サカイ優佳子の食育のヒント
里芋のシンプルグラタン
「ポテト」グラタンを里芋で作ってみたら、、
寒くなると美味しくなってくる里芋。全国で最も生産量が多いのが千葉県とは、千葉市出身ながら、最近まで知りませんでした。
千葉の、特に内陸部で道の駅などを訪れると、「里芋」ではなく品種名で数種類が売られているのを見かけます。ある店では10種類近くもあり、名前を聞いたことすらないものまでありました。店の人に尋ねてみると、それぞれがどんな料理に向いているかを教えてくれます。どの里芋を買おうかと迷う楽しみにこんなところで出会うとは思っていなかったので、思わずあれこれ買ってしまいました。
実は、若い頃、肌がとても敏感で、里芋を扱うとしばらく手が痒くて仕方なかったこともあり、自分で買うことはない時期が長かった里芋。皮をむかずに洗ってから火を通すのなら手が痒くならないことに気づいてから、その美味しさを家でも味わえるようになりました。
里芋の料理で思い出深いものに、里芋のポテトサラダがあります。じゃがいも、里芋、さつま芋の3種類を芋だけ変えて同じレシピで作って食べ比べた時のこと、里芋のポテトサラダはねっとりとした美味しさで、同席した年配の女性が、気に入って3回もおかわりしていたのが微笑ましかったです。
「それなら、ポテトグラタンも、じゃがいもではなく里芋でも美味しいのでは?」と里芋で作ってみました。乳製品と里芋の相性は抜群。冬になるとシンプルでアツアツのコレが食べたくなるのです。
ぜひお試しください。
#183 里芋のシンプルグラタン 材料 (2人分)
- 里芋(中) 4個(250g)
- 生クリーム 50cc
- 塩・胡椒 各少々
- チーズ 50g
作り方
- 里芋は皮をむき一口大に切って茹でる。
- 油(分量外)を薄く塗った耐熱皿に1を入れ、生クリームを全体にかけ回したら、塩胡椒で薄めに味を調える。
- すりおろした(あるいは刻んだ)チーズを2にふりかけ、240度に予熱したオーブン(オーブントースターでも可)で10分ほど、いい焼き色がつくまで焼く。
※塩の代わりにアンチョビを入れてナツメグパウダーを振れば、「’里芋’ドーフィノワ」に。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/