答えてくれたのはこの人
福本美樹さん
〈メイプリル〉はどんなブランドですか?
―まずは〈メイプリル〉について。ブランドの紹介をお願いします。
福本さん:2011年創業のスイーツデザインスタジオです。見た目の華やかさだけでなく、口にしたときのおいしさにもこだわりながら、美しい色合いと海外仕込みの華やかで大胆なデコレーション、そして日本人ならではの繊細さを掛け合わせた、特別な日を彩るオーダーメイドスイーツを手がけています。
―実店舗を持っていないのも特徴なんですよね。
福本さん:はい。売れ残りを廃棄するのがとても辛いので、ショーケースにケーキが並ぶような店頭での販売は行わず、ご注文いただいた分だけを作るオーダーメイドのスタイルにしています。ただ今年からはちょっと変えて、スタジオにスペースを設けてポップアップイベントなどを開催するようになりました。バレンタインや母の日のほか、夏にはかき氷を出したりも。お客様と直に触れあう場ができたのは新たな一歩ですね。
今年のケーキの注目は、側面のクリームとその高さ
―では今年のクリスマスケーキをご紹介ください!
福本さん:こちらが今年のクリスマスケーキ「パステルロマンティックランド」です。


福本さん:東急百貨店さんの今年のテーマそのままの名前ですが、そのテーマを聞いたときにパッとイメージが浮かんだんです。例年、クリスマスケーキは苦労してイメージを生み出すんですが、今年はもう一発で「あ、あれだ」とひらめいて。こんなこと初めてです。
―その「あれ」というイメージとは?
福本さん:ヨーロッパの建物や中世ヨーロッパの貴族のドレスのような、繊細で美しい風景のイメージです。ヨーロッパって遠いので、行きたくてもなかなか行けないじゃないですか。なので、その思いをケーキに込めました。
―なるほど。デザインのポイントとなるのは?
福本さん:一番見てほしいのは、側面のフリルのようなクリームですね。側面にクリームを絞ってデザインするのは高いスキルが必要なのでクリスマスの大量生産には向かないんですが…私自身がやりたかったスタイルでもありますし、このデコレーションをもっと広めたい、見てほしい、という思いがあったので取り入れることにしました。

―そして特徴的なのが、何と言ってもこの高さです。
福本さん:高貴な雰囲気を出すために、背の高いケーキにしたくて。でも、高さを出すのはかなり苦労しました。背が高いと、作っているうちにズレが生じやすいんです。スポンジのボリュームを増やすのか、クリームの量を増やすのか、食べたときのベストバランスにこだわって何度も試作をして、ギリギリの高さに挑戦した結果がこのサイズでした。本当はもっと高くしたかったんですけどね(笑)
“マリーアントワネットのお茶会”の優雅なイメージで
―中身はどうなっているのでしょうか。
福本さん:3層のスポンジで生クリームと4種のベリー(苺、ラズベリー、ブルーベリー、クランベリー)をサンドしています。上にシュガーパールとシルバースプレーをあしらって、優雅に、そしてゴージャスに仕上げました。クリームは軽やかで甘さ控えめなので、ベリーの酸味が引き立ちます。スポンジはもちろん自信があります! フワフワです! ぜひ食べてみていただきたいですね。

―もちろんですが、味わいにもとことんこだわっていると。
福本さん:私の生き甲斐は、箱を開けたときのお客様の歓声や感動です。でも絶対に譲れないのは、食べておいしいこと。食べ物ですから、眺めて終わりではなく、おいしさがあってこその見た目。これが一番大切にしていることです。
―お客様にこう楽しんでほしいというイメージはありますか?
福本さん:まずは何はともあれ、映え写真を撮ってから。お酒があると、よりゴージャス感が増しそうです。お酒を嗜まれる方は、ロゼワインやシャンパンなどと一緒に撮ってみてはいかがでしょうか?
大人の女性はもちろんですが、女の子は目がキラキラしちゃいそうですよね。まるで自分がプリンセスになった気分で。ドレスを着て、はちょっと大袈裟かもしれませんが、“マリーアントワネットのお茶会”に呼ばれたような、そんな優雅な気持ちでお楽しみください!

〈メイプリル〉パステルロマンティックランド 6,480円(税込)