自然環境に配慮して造られたワイン

ひとことで自然派ワインといっても、「ナチュールワイン」「ビオワイン」「オーガニックワイン」など様々な呼び方があり定義も非常に難しいのですが、大まかには葡萄栽培、ワイン醸造、瓶詰めまでの過程において、できるだけ自然に近い形で製造されるワインのことをいいます。近年の地球温暖化などの気候変動や土壌の汚染を憂い、自然環境の保護を信念に、今、多くの生産者が自然派ワインを造り始めています。

基本的に、栽培においては農薬、除草剤、化学肥料を使用せず、自然由来の堆肥を使用するビオロジック農法やオーガニック農法を実践。さらに剪定や芽かき、除葉や収穫などの農作業を、月の満ち欠けや太陽の運行など、宇宙の流れとともに行うビオディナミという特殊な農法を実践する生産者もいます。

肥料も天然のハーブを使用。醸造には畑に自生した天然酵母を使う

葡萄畑には除草剤を使わないかわりに、葡萄樹の畝にあえてハーブや窒素を取り込むイネ科の植物を植えて、それらを土壌にすきこんで栄養素にしています。また化学肥料の代わりに、多種類のハーブを煮詰めてハーブティーにして土壌に与えて土を活性化。さらに牛の角に水晶の粉を入れて土中に埋め込んで熟成させた後に土壌に散布するなど、個性豊かで様々な工夫を行う生産者もおります。

醸造においては畑に自生している天然酵母を使って発酵。また酸化防止剤を添加せずに、または最小限に抑え、生産者によっては無濾過で瓶詰めを行います。 

凝縮感があり 旨味が口いっぱいに広がる奥深い味わい

こうして農薬や化学肥料や添加物を使用しないで生まれたワインは、健康な葡萄のフレッシュさや旨味が口いっぱいに感じられ、凝縮感がありながら美しい余韻のある味わいとなります。また味わいのみならず、美しい自然環境や土壌を次世代に受け継いでいこうとする生産者の強い信念や個性が感じられ、飲んでいても心躍るワインが多いのも特徴です。

今回ご紹介するワイン「セバスチャン・リフォー アクメニネ」もその一つ。農薬・化学肥料を一切使用しない有機栽培を行い、醸造においては天然酵母を使用。酸化防止剤無添加で造られた自然派ワインです。ラベルには岩だらけの山が描かれていますが、その絵のとおりアクメニエはリトアニア語で「石だらけ」を意味する言葉。粘土石灰岩がごつごつと並ぶ、岩だらけの畑で葡萄は栽培されています。こうした土壌からはミネラル豊かな葡萄が生まれるのが特徴です。

このワインはソーヴィニヨン・ブランの葡萄から造られていますが、11haの畑の中でも特に優れた4haの畑から葡萄を厳選。そのうちの５％は貴腐葡萄を使っているので、非常に濃密で味わい深く趣があります。ビオディナミ発祥の地でもあるロワール地方で造られたワインで、ユネスコ世界遺産の古城が並ぶ、ロワール河流域のサンセールという自然の美しい地区で生まれています。

認証マークも選ぶ時の目印にして

さて自然派ワインには認証マークがついているものもありますので、それを目安に選んでもいいですね。EUが認定する「ユーロリーフ」。フランス政府認定の「AB認証」。世界80カ国で展開する「エコサート」など。ラベルの裏や表に有機栽培や無添加で造られたことを承認する認証マークが描かれています。

料理はお肉でもお魚でも、和洋食中華を問わず合わせやすいのも自然派ワインの魅力です。また、天然酵母を使用しているため、抜栓してから時間がたつと普通のワインより、味わいが深くなって変化していきます。健全な葡萄を使用しているため、抜栓しても冷蔵庫に入れておけば1週間近く楽しめ、その間の味わいの変化も興味深いです。毎日グラス１杯、少量づつ飲みながら、味の変化を楽しんでみるのもいいですね。

東急フードショーの売り場では、世界中の自然派ワインがそろっています。お求めのお客様には、販売員がご案内をしておりますのでいつでもお申し付けくださいね。

渋谷 東急フードショーのおすすめ

[写真 左]　
セバスチャン・リフォー アクメニネ2014
(750ml) 3,960円

生産者：セバスチャン・リフォー
葡萄品種：ソーヴィニヨン・ブラン100％
タイプ：白・辛口　凝縮感がありコク深い
フランスの古城で有名な、ロワール地方のサンセールで有機葡萄の畑から生まれた自然派ワイン。貴腐菌が付いた貴腐葡萄を５％ブレンドしているため、まろやかな果実感と黄金色に輝く色調を備えています。マーマレードやカリンのジャムのような凝縮したアロマが感じられ、粘性があって奥深い美味しさ。マンダリンオレンジのようなフレッシュな酸も爽やかです。

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[写真 中]
マチュ・バレー　クローズ・エルミタージュ　エ・ラ・バニエル2021
(750ml) 3,960円

生産者：マチュ・バレー
生産地：フランス・ローヌ地方　クローズ・エルミタージュ
葡萄品種：シラー100％
タイプ：赤・辛口・フルボディ・果実味豊かで凝縮感あり
フランスの北ローヌ地方で、究極のビオディナミ栽培が生み出すパワフルシラー。石が焼けるほど、太陽が豊かに照りつける急峻な斜面で葡萄は育てられ、果実感が豊かでぎゅっと凝縮した葡萄のアロマが魅力。タンニンは豊かですが滑らかで、生き生きと躍動感が感じられるワインです。

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[写真 右]
ラッタ ラトルスネーク2021
(750ml) 4,840円

生産地：オーストラリア・ヴィクトリア
葡萄品種：リースリング、ヴィオニエ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノグリ
タイプ：オレンジ・辛口・ミディアムボディ
20代の若手生産者が情熱をもって有機栽培した葡萄数種を巧みにブレンドした味わい深いオレンジワイン。自然酵母で発酵し、225ℓの古樽でゆっくりと熟成、少量の亜硫酸とともにボトリング。ノンフィルターのため葡萄本来のうまみがしっかり詰まった逸品。今流行のオレンジワインの自然派です。