春想う満開の桜ラベル お花見やホワイトデーに ファン・ヒル・サクラ2022

2024.03

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

春の到来が待ちどうしい時期。満開の桜をラべルに描いたスペインのワインをご紹介しましょう。お花見や春のお祝いにもふさわしい、優しいタンニンとまろやかな果実感が魅力の赤ワインです。ホワイトデーの贈り物にもふさわしい華やかな心躍るワイン。フードショーの「ソムリエが選ぶ赤ワインベスト1」にも選出されています。 

セレッソの丘に咲く満開の桜をラベルに

写真:日本の桜に憧れて桜をラベルに

ラベルに描かれているのは華やかに咲き誇る満開の桜の樹。風に舞う花吹雪もとてもきれいですね。桃色の優しいタッチで描かれた生産者の名前は「JUN GIL(ファン・ヒル)」。スペイン中央部のフミーリャにて、4世代に渡ってワイン造りに励んできた家族経営のワイナリー。近年ではモダンスタイルでワインを造る「モダンスペイン」のパイオニアとして世界に知られ高い評価を得ています。

妻の名と丘の名前を合わせて命名

写真:ファン・ヒルの生みの親、オーナーで醸造家のミゲル・ヒルさん。

ではなぜ桜の花がラベルに描かれているのでしょうか。このワインが生まれえるブドウ畑は”セレッソ”の丘にあります。セレッソとは日本語で桜という意味。「その名の通り丘には桜が何本もあり、毎年美しい花を咲かせます。また、私の愛する妻の名もセレッソなのです。私たちと同じように桜を愛する日本のみなさまのために、特別ラべルをデザインしました。どうか国花の美しさをワインとともに楽しんでくださいね」とファン・ヒルのオーナーのミゲル・ヒルさんは語ります。

このワインはフミーリャといわれる近年注目のワイン産地で生まれます。オレンジの栽培で有名なバレンシア地方のすぐ南。瑞々しく豊潤なブドウの産地です。このワインが生まれる畑はフミーリャの中でも特に標高が高い700~800m。「テルミノ・デ・アルバ=天井の果て」と名づけられた畑から生まれます。そのため、豊かに太陽が照りつける一方で、標高の高さから吹き付ける風は夏でも涼しく、年間降水量もわずか300mm。果実味が豊かでかつ酸が美しく、実が引き締まった傑出したブドウが生まれる好条件を備えています。

白い石灰質とモナストレルの葡萄の相性が秀逸なワインを生む

写真:フミーリャが誇るモナストレルの葡萄。果皮が厚く色も濃い。

さらに、ブドウ畑は白い石灰岩がゴロゴロとした土壌。ゆえに生まれるワインはミネラルが豊かで瑞々しい味わいとなります。そして、ファン・ヒルが誇るこの畑に最もふさわしいのがモナストレルのブドウです。土壌とそこに育つブドウには相性があって、ヒルさんは様々なブドウをこの土壌に植えて試した結果、黒ブドウの土着品種モナストレルが一番だと確信。
「私の畑には、長い歴史の中で大切に育てられてきた高樹齢のモナストレルのブドウ樹が数多く残っています。それを誇りに世界のどこにも負けない赤ワインを作りたいと、地元の生産者とも一緒に長年努力してきました」と語ります。

ギア・ペンンにて94ポイントを獲得。気品ある味わいとなめらかなテクスチャー

写真:標高が高く真っ白な石灰質土壌のフミーリャの畑。現在世界的に評価の高く注目のエリア。

そして2021年、特異なテロワールから生まれるフミーリャのこのワインは、スペインで最も権威あるワイン評価本ギアペニンにて、なんと94ポイントもの高得点を獲得。美しく熟したチェリーやプラムのような優雅な果実感、なめらかでエレガントなテクスチャー。その気品ある味わいとともにコストパフォーマンスの高さにも驚きが寄せられました。
ワイン評論家のロバートパーカーは「魅力的な高品質ワインを驚くべき価格で世に出していることに驚愕し、その誠意に感服する」と伝えています。

渋谷 東急フードショーのおすすめ

ファン・ヒル・サクラ 2022
(750ml) 2,530円
生産者:ファン・ヒル
生産地:スペイン・フミーリャ
葡萄品種:モナストレル100%
タイプ:赤・辛口・ミディムボディ・なめらかで豊かな果実感
毎年日本限定でリリースされる美しい桜ラベルの赤ワイン。今注目のスペインのファン・ヒルの生産地で限定醸造。香り高くタンニンは柔らかく春を思わせるようなまろやかなワインです。美しく熟したチェリーやプラムのような果実感、なめらかでエレガントなテクスチャー。コストパフォーマンスも高く、食卓を彩る優雅な桜は春の到来を思わせます。
 

教えてくれた人

伴 良美(ばん・よしみ) ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。

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