もくじ
01. 改めて聞きたい、〈とらや〉の歴史と味へのこだわり 02. お中元のおすすめ_1『夏小形羊羹・水羊羹詰合せ』 03. お中元のおすすめ_2『水羊羹・あんペースト詰合せ』 04. 意外と自由?羊羹の食べ方アレンジも知りたい! 05. 和菓子を食べる機会の少ない人にも、和菓子の魅力を 07. 【関連情報】「TORAYA GINZA」リニューアルオープン改めて聞きたい、〈とらや〉の歴史と味へのこだわり
―まずは改めて、〈とらや〉の歴史などブランド紹介をお願いします。
二宮さん:室町時代後期に京都で創業した和菓子屋で、後陽成天皇の御在位中(1586〜1611年)より御所の御用を勤めています。1869年の東京遷都に伴い、京都のお店はそのままに、天皇にお供して東京にも進出しました。
―東京の〈とらや〉といえば代表的なのは赤坂店ですが、東京進出当時から赤坂に店舗を構えていたんですか?
二宮さん:当初は神田、丸の内、八重洲、銀座へと移り、1879年に赤坂へ移転しました。そして現在の場所に店舗を構えたのが1964年。赤坂の地における歴史は140年以上になりました。

―では、〈とらや〉の菓子づくりにおけるこだわりを教えてください。
二宮さん:〈とらや〉の菓子づくりは、餡づくりから始まります。素材を生かし、シンプルに「いいもの」をつくることを大事に。例えば代表商品の小倉羊羹『夜の梅』に使われている原材料は、小豆、砂糖、寒天の3つだけです。
そして〈とらや〉の餡づくりの特徴のひとつに、「渋きり※」の回数の少なさがあります。回数を少なくしてアクを取りすぎないようにすることで、小豆の味が損なわれず、風味がしっかりと感じられる餡になるんです。
※小豆を煮た際に出る煮汁を捨てること。アク抜き。
―そういった伝統の製法や味わいは、どのように継承されているのでしょうか。
二宮さん:すべてが機械化されているわけではなく、味わいや色、粘度などの見極めといった部分は、いまも職人の目と経験で行われています。とらやの和菓子は天然素材を使用しているため年によってどうしても収穫量や出来具合に差が出てしまうものですが、そこをいかに均一にして“とらやの味”にしていくかが職人の技ですね。

二宮さん:さらに、人の経験や感覚だけでなく、糖度計などを使ったチェックも行います。厳しい品質検査を通過したものだけが出荷できる仕組みを作ることで、同じ味や品質を保ち続けて受け継いでいっています。また、弊社の御殿場工場には、羊羹の味や食感を判断できる「羊羹マイスター」に認定された社員が5〜6名いて、後進の育成や教育も担っています。
お中元のおすすめ_1『夏小形羊羹・水羊羹詰合せ』
―今年のお中元のおすすめ商品を教えてください!
二宮さん:まずはこちらの『夏小形羊羹・水羊羹詰合せ』から。

二宮さん:手軽に召し上がっていただけるサイズで人気の「小形羊羹」と、夏の風物詩「水羊羹」のセットです。小形羊羹は小倉餡の『夜の梅』、黒砂糖を使った『おもかげ』、そして抹茶味の『新緑』という最も人気のある3種類。毎年ご好評いただいている夏限定パッケージですが、今年はデザインを一新しました。

二宮さん:小形羊羹はスティック状で、切る必要がないことも魅力です。バッグに入れて持ち歩きもできますし、常備しておいて小腹が空いたときにいつでも。スポーツや登山の際のエネルギー補給に利用される方もいらっしゃいますね。
ちなみにこのセットには入っていませんが、私は小形羊羹の中では『和紅茶』が好きです。小形羊羹はいろいろな味があるので、ぜひお客様にも他の味もお楽しみいただきたいですね。小形羊羹だけの詰め合わせもおすすめです!
―水羊羹は4種類入りですね。
二宮さん:「御膳」「小倉」「抹茶」「黒砂糖」の4種類です。とらやの水羊羹は、一般的な水羊羹と比べて食感がしっかりしていて、餡の味を存分にお楽しみいただけるかと思います。

二宮さん:煉羊羹と原材料はすべて同じですが、煉羊羹よりも少し食感がやわらかく口溶けがよいので、より小豆の味をお楽しみいただけると思います。弊社の水羊羹は餡の風味が立っているので、緑茶はもちろん、コーヒーやお酒等と合わせるのも個人的には好きですね。
―食べる際はしっかり冷やしてからですね。
二宮さん:そうですね。ただ、あまり冷やし過ぎると食感が少し硬くなってしまうので、お召し上がりの30分〜1時間ほど前に冷蔵庫に入れて冷やすのがおすすめです。
お中元のおすすめ_2『水羊羹・あんペースト詰合せ』
二宮さん:では続いて『水羊羹・あんペースト詰合せ』を。先ほどの水羊羹と「あんペースト」のセットで、「あんペースト」は「こしあん」と「黒砂糖とメープルシロップ」の2種類入りです。

二宮さん:「あんペースト」は「もっと気軽に餡を楽しんでほしい」という思いから誕生し、昨年で20周年を迎えました。毎日の生活の中で餡を手軽に味わう楽しみをご提案している「トラヤあんスタンド」の代表商品で、いまも変わらず人気を集めています。

―おすすめの食べ方は?
二宮さん:ジャムのようにパンに塗ったり、ヨーグルトやアイスクリームに添えたり、温かいミルクに溶かしたり、楽しみ方はお好みで。私のおすすめはあんバタートーストです。「そのままスプーンで食べるのが至福」というお客様もいらっしゃいますよ!

意外と自由?羊羹の食べ方アレンジも知りたい!
―羊羹のアレンジ方法もあれば教えてください。でも、そもそもアレンジなど推奨していなかったり…?
二宮さん:お好みの厚さや形にカットして楽しめるのも羊羹のよいところなので、ぜひいろいろなサイズにカットしていただいて、お気に入りの厚さや形を見つけていただければと思います。棹ものの「竹皮包羊羹」はもちろん、小形羊羹だってカットしていただいても構いませんよ。
―具体的にはどんなアレンジ方法があるのでしょうか。
二宮さん:まず1つ目のアレンジは「羊羹サンドイッチ」。サンドイッチ用の食パンにクリームチーズを塗り、2mmほどの厚さの煉羊羹を挟みます。羊羹は乳製品とも相性抜群です!
他には、ダイス状にカットして無糖のココアパウダーをまぶせば生チョコのような食感になります。あとはカットした羊羹にラム酒漬けのドライフルーツをのせて、お酒のおともにもなる少し贅沢な夜のデザートに。
―どれも気軽に楽しめそうですね。
二宮さん:切り方によって食感も変わるので、ぜひお気に入りのアレンジを見つけてみてください。あわせる飲み物も、抹茶や緑茶はもちろん、紅茶やコーヒー、スパークリングワインやウィスキーなど、自分好みの楽しみ方で味わっていただきたいですね。
とらやの羊羹の歴史や楽しみ方については公式サイトもご覧ください
とらや公式サイト和菓子を食べる機会の少ない人にも、和菓子の魅力を
―伝統と格式のあるブランドなので、あまり遊んだ食べ方は…という感じかと思っていましたが、そんなことはないんですね。
二宮さん:もちろんまずは普通に味わっていただきたいですが、その後は自由に気軽に、かしこまらずにお楽しみいただければうれしいです。和菓子は決して、正座して食べなければいけないものではありませんから。
―そういった考え方は、4月にリニューアルオープンした「TORAYA GINZA」にもつながりそうですね。

二宮さん:赤坂や京都の店舗はとらやと和菓子の伝統的な世界観を味わっていただく場として位置づけており、そこは変わることなく大事にしつつ、「TORAYA GINZA」は年齢や国籍を問わず餡や和菓子に馴染みのない方にも興味を持っていただくための入口になることができればと思っています。
〈とらや〉としてのトラディショナルな部分やこれまで大切にしてきたものを守りながら、幅広い方々に楽しんでいただけるように進化していきたいですね。今回のお中元アイテムも、そんな思いを込めてご用意しました。
―では最後にお客様へのメッセージをお願いします。
二宮さん:和菓子のギフトは和菓子を食べ慣れた方に贈るものというイメージがあるかもしれませんが、和菓子を召しあがる機会が少ない方にも興味を持っていただければと思います。そして味わうことで〈とらや〉のこだわりを知っていただき、自分なりの和菓子の楽しみ方を見つけていただければ。お中元をきっかけに、和菓子の魅力に目覚めていただければうれしいです!

〈とらや〉夏小形羊羹・水羊羹詰合せ3号 4,947円(税込)

〈とらや〉水羊羹・あんペースト詰合せ 4,212円(税込)
【関連情報】「TORAYA GINZA」リニューアルオープン
とらや 銀座店が「TORAYA GINZA(トラヤ ギンザ)」として4月11日にリニューアルオープンしました。「最良の素材を選び抜き、職人の技術によってその個性を十分に生かした“最高においしい菓子”をつくり、素材や菓子のストーリーをのせてご提供したい」という思いを、喫茶を中心とした店舗で表現。とらやとしては初めてとなるカウンター席(要予約)では、職人の技を目の前で楽しみながら、つくりたての和菓子を味わうことができます。

TORAYA GINZA限定商品、ひとくちサイズの羊羹『ちぐさかん』にも注目。こちらは6月下旬まで販売予定の「ラズベリー」「ライム」「パッションフルーツ」の3種入り。季節ごとに様々な味を販売予定です。
TORAYA GINZA
東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル4階