「たぬき」という可愛らしいブランド名やパッケージイラストなども印象的な〈たぬき煎餅〉は、もちろん自慢のお煎餅の味わいも格別。今回は〈たぬき煎餅〉渋谷ヒカリエShinQs東横のれん街店の伊藤店長にご協力いただきながら、その魅力をお伝えします。
―〈たぬき煎餅〉の歴史やブランドについて教えてください。
伊藤さん:昭和3年(1928年)に浅草柳橋で創業しました。徐々に名前とその味が知られるようになりまして、昭和7年に皇太后陛下にお買い上げいただき、昭和10年には宮内省御用達を賜りました。店名の「たぬき」には、他より抜きんでた煎餅を作りたいという決意の「他抜き」の意味が込められています。
―現在は麻布十番に本店を構えていますが、それはどういった経緯ですか?
伊藤さん:昭和20年の東京大空襲で浅草あたりは壊滅的な被害を受け、弊社の店舗も焼けてしまいました。そこで商売を一次休止していたのですが、10年の時を経て、昭和30年に現在の麻布十番に新たな店舗を構えて営業を再開しました。ちなみに、麻布には「狸穴(まみあな)」という地名や、「狸坂」「狸橋」があり、狸に縁があるということもあってこの地に決めたという話も聞いています。
―なるほど。では、おすすめの商品を教えてください!
伊藤さん:ひとくちサイズで食べやすい、チーズサンドのお煎餅「たぬ吉」です。
伊藤さん:昭和44年に発売された、軽い食感の塩味のお煎餅に様々な味のチーズフィリングを挟んだ商品です。プレーンな「チーズ」の他に「カレー」「たまご」「かつお」、さらに「のり巻」「昆布巻」の6種類があり、全部がセットになった詰合せも人気です。おやつにはもちろん、お酒のおともにもおすすめで、食べ始めるとついつい全種類食べたくなりますよ。
―缶の絵も味がありますね。
伊藤さん:弊社創業者の友人の画家が描いた「踊りたぬき」という絵で、お客様からも「この絵の缶が好き」という声を多くいただいています。あっさりとしたチーズの味が特徴ではありますが、チーズ好きな方や「もっとチーズ感がほしい!」というお客様には、カマンベール風味の「たぬ吉リッチ」もあるので、ぜひこちらもお試しいただきたいです。
―他にもおすすめはありますか?
伊藤さん:こういった各種煎餅も種類豊富に取り揃えています。
伊藤さん:「○○狸」という名前の商品は、一枚一枚がたぬきの形をしているんです。一番人気の「海老狸」をはじめとした全12種類がありますが、「ほほえみ狸」や「元気狸」はその名前の好印象もあってプチギフトとしても人気ですね。先ほどの缶とはまた違う、可愛らしいたぬきのイラストもポイントです。
―では最後に、渋谷の街のお客様へメッセージをお願いします。
伊藤さん:東急さんには昭和60年から出店させていただいていて、麻布十番の本店以外で販売しているのはここ渋谷だけです。渋谷というと若い方がたくさんいる街というイメージがありますが、昔から住んでいる方や通われている方も多くいらっしゃいます。そういった方達にも、もちろん新しいお客様にも、大切な部分は変えることなく、そして変わっていくことも大切にしながら、その味わいといっしょに、いつもここにあるという安心感みたいなものもお届けしていければと思っています。