和菓子職人としての確かな技術と独創的な感性で生みだされた〈wagashi asobi〉の「ドライフルーツの羊羹」。多くのファンを魅了しているこの人気商品について、同ブランドの稲葉さんと浅野さんにお話を伺いました。通販でお求め頂けるのは東急百貨店ネットショッピングだけ。
毎月上旬ごろ、数量限定で販売をしております。
もくじ
01. 〈wagashi asobi〉はどんなブランド?どういう経緯で生まれたの? 02. 「ドライフルーツの羊羹」の魅力。商品化には意外な裏側も… 03. 通販でお求め頂けるのは東急百貨店ネットショッピングだけ 04. 今後の〈wagashi asobi〉のイメージと、お客様へのメッセージ〈wagashi asobi〉はどんなブランド?どういう経緯で生まれたの?
ーまずは改めて、〈wagashi asobi〉のブランドとしての成り立ちなどを教えてください。
稲葉さん:和菓子職人としての修業時代に、職場の仲間たちといっしょに「wagashi asobi」と称したユニットを組んでプライベートで活動していたのが始まりです。当初は私たちを含めた4人で、活動のスタートは2008年頃でした。
ーユニットとしてどんな活動をしていたんですか?
浅野さん:お茶会のイベントを開催したり、高齢者施設を訪問したり、アーティストとのコラボ作品を作ったり。無償で創作和菓子を提供しながら、和菓子を通して人と関わる活動を行っていました。
ーどうして「wagashi asobi」という名前に?
稲葉さん:ユニットで活動する前から、私は個人で活動するときに「和菓子を作って遊んでいる稲葉です」と自己紹介していたんですが、あるとき「和菓子遊びをしている稲葉です」と言ったら「ワガシアソビの稲葉さんですね」と誤認識されて(笑)。でも、そういう名前を付ければ活動の幅も広がって便利だなと思い、そのままユニット名にしました。
ーそしていまはブランド名に。どんな経緯でブランドへと発展したんでしょうか。
稲葉さん:雑誌でページを持たせてもらったり、いろいろな企業からコラボの声が掛かったり、段々と活動の量も幅も広がっていって。イベントに来たお客様から「この和菓子を買いたい」と言われても、プライベートでやっているものなので売ることはできないとお断りしていたんですが、その声もより多くいただくようになり。会社に所属しながら活動するのもそろそろ限界ということで、独立することにしました。
浅野さん:そして独立するとなったときに、会社を辞めてまでやろうというのがこの2人だったという感じですね。ブランドとして正式にスタートしたのが2011年の4月です。
ーなるほど。ブランドとしてはどんなコンセプトを掲げているのでしょうか。
稲葉さん:“一瞬一粒(ひとつひとつ)に想いを込めてつくる”を理念としています。自分たちの手と目の届く範囲、想いを込められる範囲で、できるだけ自分たちが管理しきれるスケール感で仕事をしていきたいと思っています。それは当初から変わりません。
ー和菓子職人として大切にしていることは何ですか?
浅野さん:安心安全・衛生を大前提として やっぱり「美味しい」が一番です。いわゆる“映える”お菓子もたくさんありますが、まずは食べて美味しいことが第一です。
稲葉さん:あとは食べたときの面白さ。和菓子って、食べるときにイメージする「美味しい」が共通でありますよね?でも洋菓子には、フワフワの中にサクサクが隠れていたり、驚きや楽しさがあると思うんです。伝統の部分は守りながら、そういったサプライズみたいなものを和菓子でも表現できればと思っています。
毎月上旬ごろ、数量限定で販売をしております。
「ドライフルーツの羊羹」の魅力。商品化には意外な裏側も…
ー「ドライフルーツの羊羹」についてお聞きします。こちらは浅野さん考案とのことですね。
浅野さん:はい。独立する1年くらい前のイベントで初めて作った、私の自信作です!
浅野さん:西表島産の黒糖と北海道産の小豆を使った羊羹の中に、ラム酒で香り付けしたトルコ産のドライイチジクと苺、そしてクルミが入っています。黒い羊羹の中に苺の赤い色が冴えて、クルミも切ったときに雲のように見えるし、イチジクも種の感じがすごく宇宙っぽくて、抽象画のようになってきれいかなと思い、あえて刻まずにまるごと入れることにしました。
ーどういう経緯や発想で誕生したんですか?
浅野さん:友人のアーティストから「パンに合う和菓子を」という不思議なリクエストを受けたのがきっかけです。パンと相性のよい木の実や果物を羊羹で“つなぎ”にした、テリーヌみたいなものをイメージしました。羊羹に何かを入れようとしたわけではなく、あくまでも主となるのは木の実や果物。羊羹ありき、ではなく、極端に言えばたまたま羊羹だったんです。
ー羊羹ありき、ではなかったというのは意外です。和菓子でラム酒を使うのも珍しいのでは?
浅野さん:ラム酒で香り付けしてドライフルーツを柔らかくすることで、羊羹との硬さや甘さのバランスをとっています。また、黒糖もラム酒も同じサトウキビからできているので、味も調和するだろうと考えて。作ってみたらイメージ通りでしたね。
ー稲葉さんは「ドライフルーツの羊羹」について、どんな第一印象でしたか?
稲葉さん:シンプルに面白いなと思いましたし、美味しそうだなと。でも一番は、こういったものを思いつく才能は私にはないので、「やられた」と(笑)
浅野さん:(笑)
稲葉さん:味には自信がありましたが、商品化となると大変でしたね。中でもパッケージが一番苦労しました。包材を大量に買う予算もストックする場所もなかったですし、いろいろと試行錯誤して…。
浅野さん:この蓋の板、実は魚屋さんの店頭にある値札の板なんです!
ー魚屋さん!?
稲葉さん:ベースの箱と羊羹を入れる袋まで決まって、あとは最終的なパッケージをどうしようかとなったとき、こんな板が乗っていたら木の箱みたいで面白いのではと閃いて。コストも作業量も抑えられるし、重ねることもできるし、すごく素敵なんじゃないかと。
浅野さん:最初にアイデアを聞いたときは「え???」と思いました。どこから入手してきたの?って(笑)。自分たちでハンコを押して、シールを貼って、リボンで結んで。お金がなかったからこそ生まれたアイデアですね。
稲葉さん:いまでも変わらず魚屋さんの板を使って、時間のあるときに1枚ずつ黙々とハンコを押しています(笑)
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通販でお求め頂けるのは東急百貨店ネットショッピングだけ
―美味しい食べ方を教えてください!
浅野さん:羊羹というと厚めに切るイメージですが、イチジクやクルミが大きいままだと硬く感じてしまうことがあるので、薄めに1cmほどの厚さに切るのがおすすめです。コーヒーや紅茶、ほうじ茶といった、ちょっと香ばしい飲み物の方が相性がいいですね。ワインやウイスキーなど、お酒ともよく合いますよ。
稲葉さん:私はお酒が大好きなので、いつもお酒といっしょです(笑)
ーおすすめのアレンジ方法はありますか?
浅野さん:薄く切ったバゲットにクリームチーズを塗って、その上にのせるのがおすすめです。クリームチーズの塩気と羊羹の甘さが相まって、とても濃厚で深い味わいになるので、そのまま羊羹だけ食べるのとはまた違った美味しさを楽しめますよ!
ーこちらの店舗以外で、この「ドライフルーツの羊羹」を買えるのは東急百貨店ネットショッピングだけです。他では販売しないのはなぜでしょうか。
稲葉さん:「地元に根ざした店になりたい」「地元の銘菓になりたい」という思いをずっと持っていて。そんな中で地元の沿線を代表する東急百貨店さんからお声掛けいただいたので、それならぜひということでお付き合いが始まりました。
浅野さん:東急百貨店さん以外だったら考えられなかったです!
ーお中元やお歳暮時期の東急百貨店ネットショッピングで売上1位の実績を誇っていますが、人気の理由はどこにあると思いますか?
稲葉さん:本当に1位なんですか?そんな実感は全くなくて…(笑)
浅野さん:同じく(笑)。普段は通販をやっていないから、希少価値みたいなものがあるのかもしれませんね。
稲葉さん:タレントさんなどがメディアで紹介してくれたりして、それを見たお客様が情報を探し、どうやら東急百貨店ではネットで買えるらしいと知るパターンも多いようで。冬と夏には待ちに待ったという感じでSNSに上げてくれたりして、とてもありがたいですね。
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今後の〈wagashi asobi〉のイメージと、お客様へのメッセージ
ー〈wagashi asobi〉として、今後はどんな展開や未来をイメージしていますか?
稲葉さん:ポジティブな意味での「現状維持」を目指しています。多店舗展開などは聞こえはカッコいいですが、まずはお客様に評価されるものを作り続けることが第一。突飛なイベントを企画したりするのではなく、1日でも長くこのスタンスでの営業を継続できればいいなと考えています。
浅野さん:基本的に扱っているのは「ドライフルーツの羊羹」と「ハーブのらくがん」(現在は製造休止中)だけですが、商品を増やそうという構想も現状はないですね。いまはこの商品でお客様にご満足いただくことが使命だと思っています。
稲葉さん:ちょっとベクトルは違いますが、今後の展開という意味では、他の和菓子職人が独立して自分のお店を構えるときのお手伝いができればと思っています。老舗などで修業を積んだ職人が、その殻から飛び出して新しいことをどんどん始めるようになると、和菓子業界が面白くなっていくと思いますので。
浅野さん:それはありますね。私たちの経験値を共有することで、私たちと同じような考え方の仲間が増えたら幸せです。
―では最後に、東急百貨店のお客様へメッセージをお願いします。
稲葉さん:一生懸命、心を込めて真面目に作っていますので、ぜひ一度お試しいただければと思います。友人や親戚など、いろいろな人たちと時間を共有するシーンも増えると思うので、その真ん中に「ドライフルーツの羊羹」があればうれしいです。
浅野さん:私たちは“誰かと和菓子”という言葉を大切にしています。小分けにせず、このサイズで販売しているのには、そういう理由もあって。1人では食べ切れないから、おすそわけしたり、誰かを誘ったり。そうすることで笑顔の輪が広がっていったらいいなと思っています。ぜひ“誰かと和菓子”を楽しんでください!
毎月上旬ごろ、数量限定で販売をしております。
お店はこちら!
東急池上線長原駅から徒歩1分。改札を出てすぐの路地を入ると、その先にひっそりと佇む店舗が。大きな看板を掲げているわけでもなく、小さな商店の建ち並ぶ落ち着いた雰囲気の路地に自然と溶け込んでいます。
wagashi asobi
〒145-0064 東京都大田区上池台1-16-2
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