旅行が好き!食べるのが好き! 世界各地を子連れで訪れ学んだ家庭料理をベースに生まれたレシピや、食品ロス削減、冷蔵不要で省エネ、防災食にもなるDRYなFOOD「乾物」を使ったレシピなどを紹介します。
紫の菊を食す秋
秋になると食べたくなるのが、紫色の菊の花。代表的な産地は山形、新潟です。
菊の花のおいしさに目覚めたのは、20年以上も前、新潟県白根市の名産「かきのもと」との出会いでした。亡くなった義母の実家が白根に近く、年に何度かは訪れていました。
紫の菊は「もってのほか」という、とネット上などでの記載も多く、「かきのもと」は「もってのほか」の別名だと八百屋さんにも言われたことがありますが、花びらの形状や食感がかなり違うんだけれど、、と納得がいかなかったんですね。
一年ほど前、山形大学のホームページに、「食用ぎく遺伝資源データベース」なるものを見つけました。そこには、こんなふうに書かれていました。
新潟県から山形県にかけて栽培される晩性の紫赤色・管弁の系統群。形質の異なった多くの系統がある。「もってのほか」(山形県)、「かきのもと」(新潟県)、「延命楽」(山形県庄内地方)、「おもいのほか」(新潟県長岡地方)、「かしろ」(山形県置賜地方) などの名称がある。
出典
https://www.tr.yamagata-u.ac.jp/~shokuyougiku/fukurogiku.htm
なんと26種類もの紫の菊の花が掲載されているのです。紫色の菊の花だけでも、こんなに種類があるんですね。「かきのもと」と「もってのほか」は「形質が異なる」し、かきのもとの中でもさらに細かい分類があるのを見つけて、やっと合点がいきました!
秋に紫の菊を見つけたら、どの種類かなと同定を楽しみながら、ぜひ味わってみてくださいね。
定番ですが、毎年必ず作るのが甘酢和えをご紹介します。一気に食べちゃうくらいの好物です。
#252 紫菊の甘酢あえ
材料
菊の花 1パック (100g程度)
酢水 (水1リットルにつき酢大さじ1程度)
甘酢 (作りやすい分量) [米酢 100ml、砂糖 大さじ3、塩 小さじ1、昆布水(水でも可) 大さじ2弱]
※昆布水=水1リットルに20g程度の昆布を入れて冷蔵庫で8時間以上置く。
作り方
1. 菊の花は、花びらをガクから外し、酢水でさっと湯がく。
2. 1の水気をギュッと絞り、適量の甘酢で和える。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/