サカイ優佳子の食育のヒント
高野豆腐のふっくら柔らかフレンチトースト オレンジ風味
高野豆腐で、タンパク質たっぷりのフレンチトースト
高野豆腐は、豆腐をフリーズドライにしたものです。元々は、昼夜の寒暖の差を利用して、豆腐を凍らせ、溶かすを繰り返しながら乾燥させて作られたものでしたが、今はほとんどが工場で生産されています。
そんな高野豆腐のメーカーさんから、「当社の新製法で、従来品に比べて大幅に減塩となりました」という説明を数年前に受けました。でも、高野豆腐ってそもそもしょっぱくないですよね?
さて、減塩とはどういうことなのでしょうか?
答えは、高野豆腐に添加されている「膨軟剤」にありました。膨軟剤を加えていない、以前の高野豆腐は、水で戻してから手のひらで挟むようにして水を絞り、その水に濁りがなくなるまで何度も絞ることを繰り返してからでないと、使うことができませんでした。アンモニアが添加されていたからです。
また、今の高野豆腐より、煮ても柔らかくふっくらとは仕上がりませんでした。高野豆腐に膨軟剤を加えることによって、1分で包丁が通るほどになり、5分もすれば全体がふっくら戻り、格段に使いやすく柔らかく食べることができるようになったのです。
この膨軟剤に、一般的には重曹(=炭酸水素ナトリウム)が使われているため、塩分を制限している人たちからすると気になるところなのだとか。近年、膨軟剤を、重曹から炭酸カリウムに替える動きがあり、高野豆腐のナトリウム量が大幅に削減されたというのです。
もし塩分を気にしているのであれば、膨軟剤に何をつかっているのかを気にしてみてくださいね。
今回は、膨軟剤が入っているからこそ美味しく作ることができる高野豆腐のフレンチトーストをご紹介します。
#224 そら豆のポタージュ 材料
- 高野豆腐 2枚
- A {牛乳 120ml
- 砂糖 小さじ1
- 塩 ひとつまみ
- バニラエッセンス 2滴}
- オレンジジュース 大さじ1
- B {卵 1個
- 砂糖 小さじ1}
- バター 大さじ1
- 好みでシナモンパウダー、メープルシロップなど 各適量
作り方
- 高野豆腐は水に1分ほど浸けたらすぐに6つに切り分ける。水気は絞る。
- 1とAを鍋に入れ、蓋をして3~5分ほど中弱火にかける。
- 高野豆腐が全ての水分を吸ったら、火を止めてオレンジジュースを加える。
- 1に、溶きほぐしたBをからめ、バターを溶かしたフライパンで、弱火でじっくり焼いて火を通す。
※ 2で加熱しないと、高野豆腐は硬いままで美味しくなりません。ふわふわ柔らかくするためには、この手順を守ってください。
※ 高野豆腐なら、食パンで作るより低糖質。タンパク質がたっぷり摂れます。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/