イタリア屈指の名門ワイナリー アンティノリの スーパートスカーナを食卓に ヴィッラ・アンティノリ・ロッソ 2019

2023.11

CDやDVDにジャケ買い、という言葉があるように、ワインもラベルが奇麗なものや、興味深いデザインのものには、つい手がのびてしまいます。実際にワインのラベルは、ワインの歴史やエピソードを伝えるものが多く、そこにはさまざまな情報や物語が隠れています。ラベルのささやきを聞きながらワインを飲めば、いっそう美味しく楽しく感じられることでしょう。

秋も深まり、ワインもお料理もいっそう美味しく感じる季節がやってきました。渋谷 東急フードショーワイン売り場では、11月、イタリアを代表するふたつの偉大な生産者のワインを特別販売いたします。それはバローロを誇る「フォンタナフレッダ」とイタリアワインの伝統と革新を担う「アンティノリ」。今回は2大生産者の物語とワインをご紹介しましょう。

美しいヴィラを守り、イタリアワインの伝統と歴史を牽引

写真:葡萄畑の中心に美しいヴィラが佇んでいる。

ワインのラヴェルにはワイナリーの建物でもあるヴィラの画像が美しく描かれています。ヴィッラ・アンティノリの大きな文字は生産者の名前でもあり、イタリア屈指の名門ワイナリーアンティノリ家の歴史も伝えています。

アンティノリの創業は1385年。ジョバンニ・ディ・ピエロ・アンティノリ氏が、「家族一丸となって家族経営によるワイン造りを行うこと」を理念とし、以来26世代家族経営を貫き、現在、ピエロ・アンティノリ氏と3人の愛娘が引き継いでいます。

「私たちには十分な歴史があるが、それだけではない。畑のポテンシャルを最大限に引き出し、革新的でありながら伝統を守る未開のワインを発見し続けるというミッションがあります」とピエロ氏は語ります。

26代家族経営を守り続け スーパータスカンで革命を

写真 :当主ピエロ・アンティノッリ氏と次世代を担う3人の愛娘

そのため、1971年には、当時としては非常に革新的な、サンジョヴェーゼの伝統品種にカベルネ・ソーヴィニヨンの国際品種をブレンドする、スーパートスカーナである「ティニャネロ」を創出。その7年後にはカベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした「ソライア」を生み出し、海外から非常に高い評価を受け、一気にその名声を世界に広げました。

現在はトスカーナ州のバルジーノに本拠を置きながら、ロンバルディア、ピエモンテ、プーリア、ウンブリア州にもワイナリーを造り、各産地のテロワールを見事に表現したワインを生み出しています。さらに、カリフォルニア、チリ、ハンガリー、ルーマニアといった世界の名だたるワイン産地にもワイナリーを創設。各産地の個性とトスカーナの個性を融合させたワインを造っています。

フォンタナフレッダ 妻に捧げた美しい泉が湧き出る土地が起源に

写真 左:創始者であるヴィットリオ・エマニエル2世。
写真 右:現在は有機栽培とサステイナブルに注力している葡萄畑。

さらにもう一つの特別販売の生産者が、フォンタナフレッダです。フォンタナフレッダはピエモンテ州の王のワインともいわれるバローロを生み出す地域にあります。その起源は19世紀の半ば。初のイタリア国王となったヴィットリオ・エマニエル2世が軍の兵士の美しい娘ローザと結婚します。彼は妻のためにフォンタナフレッダ(=冷たい泉)と名付けられた葡萄畑を購入。そこはアルバ地区周辺では一番景色が美しい風光明媚な場所でした。

後に二人の間にできた息子アルベルトが、その土地にワイナリーを設立します。アルベルト伯爵はそれまで小作農家から単純に葡萄を購入してきたことをやめ、より素晴らしい葡萄を生むために専門の栽培家を招いて農家に直接葡萄栽培のスキルを教示。ともに栽培に励むことをしました。そしてそこから一世紀以上、高品質の葡萄からバローロを造り続け、その品質の高さでバローロの名声を世界的に高めた名門ワイナリーとなったのです。

有機栽培やサステイナビリティに注力 欧州最優秀ワイナリーに選出

写真 左:ワイナリー内には美しいレストランと宿泊施設もありワインツーリズムを楽しめる。
写真 右:サステイナブルの認証も取得している。

2000年代に入ると、農薬や化学肥料を一切使用しないオーガニック栽培を実践。さらに近年はより環境に配慮したワイン造りを目指すグリーンルネッサンスや地元コミュニティーへの貢献など、サステイナビリティを重要視したワイン造りを行っています。

さらに2017年にはアメリカのワイン・スピリッツ専門誌『ワイン・エンシュージアスト』にてヨーロピアン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞。この賞はワイン・飲料業界において目覚ましい活躍をしたワイナリーを、ヨーロッパのワイナリーの中から1社のみ選ぶ、素晴らしい賞となります。

さて11月はアンティノリとフォンタナフレッダの特集を行い、赤ワインだけでなく両生産者の白、ロゼ、スプマンテを30種類近くそろえ 幅広いラインナップでお客様をお待ちしております。これを機会にどうぞ渋谷 東急フードショーのワイン売り場にお立ち寄りくださいね。

渋谷 東急フードショーおすすめ

[写真 左]
ヴィッラ・アンティノリ・ロッソ
(750ml) 3,100円

生産者:アンティノリ
生産地:イタリア・トスカーナ州
葡萄品種:サンジョヴェーゼ
タイプ:赤・辛口・フルボディ

14世紀から続く歴史をもつイタリア屈指の名門アンティノリ。このワインは、彼らが所有するトスカーナの最高の畑から厳選したサンジョヴェーゼと国際品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどをブレンドしたスーパートスカーナです。名家アンティノリ家の手腕を存分に堪能できる、とてもコストパフォーマンスに優れた逸品。レッドチェリーやプラムなどの果実感、しっかりとしたボディとコクのある味わい、穏やかな酸味と凝縮した果実感を伴う上品な余韻が長く続きます。トマト系パスタ、ラタトゥイユ、牛肉のステーキなどとお楽しみください。

[写真 中]
フォンタナフレッダ バローロ・セッラルンガ・ダルバ 2015
(750ml) 7,800円

生産者:フォンタナフレッダ
生産地:イタリア・ピエモンテ州
葡萄品種:ネッビオーロ100%
タイプ:赤・辛口・フルボディ

王のワインとも呼ばれるバローロのワイン生産地区のなかでも、特に条件のよいセッラルンガ・ダルバ村の葡萄のみを厳選して造ったワイン。アリエ産の高級オークのバリック樽で1年、その後2000ℓのオーク樽で1年熟成、さらに1年の瓶熟成を経てリリースしています。最新の技術を駆使し丁寧に繊細に造られたバローロ。ベリー系果実、ハーブ、スパイス、森の下草、紅茶のような複雑な香りと凝縮感ある気品ある味わいが魅力です

[写真 右]
バローロ”ラ・ローザ”1996
(750ml) 37,100円

生産者:フォンタナフレッダ
生産地:イタリア・ピエモンテ州
葡萄品種:ネッビオーロ100%
タイプ:赤・辛口・フルボディ・気品と熟成感あり

バローロの生産地区の中でも特に秀逸な葡萄を生むセッラルンガ・ダルバ村の、さらに優れた区画の最上級の葡萄を厳選したワイン。現在売り場では1996年ヴィンテージ~2000年ヴィンテージまでを取り揃えております。年代物のバローロに出会える機会は珍しく、特にこの1996年ヴィンテージは非常に葡萄の出来のよいビッグヴィンテージ。洗練されたヴェルヴェットのようななめらかなタンニン、ダージリンティやトリュフのような気高い豊かな香りも感じられ、凝縮した果実感と樽のニュアンスが熟成によって見事に融和されこの上なく官能的な味わいです。

教えてくれた人

伴 良美(ばん・よしみ) ライター&ワインエキスパート。映画、食、旅を中心に執筆。ワインと食の情報誌「ヴィノテーク」、北海道新聞、岐阜新聞などの取材記者としても活躍。世界の銘醸地や映画の舞台を訪ねた連載コラムに、フジサンケイビジネスアイ「世界銘酒紀行」「名画の舞台」のほか「男と女 名画とお酒」「シネマの名言」などがある。

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