比べ「ゆとりがなくなってきた」と答える人は49.5%、物価に対する実感を1年前と比べ「かなり上がった」と答える人は62%に上りました。食品、飲料、電気量品、宅配料金などあらゆるものが値上がりする中、塾・学習塾を中心に、月謝の値上がりを感じているママやパパは少なくないようです。
そこで、昨今の習い事費の相場や辞めどきの判断ポイントなど、気になる習い事事情をチェックしていきましょう!

月謝も値上がり? 気になる習い事費の相場を紹介!

今回、お話を伺ったママたちの半数近くが、食品の値上げが過去30年で記録的ラッシュとなった2023年以降、1年前と比べて習い事費の上昇を感じるようになったと言います。気になる相場を見ていきましょう。

先輩ママの声

◆3歳から通わせているスイミングは、コロナ禍の人材不足で1,000円上がりましたが、昨年の7月から500円値上げし、8,500円に。下の子も行きたいと言っていますが、正直悩みます。
(I.Kさん/小3、小1の男の子のママ)

◆娘のオンライン英会話の月謝が昨年500円上がりました。今年もまた値上がりするようなので、レッスンの回数を減らしてプラン変更し、月謝アップを回避する予定。(R.Gさん/中1の男の子、小4の女の子のママ)

◆材料費の高騰で、昨年の秋から造形教室の月謝が月1,000円アップ。息子は楽しく通っているので辞めるつもりはありませんが、正直キツイ……。
(M.Eさん/小3の女の子、小1の男の子のママ)

習い事費の相場

勉強系
・英語/英会話教室 5,000〜15,000円程度/月(週1回)
※個人orグループレッスン、ネイティブ講師か否かなどでも異なる。
・塾(集団指導塾) 10,000〜30,000円程度/月(週2回)
※学年や科目数によって異なる。入会金がかかる場合も。
・塾(個別指導塾) 15,000〜40,000円程度/月(週2回)
※学年や科目数によって異なる。入会金がかかる場合も。
・通信教材 2,000〜10,000円程度/月額 
※学年や科目数によって異なる。入会金がかかる場合も。

芸術・教養系
・ピアノ 5,000〜10,000円程度/月(週1回)
・書道 2,000〜6,000円程度/月(週1回)
・バレエ 6,000〜10,000円程度/月(週1回)
・絵画(教室) 5,000〜7,000円/月(週1回)

スポーツ系
・水泳(スイミング) 7,000円〜10,000円/月(週1回)
※コースや学年によって異なる。入会金がかかる場合も。
・サッカー(少年団) 2,000〜5,000円程度/月(週1回)
※入会金がかかる場合も。
・サッカー(スクール、クラブ) 5,000〜7,000円程度/月(週1回)
※入会金がかかる場合も。
・体操 6,000〜10,000円程度/月(週1回)
※入会金がかかる場合も。
・ダンス 6,000〜8,000円程度/月(週1回)
※入会金がかかる場合も。

習い事にかかる費用や時間の工夫、みんなどうしている?

年額になると大きな負担になる習い事費。先輩ママたちはどのようにやりくりしているのでしょうか。
また、共働き家庭にとっては時間のやりくりも気になるところ。早速チェック!

先輩ママの声/節約編

◆通いよりも通信教育やオンラインのほうが圧倒的に安いので、英語教室はオンライン英会話に、学習塾は通信教育にチェンジ。慣れるまでは親のサポートが必要でしたが、今は習慣化し、ひとりで学習を進めています。
(R.Gさん/中1の男の子、小4の女の子のママ)

◆低学年の頃はダンス、習字、スイミング、英会話、サッカークラブと、多いときには5つの習い事をかけ持ちしていましたが、さすがに家計を圧迫。どれも楽しくて続けたいという子どもと話し合い、ダンス、英会話、サッカークラブの3つに絞りました。
(I.Aさん/小5の男の子と小2の女の子のママ)

◆息子が通っているスイミングスクールは、月額8,500円。友だちのお子さんが通っている、区のスポーツセンター主催の水泳教室は、月額5,450円。近くに安価なスクールはないか本気で探しています。
(I.Kさん/小3、小1の男の子のママ)

先輩ママの声/時間のやりくり編

◆土日が子どもの習い事でつぶれてしまうのは避けたいので、小1のひとりでも通える近所の算数教室と、学校までの送迎サービスのある英会話教室に通っています。放課後は、週3で学童、週2は習い事の日とすることで、娘もメリハリがあって楽しいようです。
(A.Kさん/小5の男の子、小1の女の子のママ)

◆友人のお子さんは、習い事が充実した民間学童に通っています。ネイティブ英会話、絵画造形、書道、ピアノ、プログラミングなど、さまざまな習い事を学童の時間にできるそう。一度見学に行きましたが、料金であきらめました(涙)。
(M.Eさん/小3の女の子、小1の男の子のママ)

やってよかった! 個性あふれる自慢の習い事

近年は多彩な習い事が充実しています。「一番を目指すわけではなく、好きなことを楽しくやらせてあげたい」「ライバルが少なく活躍しやすい」などの理由から、個性的な習い事を選ぶご家庭も。
そこで、マイナーだけど、やってよかった自慢の習い事の体験談をお聞きしました。

◆サイエンス教室/月額6,000〜7,000円程度(週1回)小さな頃から「どうして?」と質問ばかりしてくる子だったので、初めての習い事は科学実験を通して考える力を伸ばすサイエンス教室を選びました。毎回、「熱気球を作ったよ」「乾電池の自動車を走らせたよ」などと嬉しそうに報告してきました。
引っ越しのため、1年間で辞めてしまったのですが、好奇心旺盛な息子にぴったりの習い事ができたことがとてもよかったです。
(A.Uさん/小4の女の子、小2の男の子のママ)

◆ヨガ/1レッスン2,000円前後ママ友がヨガ講師で、友だち数人を集めて親子ヨガのレッスンをしてくれています。深い呼吸をするヨガにはリラックス効果があり、精神の安定に役立つと言われています。娘は今のところイライラしたり反抗したりすることもなく、どしりとした心の穏やかな子に育っていますが、ヨガのおかげかもしれません。
(T.Wさん/中2と小5の女の子のママ)

◆ボルダリング教室/月額5,000〜10,000円程度(週1回)息子のお友だちが通っていました。体幹を鍛えられるだけでなく、あきらめずにやり抜く力を伸ばすことができるスポーツとあって、運動神経抜群のチャレンジ精神が旺盛なお子さんに育っています。
(C.Aさん/小6の男の子のママ)

ほかにも! 個性的な習い事

◆フラッグフットボール教室/月額 1,000〜2,000円程度(週1回)
※入会金がかかる場合も。アメフトのタックルの代わりに、腰につけた2枚のフラッグを取るゲーム。基礎体力向上のほか、判断力やコミュニケーション能力が身につきます。

◆日本舞踊/月額 8,000〜10,000円程度(週1回)
※入会金がかかる場合も。三味線の音色に合わせて美しい所作で舞い踊る、日本の伝統的なダンス。古来から受け継がれた日本の文化を身近に感じ、礼儀作法を身につけることができます。

◆マインクラフト教室/月額 8,000〜20,000円程度(週1回)
※入会金がかかる場合も。ブロックを積み上げて思い通りの建築や装置を作って遊ぶ大人気のゲーム『マインクラフト(マイクラ)』を教材として、プログラミング能力を身につけます。

先輩ママに聞いた! 習い事の辞めどきや辞めるときの伝え方

一度始めた習い事。気になるのが、辞めどきや辞めるときの伝え方です。長く続けた場合、先生に辞めることを伝えづらいという声も聞かれます。先輩ママたちはどのように伝えたのでしょうか。

先輩ママの声/辞めどき

◆子どもが習い事に行きたくないと言い出したり、楽しそうでないときは辞めどきだと思います。いくら親が続けさせたくても、子どもが熱中できないなら、意味がないと感じます。
(M.Eさん/小3の女の子、小1の男の子のママ)

◆費用や時間的なこともあり、何か新しいことを始める場合は1つ辞める、というようにしています。来年は小4。中学受験のための塾通いが始まるので、大好きなサッカーかスイミングを辞める必要があり、悩ましいです。
(I.Uさん/小3の男の子、小1の女の子のママ)

◆スイミングはバタフライができるようになったら、空手は黒帯が取れたらなど、目標を決めて、達成したら辞めどきとしています。
(C.Aさん/小6の男の子のママ)

<先輩ママの声/辞めるときの伝え方>

◆ダンスをやりたいということで、娘は3年間通っていたピアノ教室を辞めることに。個人の先生だったので、言いにくかったですが、正直に伝えました。先生は「さみしいけれど……」と言いながらも、ダンスを始めることを応援してくれました。(M.Eさん/小3の女の子、小1の男の子のママ)

◆先日、小5の娘が4年間通った書道教室を辞めました。本格的に受験勉強が忙しくなるためと伝えしました。個人の先生だったので、最後の日に私もごあいさつに行き、菓子折りをお渡ししました。
(T.Wさん/中2と小5の女の子のママ)

◆スイミングを辞めるときはフィットネスクラブに電話して伝えました。特に理由は伝えずに、菓子折りなども用意することもなく辞めました。習字の先生は個人だったので、プチギフトを贈りました。
(I.Aさん/小5の男の子と小2の女の子のママ)



物価高騰と円安が続き、家計が圧迫される中、習い事費の捻出は簡単なことではなくなりました。とは言え、わが子には習い事を通してたくさんの学びや経験をさせてあげたいのも事実です。 まずはしっかりと予算を決めて、お子さんの力を伸ばし、本人も心から楽しいと思える習い事をさせてあげられるといいですね。

文/羽田朋美(Neem Tree