〈パティスリー ラトリエ ドゥ アンティーク〉の“幻のベリー”を使った贅沢な味わい。時計モチーフのスペシャリテをクリスマス仕様に。

2024.10.01

横浜の人気店〈パティスリー ラトリエ ドゥ アンティーク〉から、時計をモチーフにしたスペシャリテ「アンティーク」のクリスマスバージョンが登場。使われている“幻のベリー”についてなど、同店のオーナーシェフである菅原智大さんにお話を伺いました。

パティスリー ラトリエ ドゥ アンティーク シェフ
菅原智大さん

〈パティスリー ラトリエ ドゥ アンティーク〉はどんなブランド?

―まずはお店の紹介をお願いします!

菅原さん:以前から私がコンクールなどで“アンティーク”をテーマにした作品を作ってきたこともあり、それを店名に掲げて2018年に横浜で開業しました。ショップ内もアンティークなイメージのデザインで構成されています。2015年にアジアのコンクールで優勝した作品で、時計をモチーフにした「アンティーク」がスペシャリテです。

―シェフ自身がケーキづくりで大切にしていることは何でしょう。

菅原さん:味はもちろんですし、見た目も大切ですが、特にこだわっているのは素材ですね。クリスマスなどの特別なケーキではより強くこだわるようにしています。いままでパティシエをやってきた中で築いてきた全国の農家さんとのつながりを生かして、今回はちょっと特別なベリーを使いました。

“幻のベリー”とは?今年のケーキのポイントは?

―では、今年のクリスマスケーキを紹介してください!

菅原さん:こちらの「アンティーク ルージュ」です。毎年、クリスマス用の「アンティーク」を作っていますが、今年は東急百貨店さんの掲げるテーマ「パステルロマンティックランド」をイメージし、色合いも淡い感じでまとめてオリジナル感を表現しました。



―「ここが今年らしさ」という一番のポイントはどこですか?

菅原さん:滋賀県産の「アドベリー」という“幻のベリー”を使っていることですね。

―“幻のベリー”。なんだかすごく珍しそうですが…。

菅原さん:ニュージーランド原産の「ボイセンベリー」という果実を、滋賀県の安曇川(あどがわ)が流れる地区の特産品とするべく栽培して名付けられたベリーです。収穫時期は6月中旬から下旬の約2週間、生の果実は日持ちしないのでほとんど出回ることがないというまさに“幻のベリー”で、以前よりも収穫量が減っているためますます希少になりましたが、今回なんとか確保できました。

―味わいなどはどんな特徴があるのでしょうか。

菅原さん:味わいはフランボワーズとカシスの間くらいの濃さで、酸味もしっかりあって爽やか。香りは少し独特ですね。ピューレ状にしたときにサラッとすっきり仕上がり、火を入れても香りが飛びにくく発色もきれいなので、お菓子にも使いやすい素材です。

―そんなアドベリーがどこに使われているのか。全体の構造も教えてください。

菅原さん:ベースとなるのはマダガスカル産バニラビーンズを使ったムースです。中にアドベリーのジュレとアドベリーのクリーム、そしてビスキュイを忍ばせ、底の部分にはアーモンドのダコワーズを。まわりはホワイトチョコレートで、カカオバターのスプレーを吹きかけてマーブル状に仕上げました。上にのっているのはフランボワーズの果実。本当はアドベリーをのせたいところですが…果実は日持ちしないので、色味もきれいなフランボワーズにしました。


時計のモチーフで、クリスマスの幸せな「時」を届けたい!

―外見も断面も美しいですね!

菅原さん:よく「時計の部分も食べられるんですか?」と質問されますが、もちろん食べられます。一見するとパリッとしたチョコレートコーティングのように見えるかもしれませんが、ムース仕立てなのでスッとナイフが入るやわらかな食感です。食べるときは、ひと思いに文字盤にナイフを入れてください(笑)


―すべての層をいっしょに食べるのが理想ですよね?

菅原さん:そうですね。アドベリーのジュレとクリーム、そしてバニラムースの層をいっしょに食べていただくと、バランスとして一番おいしくなるように計算しています。もちろんコーヒーや紅茶も合いますが、クリスマスなのでシャンパンといっしょに食べても華やかな雰囲気でいいかもしれませんね。


―では最後にお客様へのメッセージをお願いします。

菅原さん:時計をモチーフにしたケーキが私の代表作ですが、まだまだ認知度が低いので、クリスマスをきっかけにいろんな人に食べていただき、存在を知っていただきたいですね。時計のモチーフで、皆様にクリスマスの幸せな「時」をお届けすることができればと思います!

〈パティスリー ラトリエ ドゥ アンティーク〉アンティーク ルージュ 6,480円(税込)

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