あさりのうまみでレタスをたっぷり食べよう!
アサリが旬を迎える4月。
千葉で生まれ育った私は、子どもの頃、東京湾沿いの富津(ふっつ)にあさりの潮干狩りに家族でよく行ったものでした。当時はまだ天然ものもあったのでしょうか。昨今では潮干狩り客用に毎日何トンもの大量のあさりを撒いていると聞くと、複雑な思いがあります。
令和4年3月の水産庁のレポート「アサリをめぐる情勢」等によれば、1980年代には16万トンほどとれていたのをピークに、2011年には3万トン、2022年には4,400トンにまで国内漁獲量はさらに落ち込んでいます。その不足分を補うように、2011年には5割ほどだった輸入あさりの割合が、今や流通量の約9割が外国産になってしまいました。
クロダイなどによる食害、地球温暖化による海水温の上昇、地域によっては豪雨被害による海底ヘドロの堆積、あるいは下水がきれいになりすぎて海の栄養が減少したこと、など、理由はいろいろ挙げられていますが、根本的な解決方法はまだ見出せていないようです。
かつては庶民の味だったあさりも、これから高級食材になってしまうのでしょうか。
そんな貴重なあさりとレタスを洋風の炒めものにしてみました。シンプルな味付けですが、あさりのうまみとレタスのシャキシャキ感がマッチしておいしく召し上がっていただけると思います。
レタスはサラダと思い込んでいる方も多いのですが、ぜひこんな食べ方も試してみてくださいね。
#258 あさりとレタスのアンチョビ風味炒め
材料
レタス 1/2個分(150g程度)
オリーブオイル 大さじ1
にんにく 1かけ
殻つきアサリ 200g
アンチョビフィレ 1枚
白ワイン 大さじ1
胡椒 少々
カイエンヌペッパー (一味唐辛子でも) 少々
作り方
1. レタスは洗って、食べやすい大きさにちぎり、水を切っておく。
2. フライパンにオリーブオイルと刻んだにんにくをいれて弱火で香りをたてる。
3. 強火に変えて1のレタスを入れて焼き付ける。
4. アサリと刻んだアンチョビ、白ワインを入れる。
5. 蓋をして中火にし、フライパンをゆするようにしてアサリの殻があくまで火を通す。
6. もし水分が多いようなら、蓋をとり、強火で水分を飛ばしてから、胡椒とカイエンヌペッパーをふる。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/