2020.12.04

産婦人科医に聞く、切迫流産の基礎知識と対処法

Column

「切迫流産」と聞いたら、誰もが不安になるでしょう。しかし、切迫流産全体の9割以上は正常の妊娠に戻ると言われており、たとえ診断されたとしても、無事に赤ちゃんを出産することは可能です。
大切なのは、正しい知識を持ち、万が一診断された場合には、しっかりと対処すること。
そこで今回は、症状や原因、対処法など、切迫流産の正しい知識について、産科医の坂本忍先生に解説していただきました。

切迫流産とは?

切迫流産とは、妊娠22週未満に、流産の可能性が通常より高い状態にあることをいいます。
主な症状は少量の性器出血や腹部の張り、下腹部痛や腰痛などで、正常な妊娠が確認されたあとに、性器出血で受診した人には、下腹部痛の有無にかかわらず、総じて「切迫流産」という診断名がつきます。流産のリスクはありますが、切迫流産と診断された妊婦さんすべてが流産しそうな状態ということではありません。
なお、妊娠22週以降37週未満に出血やおなかの張りが見られる場合は、「切迫早産」と呼び方が変わります。
2022 冷凍おせち

受診のタイミングは?

妊娠初期の出血は、4人に1人の妊婦さんにみられるとの報告もあり、少量の血液が付着していたり、茶褐色のおりものがみられる程度であれば、多くの場合、自然に治まり、流産にまで進むことはまれです。ナプキンに付着する程度の少量の出血で、腹痛もほぼなければ、翌日の受診、もしくは次回の予約の受診で問題ありません。
出血量が多く、腹痛を伴う場合、その程度が強いほど流産に進行する可能性が高いと考えられ、注意が必要です。月経時の出血よりも多かったり、強い腹痛があるときは緊急性が高いので、夜間や休日であっても産婦人科へ連絡し、早めに受診しましょう。

切迫流産の原因

切迫流産の原因はさまざまですが、妊娠12週未満で流産にいたる場合は、母体に原因があるわけではなく、胎児の染色体異常や遺伝性疾患など受精卵の異常であることが多いとされています。
染色体異常が原因の場合には、妊娠12週までに流産となってしまうことが多く、残念ながら、どのような対応をしても防げないことがほとんどです。
妊娠12週から22週にかけての切迫流産では胎児因子によるものが減り、絨毛膜下血腫による出血、感染による子宮内の炎症や子宮頸管無力症、子宮頸管ポリープなどからの出血など、子宮に問題が起きて切迫流産になることが増えます。
母体因子の場合は、子宮収縮抑制剤の処方などの治療法があるため、この時期の出血は少量であってもすぐに産婦人科を受診しましょう。
また、妊娠中の適度な運動は大切ですが、激しい運動や身体に負担がかかると、子宮が収縮しやすくなったり、疲れがたまるとおなかが張りやすくなって、流産につながることがあります。そのため、無理をしすぎないようにしましょう。また、おなかが張らないように、排便習慣をきちんとつけましょう。

東急百貨店のベビー&キッズ

切迫流産と診断されたら

切迫流産から流産への移行を確実に防ぐ治療法は、現在のところありません。基本的には安静にして経過観察し、状態に応じて薬物療法が行われます。
経過観察といっても、入院安静、自宅安静、生活は変えずに様子を見るなど、切迫流産の安静度は、症状によって異なります。
頻繁な出血や下腹部痛があり、点滴などの治療が必要な場合や、お母さんに子宮筋腫などの病気があり、継続的な治療が必要な場合には入院安静になります。
切迫流産と診断されたら、具体的な生活上の注意点などを主治医にきちんと確認しましょう。

なお、出血の有無や色は、安静度の指標のひとつになります。

安静度1…赤色(鮮血)の出血→トイレへ行く以外は安静
安静度2…褐色の出血→室内安静。家事は立ち仕事を減らす。シャワーはOK
安静度3…出血はほとんどなし→激しい運動はしない。外出や軽作業はOK

妊娠中の「冷え」にご用心!

≪犬印本舗≫コットンシルクはらまき

税込 1,980 円

お買い求めはコチラ

自宅安静では家族の協力を得よう

切迫流産で自宅安静を指示された場合、医師に診断書を書いてもらい、仕事は休みます。
自宅では、トイレや着替えなど、自分の身の回りのことをする以外はなるべく横になりましょう。
上のお子さんがいる場合は実家や親戚に預けたり、ベビーシッターさんにお願いするなどして、少しでも育児の負担を軽くすることが大切です。
症状が軽い場合、軽めの家事であれば許可が出ることはありますが、立ち仕事や重いものを持つのは避けてください。
パートナーや家族の助けを借りて、できる限り静かに過ごしましょう。

「流産」という言葉が入っていることもあり、「切迫流産」に対して怖いイメージを持ってしまう方も少なくないでしょう。けれども、大切なのは恐れることではなく、症状をよく理解し、正しく対応することです。
わからないことがあれば助産師さんや産科医の先生に質問し、少しでも不安を払拭して、心すこやかに妊娠期を過ごしましょう。

教えてくれた人
坂本 忍先生
東京医科歯科大学医学部卒業。公認スポーツドクター(日本オリンピック委員会強化スタッフ)。日本医師会認定産業医。