サカイ優佳子の食育のヒント
おからのお稲荷さん
さっぱり低カロリーのお稲荷さんの正体は?
先日、「浜松の郷土料理です」とさっぱりしたお稲荷さんを頂戴しました。お稲荷さんの味は好きでも、
ご飯と油揚げだけというバランスがなんとなく嫌で、あまり積極的に食べたいと思ったことがなかったのですが、このお稲荷さんはとても気に入りました。
なぜって。お米は入っていないのです。
その代わりに入っていたのはおから。野菜入りのおからを酢飯のように調味してあって、さっぱり。ご飯と違って硬くならないので冷蔵保存もできるし(冷凍もいけそうです)、「ご飯ばかりで重い」という感覚なく食べることができるのが嬉しいところ。ダイエット指導をしている友人も「これは罪悪感なく食べられていいですね!」と話していました。
私も真似して作ってみようと、ちょうどいただいたおからパウダーが手元にあったので挑戦してみました。おからは、豆乳や豆腐を作ったときに残る大豆の搾りかすです。搾りかすとはいっても、大豆由来のタンパク質やカルシウム、ビタミンEなどの栄養は残っているし、不溶性食物繊維が豊富で満腹感も得やすく、体重増を気にする人には以前から注目されてきました。
ただ、従来売られてきた生おからは、価格は安いものの冷蔵保存が必要で傷みやすく、大概大量に入っていて使いきれないことも多く、実はあまり家でおからを使って料理をすることはありませんでした。そんなおからの水分を抜くことによって、賞味期限も数ヶ月と長くなり、常温で保存ができるようになったことで、 使い勝手がぐんとよくなったのがおからパウダー。一時は品切れ騒ぎも起きるほどの人気商品となりました。食べたい分だけ使ってあとはまた保存しておけるのも乾物ならではの便利さです。
いただいたお土産の味を思い出しながら、家にあった材料を使って作ってみたところ、なかなかいい感じにできました。おからパウダーを使うおからのお稲荷さん。我が家の食卓への登場回数、増えそうです。
#190 おからのお稲荷さん 材料
- 干し椎茸 1枚
- 油揚げ 4枚
- A {昆布と鰹のダシ 100ml、干し椎茸の戻し汁 大さじ1、砂糖 大さじ2、 醤油 大さじ1強}
- おからパウダー 40g
- 水 160ml(*生おからを使う場合は200g)
- ごま油 少々
- 人参 みじんぎり 大さじ1
- 茹でたえだ豆 20g
- 青ネギ 小口切り 大さじ1
- 白ごま 適量
- B {干し椎茸の戻し汁 大さじ1、酢 大さじ4、砂糖 大さじ2、薄口醤油 小さじ1.5
作り方
- 干し椎茸は水につけて7~8時間冷蔵庫で戻し(時間がなければ30分ほどつけて戻しても可)、細かく 刻んでおく。
- 油揚げは熱湯をまわしかけて油抜きし、2つに切って袋状にしたら、Aとともに鍋に入れて含め煮にする。
- おからパウダーは水とよく混ぜ、戻す。
- 鍋にごま油を少々入れ1、人参、えだ豆を入れて炒め、火が通ったら3を加えひと炒めしてから、Bで調味する。
- 4の粗熱が取れたら青ネギと白ゴマを混ぜ、粗熱が取れた3の中に詰める。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/