2024.12.02

「クリスマスに読みたい贈りもの絵本」

● 子育て

5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。

「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」

これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。
毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。
この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。

子どもがクリスマスを認識し始めたら読みたい贈りもの絵本

いくつになっても、クリスマスプレゼントをもらうのも贈るのも嬉しいものです。そろそろ家族や大切な友人などへのクリスマスプレゼントを考え始める方もいらっしゃるでしょうか。子どもが、なんとなく「クリスマス」や「クリスマスプレゼント」を理解し始めると、それまで以上にクリスマスプレゼントも楽しみになるはず。
そこで今回は、クリスマスに読みたい贈りもの絵本をご紹介します。


大人気シリーズからクリスマスにぴったりの『ぜったいに あけちゃダメ?ラリーのクリスマス』。
気になるクリスマスプレゼントの中身。開けたいけれど、絶対に開けちゃダメ!絵本の中のギフトボックスを、たたいて、こすって、つまんで、読みながら遊べます。この絵本を読めば、クリスマスプレゼントへのワクワク感も増します。
思わず大人も一緒に参加したくなる、大盛り上がり間違いなしの一冊です。

『ぜったいに あけちゃダメ?ラリーのクリスマス』 ビル・コッター さく/サンクチュアリ出版


五味太郎さんによるしかけ絵本シリーズ『まどから おくりもの』は、何度も読みたくなる愉快なクリスマス絵本。
絵本を開けば、ヘリコプターでやってくるサンタクロースに思わずツッコミを入れたくなります。それからサンタは、穴あき仕掛けの窓からちらっと寝ている子の様子を見て、その子にぴったりのプレゼントを選び、配っていきます。ところがそれは……。
かなりいいかげんなサンタクロースに、大人も子どもも笑ってしまう面白さ。何度でも読み返したくなります。寝ている間にやってくるクリスマスプレゼントへのドキドキ感をユーモラスに描いています。

『まどから おくりもの』 五味太郎/偕成社

世界中で愛されるほんものの絵本

世界中で長年愛されている『ビロードのうさぎ』。酒井駒子さんの絵と抄訳で、大人も子どもも楽しめる名作です。
クリスマスプレゼントとしてやってきたビロードのうさぎとぼうやの物語。「“ほんもの”ってどういうこと?」という言葉は、大人にも響く言葉。消費社会の今日だからこそ、読みたい、読み継がせたい、本物の絵本です。
はじめのうちは、子どもの反応は薄くても、子ども部屋のいつでも手の届くところへ飾っておいてみてください。いつか“ほんもの”が気になり、手に取りたくなる日がやってくるかもしれません。

『ビロードのうさぎ』 マージェリィ・W・ビアンコ 原作 酒井駒子 絵・抄訳/ブロンズ新社

クリスマスに贈りたい特別装丁の贅沢な本

大切な人へ、一年間頑張った自分へ、クリスマスには特別に贅沢な本をプレゼントしてみませんか。
長年読み継がれているクラシカルで上質な物語を、クリスマス特別装丁でお楽しみいただけます。箔押しでゴージャスな装丁は、とても美しく重厚感があり手にするだけでうっとり。読んだことがある方も、初めて読む方も、まっさらな気持ちで楽しめます。
クリスマスが終わったあと、ホリデーシーズンにゆったりと読み進められるのも、大人には嬉しい二冊です。


『クリスマスの殺人 アガサクリスティー傑作選』は、アガサ・クリスティー作品の中からホリデーシーズンにぴったりの短編が収録されています。
短編だから、アガサ・クリスティーを読んだことがない方でも、気軽にお楽しみいただけます。金の箔押し、雪の結晶がゴージャスに舞い散る外箱など、クリスマスならではの特別装丁がとても贅沢な一冊。
静かな聖なる夜に、名探偵・ポアロ作品などミステリーの女王として名高いアガサ・クリスティーの世界観にどっぷりと浸ってみてはいかがでしょう。

『クリスマスの殺人 クリスティー傑作選』 アガサ・クリスティー 深町眞理子他 訳/早川書房


クリスマスシーズンにはバレエの演目でも大人気の『くるみ割り人形』。その原作を、マリメッコデザイナーのサンナ・アンヌッカさんによるクリスマス特別装丁で堪能できる一冊。
布貼りで箔押しの上質感は、クリスマスならではの特別感。手元に置いておきたくなる美しさです。くるみ割り人形は、少女・マリーのお気に入りのクリスマスプレゼント。そんなくるみ割り人形とマリーが繰り広げる不思議な物語。お菓子の国の煌びやかな描写は、大人のクリスマスプレゼントとしてもぴったりです。

『くるみ割り人形』 E.T.Aホフマン 作 サンナ・アンヌッカ 絵 小宮由 訳/アノニマ・スタジオ

サンタクロースからのプレゼントをもらう喜び

子どもにとって、サンタクロースからのプレゼントはやはり特別。夢と希望がこれでもかと膨らみます。
一方で、子どもに何を贈ろうかと悩む大人たち。クリスマスがやってくるまで、夜眠る前に親子で一緒にこれらの絵本を読み、クリスマスプレゼントに何が届いたら嬉しいか談義をしながら、子どもが本当に欲しいものを探るのもいいかもしれません。クリスマスを認識すると、クリスマスプレゼントをもらうことの喜びをより感じます。
クリスマス当日、それらのプレゼントを開けながら、みんなで分かち合い笑顔溢れる素敵な日になりますように。メリークリスマス。

それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。

5冊だけの本屋 ミホコ

2015年に女性のための選書サービス「5冊だけの本屋」をスタート。お客様のSNSを拝見して、今のお客様にぴったりな5冊を選書している。本好きな女性にも、普段本を読まない女性にも、読書を楽しんでもらうために活動中。

「5冊だけの本屋」ミホコの今日もハッピーエンド。